
容疑者全員ワケありキラー!?
生き残りを賭けたサバイバル・マーダーミステリー!!
今回はパッケージ型マーダーミステリー『キルタイム・キラーズ 絶泉館の殺人』についてレビューします!
本作のあらすじや遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想や評価についてご紹介していますので、これから遊ぶ予定のあなたは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
シナリオ概要

プレイ人数 | 5人(GM不要)or 6人(GM必須) |
プレイ時間 | 180~240分 |
プレイ環境 | オフライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2022/7/28 |
デザイナー | 斜線堂有紀 |
サイズ | 17.3 × 22.3 × 5.6 cm |
版元 | Konami Digital Entertainment 集英社 |
『キルタイム・キラーズ』は、KONAMI、アニメイトグループ、ドロッセルマイヤーズが手を組んで展開するパッケージ型のマーダーミステリーです!
本作品は容疑者は全員殺人鬼という異色のシナリオで、マダミスならではの推理要素に加えて”キラーポイントチップ”の駆け引き要素があります。
さらに、GM用キャラクターには特別な達成目標があり、本作を一度プレイした後、何度でもゲームに参加することが可能となっています◎
※本シナリオはオフライン用シナリオです。5人プレイの場合はGM不要、6人プレイの場合は1人がGMとなります。
あらすじ
都心近郊の避暑地、その外れの山奥にある古びた洋館「絶泉館」にて、館の主が殺されてしまいます。
容疑者は互いに面識のない5人の宿泊客――
実はこの5人、全員が”未逮捕の殺人鬼”という共通点がありました。
奇妙なことに、全員が絶泉館に来てからの記憶を失っており、誰が館の主人を殺したのか探り合うことに、、、
“果たすべき殺人”を抱えた5人は、記憶を取り戻し、事件の真相を解き明かすことができるのでしょうか?
登場人物紹介
それでは、5人の殺人鬼と館に仕える執事をご紹介していきましょう。
高校生探偵殺人鬼・裁城倫祢(17歳/男性)

- 真明高校に通う高校生探偵
- 数々の事件を解決に導いてきた天才
- 正義のため犯人に自らの手で制裁を与えている
自称魔法少女殺人鬼・撫足まじか(16歳/女性)

- 撫足家のお嬢様
- 叔父思いの優しい女の子
- 平和を守るため魔法少女に変身して怪物を倒していると思い込んでいる
カリスマギャル殺人鬼・渋谷グリム(16歳/女性)

- 絶大な人気を誇るカリスマギャルモデル
- 自由に生きる女の子であることが誇り
- 自分や友人にナメた真似をする人間を絶対に許さない
精神科医殺人鬼・久瀬いのり(25歳/女性)

- 精神科の医者
- 治療の傍らで死を望む患者を殺害する
- どちらも献身的に患者を救うことになると思っている
復讐殺人鬼・誰川至(16歳/男性)

- 謎めいた16歳
- 一家を殺害された復讐のため犯人を捜している
- 怪しい人物を問い詰めては殺害を繰り返している
館の執事・常喰十哉(?歳/男性)

- 館の執事
- 主人の命に忠実な人柄
- この事件の取り纏めを行う(GMキャラクター)
遊び方/ルール
- ルール説明
- プロローグ(5分)
- プロフィール読み込み
- 自己紹介
- 前半戦
- 第1ラウンド:<準備フェイズ>➜<調査フェイズ>➜<議論フェイズ>(15分)
- 第2ラウンド:<準備フェイズ>➜<調査フェイズ>➜<議論フェイズ>(15分)
- 第3ラウンド:<準備フェイズ>➜<推理フェイズ>➜<議論フェイズ>(10分)
- 後半戦
- 第4ラウンド:<準備フェイズ>➜<調査フェイズ>➜<議論フェイズ>(20分)
- 第5ラウンド:<準備フェイズ>➜<調査フェイズ>➜<議論フェイズ>(20分)
- 第6ラウンド:<準備フェイズ>➜<推理フェイズ>➜<議論フェイズ>(20分)
- 投票フェイズ
- 終劇フェイズ
- エンディング
本作は物語の展開の鍵を握る”キラーポイントチップ”というプレイヤー同士の駆け引き要素、そしてリプレイ可能なシステムが最大の魅力です。
また、ゲーム中”密談”があるため、スペースにゆとりをもってプレイすることをおすすめします。
それではゲームの流れについて、詳細を解説していきましょう。
ルール説明
ルールブックを読み、プレイヤー全員でゲームのルールを共有します。

プロローグ
キャラクターブックのマンガの進行に合わせて、自分の担当キャラクターのセリフを音読します。
公式より引用:https://yofukashiproject.com/killtime/
プロフィール読み込み(5分)
各プレイヤーは自分のキャラクターブックの「プロフィール」と新聞シートを黙読します。
※プレイ中も参照できるので、すべてを暗記する必要はありません。
自己紹介
5分間の読み込みが終わったら、それぞれ簡単な自己紹介を行います。
キャラクターブックの中に書かれた紹介文を参考に、GMから時計回りに自己紹介をしましょう。
前半戦 第1ラウンド(15分)
第1ラウンドは以下の流れで進めていきます。
<準備フェイズ>
準備フェイズでは、以下を行います。各自が持つキラーポイントチップは、他のプレイヤーから枚数がわからないよう隠しておきましょう。

- 各プレイヤーにキラーポイントチップを3枚ずつ配布
- マップシート上に第1ラウンド用調査カードをセット
- 第1ラウンド用のストーリー読み上げ
<調査フェイズ>
調査フェイズは、”調査カード”を獲得できるフェイズです。
調査カードには、推理に必要な手がかりが書かれている他、キャラクターの失った記憶が書かれた”記憶シート”を獲得できる場合もあります。
特別な記憶シートを入手すると、プレイヤーキャラクターは殺人鬼として覚醒し、<終劇フェイズ>にて他のキャラクターの殺害ができるようになります。
- 獲得したい調査カードを「せーの」で一斉に指をさす
- 1枚の調査カードを1人のプレイヤーのみが指した場合
- 調査カードを獲得する
- 1枚の調査カードを複数のプレイヤーが指した場合
- 予め「せーの」で指さす方の手に入れたキラーポイントチップを公開し、一番多くのチップを握っていたプレイヤーが調査カードを入手する
- 調査カードを入手したプレイヤーが握っていたキラーポイントチップは、カードを獲得できなかったプレイヤーに渡す
<議論フェイズ>
議論フェイズでは、以下の行動をすることができます。
- プレイヤー同士の会話/密談
- 調査カードを他人に見せる/全体公開する/キラーポイントチップ4枚を渡して強制公開させる
- 調査カードの譲渡/交換
- キラーポイントチップを他人に渡す(調査カードの譲渡や公開などの条件として交渉可能)
※キャラクターブックと記憶シートは開示/全体公開/譲渡/交換できません
前半戦 第2ラウンド(15分)
第2ラウンドは以下の流れで進めていきます。
<準備フェイズ>
準備フェイズでは、以下を行います。各自が持つキラーポイントチップは、他のプレイヤーから枚数がわからないよう隠しておきましょう。

- 各プレイヤーにキラーポイントチップを2枚ずつ配布
- マップシート上に第2ラウンド用調査カードをセット
- 第2ラウンド用のストーリー読み上げ
<調査フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
<議論フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
前半戦 第3ラウンド(10分)
第3ラウンドは以下の流れで進めていきます。
<準備フェイズ>
準備フェイズでは、第3ラウンド用のストーリーの読み上げのみ行います。
キラーポイントチップは調査カードのセットはありません。
<推理フェイズ>
調査フェイズの代わりに<推理フェイズ>を行います。
GMの左隣のプレイヤーから時計回りに各1分ずつ以下の内容を現時点の推理として発表します。
- 館の主人殺しの犯人だと思う人物
- 上記の根拠
<議論フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
後半戦 第4ラウンド(20分)
第4ラウンドは以下の流れで進めていきます。
<準備フェイズ>
準備フェイズでは、以下を行います。各自が持つキラーポイントチップは、他のプレイヤーから枚数がわからないよう隠しておきましょう。

- 各プレイヤーにキラーポイントチップを2枚ずつ配布
- マップシート上に第4ラウンド用調査カードをセット
- 特定のキャラクターが指定された記憶シートを獲得
- 第4ラウンド用のストーリー読み上げ
<調査フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
<議論フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
後半戦 第5ラウンド(20分)
第5ラウンドは以下の流れで進めていきます。
<準備フェイズ>
準備フェイズでは、以下を行います。各自が持つキラーポイントチップは、他のプレイヤーから枚数がわからないよう隠しておきましょう。

- 各プレイヤーにキラーポイントチップを2枚ずつ配布
- マップシート上に第5ラウンド用調査カードをセット
- 第5ラウンド用のストーリー読み上げ
<調査フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
<議論フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
後半戦 第6ラウンド(20分)
第6ラウンドは以下の流れで進めていきます。
<準備フェイズ>
準備フェイズでは、第6ラウンド用のストーリーの読み上げのみ行います。
キラーポイントチップは調査カードのセットはありません。
<推理フェイズ>
第3ラウンドと同様に進めていきます。
<議論フェイズ>
第1ラウンドと同様に進めていきます。
投票フェイズ
GMキャラクター以外のプレイヤーは館の主人殺しの犯人だと思うキャラクターを推理し、各自が所持する6枚のタイルの中から1枚を投票先として選択し、テーブルに裏向きで伏せ置きます。
全員がタイルを置いたら、GMの左隣のプレイヤーから順にタイルを表向きに公開していき、3票以上を集めたプレイヤーがいたら容疑者として拘束されます。(2票以下の場合は誰も拘束されません。)
拘束されたプレイヤーは次の<終劇フェイズ>で殺害も警戒もできません。

終劇フェイズ
GMキャラクターと拘束されたプレイヤー以外は、”自分が殺すべきターゲット”だと思うキャラクターのタイルを選び、殺害相手としてテーブルに裏向きで伏せ置きます。
このとき、殺人鬼として覚醒していないプレイヤーは”殺害”を行えない代わりに、自分を狙ってきそうな相手タイルを伏せて置くことで”警戒”することができます。
全員がタイルを置いた後、各プレイヤーが現在持っているキラーポイントチップの数を公開します。
キラーポイントチップが多いプレイヤーから順にテーブルに伏せたタイルを表向きに公開し、殺害相手か警戒相手を宣言します。
殺害相手として宣言されたプレイヤーは直ちに伏せていたタイルを公開し、死亡します。
対象のプレイヤーが既に死亡していた場合と、予めこのプレイヤーへ”警戒”を宣言していた場合は殺害失敗となります。

エンディング
物語の結末を読み上げます。現在のプレイヤーたちの状況に合致するストーリーを読みましょう。
最後に各自のキャラクター用エンディングシートを読み、目標達成/未達に応じて得点計算をしましょう。
最も高得点だったプレイヤーの勝利!ですが、物語を最も楽しんだ人が優勝です◎
ゲームの目標
本作品では、GMキャラクターを除く5名のキャラクターには以下3つの共通の目標があります。
※GMキャラクターだけは別の異なる目的が設定されています。
拘束:達成できれば50点
最終ラウンド終了後の<投票フェイズ>で館の主人を殺した犯人に多数票を集め、拘束します。
あるいは、自分が犯人である場合は拘束されないように逃げ切ります。
殺害:達成できれば30点
投票フェイズ後の<襲撃フェイズ>で自分が殺すべき相手を殺害します。
生存:達成できれば20点
<終劇フェイズ>で自分が生き残ることを目指します。
評価と感想
わたしの卓では下記の条件で遊びました。
評価
通常のマーダーミステリーとは一線を画す、スリル満点の大傑作!
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
プレイヤー全員が“殺人鬼”であり、しかも“記憶喪失”という異色の設定から始まるこのシナリオは、推理ゲームでありながら“誰を殺すか”という駆け引きと、“自分は誰なのか”という記憶の断片を拾い集めるドラマが並行する、とてもユニークなシナリオでした!
本作は感情が揺さぶられるというよりは、ゲーム性と推理要素・ロールプレイ要素を楽しむミステリーで、中でも印象的だったのが「キラーポイントチップ」のやり取りでした。
プレイヤー同士の腹の探り合い、誰が誰を狙っているのかの予想と裏切り——。
この独自システムが、ゲームが一段と引き締まり、緊張感のあるものに押し上げていました。
誰もが殺人鬼という前提だからこそ、正義も悪もなく、ただ自分の目的のために動くプレイヤーたちの“素の駆け引き”がむき出しに。
推理やロールプレイが好きな人はもちろん、マダミス経験者にも新しい驚きを与えてくれるマーダーミステリーです◎
難易度
難易度は「やや低め」です。
難しいルールはないので、初めてマダミスを遊ぶ方でもGMなしで十分遊ぶことができると思います◎
ゲーム開始時に記憶喪失であることから、キャラクター設定書の量も少なめなので、最初に詰め込む必要もなく、プレイしやすい印象です。
感想
ようやくプレイできた話題作!評判通りの良作で大満足◎
発売当初からずっと気になっていた本シナリオ、ついに体験できて感無量!!!
館の主人殺しの犯人を探るという王道の推理だけでなく、「自分が誰を手にかけるべきなのか」「誰かが自分を狙っているのか」など、終始ドキドキ・ハラハラの連続でした!
個人的にありがたかったのが、キャラクター設定が重たすぎず、証拠品を集めていくことで徐々に記憶を取り戻すというシステム。
キャラ設定を最初に一気に覚えるのが苦手な“鳥頭”のわたしでも、無理なく物語に入り込むことができました。笑
さらに魅力的だったのが、GMもプレイヤーのように登場人物のひとりとして物語に関われる点です。
何度も遊べる作りになっていて、リプレイ性も抜群!なので、次はGMとしてまたこの作品を異なる目線で楽しみたいと思います☺︎
まとめ
今回はパッケージ型マーダーミステリー『キルタイム・キラーズ』についてレビューしました!
本ブログでは、他にも5人、6人で遊べるマダミスなどおすすめのマダミスを多数ご紹介しています。
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