
5人のキャラクターをたった2人で担当!?
7年前に起きた悲劇と週末に現れる猟奇殺人鬼の謎を解く2人用ミステリー!!
今回はオフライン・GMなしで遊べる2人用マーダーミステリー『週末の殺人鬼』についてレビューします!
あらすじや遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想や評価までご紹介しています。これから遊ぶ予定のあなたは、ぜひ参考にしてみてください◎
シナリオ概要
| プレイ人数 | 2人(GM不要) |
| プレイ時間 | 90分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/5/19 |
| デザイナー | 川人忠明 |
| サイズ | 16 x 11 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『週末の殺人鬼』は、グループSNE×cosaicによるMurder Mystery Miniシリーズのひとつで、7年前の事故と殺人鬼の謎を解明するマーダーミステリー作品です。
このシナリオでは、5人の登場キャラクターをプレイヤー2人が担当するため、少人数でありながら”推理”と”ロールプレイ”をしっかりと楽しめるようになっています◎
オフラインかつGM不要で手軽に遊べるマダミスです!
あらすじ
すべての始まりは、7年前の夏休みのことでした。
とある田舎町に住む中学生たち6人が、地元に伝わる昔話「火降りの鬼騒動」を自由研究のテーマとするため、昔話と関係があると言われている廃寺を訪れます。
しかし、その廃寺の中で6人はバラバラに別れてしまい、その直後、6人のうちの1人である少女、ルリが死んでしまったのです。
ルリの死が事故死として片付けられてから7年が経ち、当時一緒に廃寺を訪れた5人は、それぞれの道を歩んでいました。
しかし、ルリの墓参りのため、再度故郷の田舎町に集まることになります。
近頃、近隣の都市では、人の四肢を引き千切るシリアルキラー”週末の殺人鬼”が現れ、人々を恐怖に陥れているといいます。
「ルリの死」の真相とシリアルキラーの正体は――?
登場人物紹介
ルリが死んだとき、ともに廃寺を訪れていた当時中学生の6人をご紹介していきましょう。
ルリ(中学2年生/女子)

- 被害者
- ルリ自身は町で生まれ育ったが両親は16年前に引っ越してきた
- 明るく心優しい性格だが好奇心が強く強引なところがあった
マシロ(中学2年生/女子)

- クロウの妹でルリの親友
- 【宗家】と呼ばれる旧家の長女
- 学校のアイドル的存在の眼鏡美少女
クロウ(中学3年生/男子)

- マシロの兄
- 【宗家】と呼ばれる旧家の長男
- 両親が離婚しているせいかいつも妹を心配して一緒にいる
クレナイ(中学2年生/男子)

- 母親を亡くして父親と2人で引っ越してきた転校生
- 頭は良いが不愛想
- 細身であまり身体が強そうには見えない(運動神経は良い)
ミドリ(中学3年生/女子)

- 【宗家】の分家である【従家】の長女
- 自宅が剣術道場で幼い頃から剣道をしている
- 後ろから冷静に状況を見ているタイプ
コウ(中学1年生/男子)

- 【宗家】の分家である【士家】の長男
- 家が近いクロウやマシロと小さい頃から一緒にいる
- 成績優秀でスポーツ万能の美少年
遊び方/ルール
- 導入(15分)
- 【前半】7年前の回想(21分)
- 幕間(17分)
- 【後半】7年後の現在(26分)
- 結末(10分)
本シナリオでは【前半】と【後半】に分かれて進行し、プレイヤーは【前半】と【後半】でそれぞれ別のキャラクターを担当します。
1人2役で物語を楽しめるなんて、贅沢なシステムでワクワクしますよね◎
導入(15分)
導入フェイズでは、以下を行います。
- プロローグを読み上げる
- “1人目のキャラクター”を選びキャラクター設定書を各自で黙読する
- プレイ順(A or B)を決定する
【前半】7年前の回想(21分)
【前半】フェイズでは、以下の順に「7年前に何があったのか?」を回想していきます。
- 調査(4分)
- 情報交換(3分)
- 議論(10分)
- 追加情報(2分)
- 投票(2分)
調査(4分)
7年前に何があったのか、記憶が曖昧な部分を思い出すため、それぞれのプレイヤーはプレイ順A➜Bで交互に4枚ずつ【前半】のカードを獲得します。
情報交換(3分)
獲得した4枚のカードのうち、2枚を選んで一斉に公開して情報交換をします。
議論(10分)
“ルリの死の真相”について、話し合います。
しかし、それぞれのキャラクターには”ルリの死の真相”とは別の目的が設定されているかもしれません。
その場合は”ルリの死の真相”を探っていると見せかけつつ自分の目標達成のために必要な情報を集めていきましょう。
追加情報(2分)
場に残っている【前半】のカードから一斉に各1枚ずつを獲得します。
投票(2分)
それぞれの目的に従って投票します。

幕間(17分)
いよいよ物語の後半戦へと差し掛かり、【後半】フェイズに向けた準備を行います。
「【現在】ルリの死から7年後」を読み、それぞれのプレイヤーは”2人目のキャラクター”を選択します。
【後半】7年後の現在(26分)
【後半】フェイズでは、「7年後の現在」が舞台となります。以下のように、ゲームの流れ自体は【前半】とほとんど同じです。
しかし、物語は大きく動き出します、、、!どのようにストーリーが動くのかは、ぜひその目で確かめてみてください!!
- 調査(4分)
- 情報交換(3分)
- 議論(10分)
- 追加情報(2分)
- 最後の議論(5分)
- 投票(2分)
調査(4分)
それぞれのプレイヤーはプレイ順B➜Aで交互に4枚ずつ【後半】のカード、または場に残っている【前半】のカードを獲得します。
情報交換(3分)
獲得した4枚のカードのうち、2枚を選んで一斉に公開して情報交換をします。
議論(10分)
“ルリの死の真相”や”シリアルキラーの正体”について話し合いながら、それぞれの目的達成のために必要な情報を集めていきます。
追加情報(2分)
場に残っているすべてのカードから各1枚ずつを一斉に獲得します。
最後の議論(5分)
これまでの情報を踏まえ、最終的な話し合いをします。
投票(2分)
それぞれのプレイヤーは自分が担当するキャラクターの目的に従い、投票を行います。

結末(10分)
エンディングブックを読み上げながら、投票の答え合わせをします。
この作品にはエンディングカードが13枚あり、投票の結果を踏まえ、指示に従いながらエンディングカードを獲得していきます。
そして、獲得したエンディングカードを番号の小さい順に読み上げていくことで、それぞれのキャラクターがどんな結末を迎えたのかを知ることができます。

最後に、キャラクターごとに用意された目的を達成されたかどうかにより得点を獲得し、より多くの得点を獲得した人が勝利となります!
ですが、いちばん大事なのはこの物語を楽しむことです◎
お互いに楽しいひとときを過ごせるよう、協力しながら全力で楽しみましょう!!
評価と感想
わたしが本作を遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
1人2役で没入感倍増!少人数でも大満足の2人用マダミスシナリオ!!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
2人用マーダーミステリーというと、どうしても「人数が少ない=情報が少ない=物足りない」と感じてしまいがちですが、本作はその常識を覆すクオリティでした。
5人の登場人物をプレイヤーが2人ずつキャラクターを担当することで、“過去”と“現在”という2つの時間軸を行き来する重厚な物語が展開されます。
この構成が見事で、たった2人のプレイにも関わらず、まるでフルメンバーで遊んでいるような濃密さと没入感を味わうことができました。
推理要素に関しては、キャラクターの組み合わせやプレイヤーの演じ方によって変動する印象。
そのため、「論理的に犯人を導きたい!」というよりも、「しっかり物語に浸りたい」「キャラクターを演じて物語の一部になりたい」という人にこそおすすめです。
短時間で深い物語体験ができる、2人用としては完成度の高いシナリオ。
“たった2人でこんなに濃い時間が過ごせるのか”という驚きと満足感を、ぜひ味わってみてください。
難易度
難易度は『やややさしめ』です。
キャラクター設定書のテキスト量もさほど多くないため、序盤に詰め込みすぎて頭がパンクすることもありませんでした。
また、ルール自体も複雑なものはなく、わかりやすく親切な構成なので、初めてのマダミスにもおすすめです◎
感想
少年時代と現在が交錯する、エモくてドキドキなミステリー◎
2人用マダミス『紫乃淵リライト』がとても良かったので、こちらの作品もワクワクしながらプレイしましたが、予想以上の体験が待っていました!
最初は「1人2役ってアリなの?」と思っていましたが、実際にプレイしてみると違和感なく自然に物語へ入り込める仕掛けになっていました。
7年前の過去編は、少年たちの廃寺探検というどこかノスタルジックでエモーショナルな雰囲気が漂い、現在編では一転して、謎のシリアルキラーが登場する緊張感たっぷりのミステリー展開に。
この対比が見事で、「あのときの出来事がこう繋がるのか!」と気づいた瞬間、鳥肌モノでした。
コンパクトながらも完成度の高いストーリーと、2人だけとは思えないボリューム感で、今回も大満足の体験になりました!
物語を味わいたいあなた、静かに熱くなれるミステリーが好きなあなたにおすすめしたい作品です。
まとめ
今回はパッケージ型マーダーミステリー『週末の殺人鬼』についてレビューしました。
5人のキャラクターを2人で分担するという”プレイヤー人数の少なさ”がうまくカバーされた面白いシナリオでした◎
本ブログでは、他にも2人で遊べるマダミスをはじめ、おすすめのアナログゲームを多数ご紹介しています!
もしよろしれければ、以下からチェックしてみてください!!
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