
南極の果てにそびえる狂気の頂――。
“異常な死体”と連鎖する殺人、その真相に迫るミステリー!
今回はクトゥルフ神話をテーマにしたマーダーミステリー『狂気山脈 陰謀の分水嶺』についてレビューします!
シリーズ作品一覧・順番やシナリオのやり方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想や評価についてご紹介していますので、これから遊ぶ予定のあなたは、参考にしてみてくださいね。
システム概要
引用:https://dappleox.booth.pm/items/2277754
プレイ人数 | 6人 (GM必須:PL5人・GM1人) |
プレイ時間 | 240分 |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2020年~ |
デザイナー | ダバ & まだら牛 |
『狂気山脈 陰謀の分水嶺』は、クトゥルフ神話のステージ”狂気山脈”を舞台としたマーダーミステリーです!
クトゥルフ神話TRPGのシナリオ『狂気山脈 邪神の山嶺』を制作したまだら牛氏によるマダミスで、多くの人に愛されている大人気シナリオです!
本作品はオンライン(ccfolia)で遊べるデータツールと、オフラインで遊べるパッケージ版の2種類から選んで遊ぶことができます。いずれもシナリオを遊ぶためにはGMが必要です。
マダミス『狂気山脈』シリーズ三部作について
実はマダミス『狂気山脈』は三部作となっています。作品プレイの順番は次の通りです。


スピンオフ作品もある!?
先述ご紹介した三部作のほか、スピンオフ作品も存在します!
シリーズ三部作“全て”の内容を知っている人だけがプレイ可能な外伝ストーリーです。
- 『頂上戦争』/マダミス狂気山脈2.5
※ナンバリングは”2.5″となっていますが、”3.0″の『薄明三角点』より先に遊ぶことはできません。ご注意ください。

あらすじ
引用:https://booth.pm/ja/items/1980320
南極大陸の最奥地に座する未知なる漆黒の峰々「狂気山脈」――
近年発見されたその山脈は最高硬度が標高1万mを超え、エベレストを遥かに凌ぐ新たなる世界最高峰であることが明らかになりました。
多くの登山家や未知の探究者たちを惹きつけたその山は、気候の苛烈さや踏破の困難性から人を寄せ付けぬまま、神秘のヴェールに包まれています。
そんな折、ひとつの登山隊が世界最高峰への登頂に挑みます。
そこで彼らは、かつて消息の途絶えた”狂気山脈最初の挑戦者たち”、第一次狂気山脈登山隊の見るも無残な遺体を発見します。
遺体の状況は、その死が単なる事故死ではないことを物語っていました。
帰還した登山隊の報告を受け、その遺体の謎を解明すべく、狂気山脈の調査登山隊が結成されることとなりました。
誰が呼んだか、狂気山脈。あなたはこの最高峰に立ち向かい、事件の真相に辿り着くことができるのでしょうか?
登場人物紹介
それでは、第一次登山隊の遺体の謎解明のため、各分野のプロフェッショナルで結成された登山隊の役職をご紹介していきましょう。
隊長(被害者)

- 登山隊の隊長
- 南極極地調査隊のベテラン
- 極地調査のプロフェッショナル
登山家

- 山岳踏破の専門家
- 山岳地帯の踏破やルート開拓のために招集
記者

- 僻地や極地などサバイバルを伴う環境での取材の専門
- 真実を届けるために登山隊としてやって来た
調査員

- 隊長と同じく南極極地調査隊の一員
- 現地調査は隊員のサポートなど調査運営業務に幅広く尽力
医者

- 調査登山隊のメンバーのメディカルケアを担当
教授

- 狂気山脈のきわめて特殊な地質を調査するために来た地質環境の専門家
遊び方/ルール
引用:https://dappleox.booth.pm/items/2277754
- ルール説明
- シナリオトレーラー
- 配役の決定・キャラクターシートの読み込み
- ミッション配点
- プロローグ
- ソロ調査(5分)
- バディ調査(3分×5)
- ソロ調査(5分)
- バディ調査(3分×5)
- 全体会議(10分)
- ホワイトアウト(約15分)
- ソロ調査(5分)
- バディ調査(3分×5)
- ソロ調査(5分)
- 最終会議(20分)
- 推理&投票(3分)
- エンディング
それでは、各フェイズについて詳細を見ていきましょう。
ルール説明
ゲームのルールや注意事項を、GMがプレイヤー全員に説明します。
シナリオトレーラー
GMが、GM用ルールブックにある「導入1:シナリオトレーラー」を読み上げます。
ここで物語の背景をプレイヤー全員と共有します。
配役の決定・キャラクターシートの読み込み
各プレイヤーがどのキャラクターを担当するかを決定し、GMはプレイヤーにキャラクターシートを配布します。
プレイヤーは配布された設定書の内容を黙読します。
ミッション配点
キャラクターには個別の目標(ミッション)が複数設定されています。
各プレイヤーは、自分が担当するキャラクターのミッションに合計10点になるように配点を行います。
プロローグ
配点が終わったら、「プロローグ」ファイルを読み上げます。
この「プロローグ」の文章にあわせて、それぞれのキャラクターの自己紹介もあわせて行います。
ソロ調査(5分)
プレイヤーキャラクターがバラバラに調査を行っている状態です。
オープン無線は通じているので会話は可能ですが、密談やカードの譲渡はできません。
- GMが指定した行動順に従い、取得したいカードを選択
- 全員がカードを選択したら、GMの合図により一斉に内容を確認
バディ調査(3分×5)
雪山の調査活動は、時に危険を伴います。
1人では危険が伴う場所などもあるので、ここではパートナーと一緒に周辺を調査します。
2人きりでいる間に、周りに聞かれたくない話をするための”密談”を行うことも可能です。
残りのプレイヤーキャラクターたちはキャンプで待機状態です。
まっている間、オープン無線で自由に会話することができます。
ここでは、”密談”やカードの譲渡はできませんが、持っている情報を全体公開することは可能です。(特定の相手にだけカードを見せるのは”密談”でしかできません)
- 手番のプレイヤーが調査のパートナーを指名
- 2人で密談場所に移動
- 調査する情報カードを指定
- 情報カードを2人で閲覧し、手番プレイヤーが入手
全体会議(10分)
探索して集めた情報を元に、全員で会議を行います。
情報カードの全体公開やカードの譲渡が可能ですが、”密談”を行うことはできません。
ホワイトアウト(約15分)
GMがプレイヤー全員に追加のハンドアウトを配布し、内容の読み込みと適宜休憩を挟みます。
プレイヤー全員が追加ハンドアウトを確認したら、各プレイヤーとGMの密談を各1分行います。
最終会議(20分)
深まる疑念に、事態は最終局面へと突入します。全員で自由に会話を行います。
このタイミングでは、カードの公開、譲渡はもちろん、”密談”も可能です。
ただし、”密談”は1人につき1回のみ、2分間だけ機会が与えられます。(ラスト5分は密談不可)
推理&投票(3分)
GMの指定の投票方法で、プレイヤーは各自で情報を整理しながら推理し、犯人の投票を行います。
エンディング
GMがエンディングを読み上げ、物語の終焉を迎えます。
その後、GMが各プレイヤーの目標達成/未達を判定し、それをもとに各キャラクターの得点計算をします。
最も高得点だったプレイヤーの勝利!ですが、物語を最も楽しんだ人が優勝です◎
評価と感想
わたしの卓では下記の条件で遊びました。
評価
マーダーミステリー×TRPGの理想形!「狂気山脈」に挑むスリルと没入感◎
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
マーダーミステリーの「推理性」と、TRPGの「自由度」が見事に融合した作品!まさに最高峰級のシナリオでした。
クトゥルフ神話をベースにした重厚な世界観は、じわじわと精神を侵食するような悍ましさと、抗えない魅力をプレイヤーに与えてくれます。
本作独自のシステム(バディ調査やホワイトアウトなど)は一見複雑そうに見えますが、実際は非常にスムーズで、初心者でも安心して楽しめる設計。
シンプルながらも奥深く、プレイ中に生まれる選択の重みが物語に緊張感をもたらします。
また、プレイヤーとしてだけでなく、GM視点でも仕掛けや演出の妙が随所に感じられ、何度でもシナリオを回したくなるリプレイ性の高さも大きな魅力です。
ロールプレイ好き・探索型が好き・物語に没入したい――そんな方には全力でおすすめしたいマダミスです◎
難易度
難易度は『やややさしめ』です。
複雑なルールは一切なく、GM必須シナリオならではのサポートありきのシナリオなので、TRPG初心者さんでも安心して遊べると思います。
キャラクター設定も驚くほどシンプルで、あれこれ覚えるのが苦手な私には本当に助かりました。笑
クトゥルフ神話の世界観に触れたことがない方は、TRPG体験談や小説などを少し覗いてみると、より一層ゲームを楽しめると思います。
感想
息を呑むクトゥルフ神話の世界に、惨憺たる驚きが止まらない!
マーダーミステリーの中でも屈指の人気を誇るシナリオで、その名を聞けば、面白くないはずがないと確信していました。
そして、実際にプレイしてみて、期待を遥かに超える面白さだったと言わざるを得ません。
冒頭から心を掴まれる、まさに「趣深い」としか言いようのないシナリオで、展開の一つ一つに目が離せず、良い意味で予想を裏切られる驚きの連続でした。
他のマーダーミステリーではなかなかお目にかかれない、独創的なギミックが散りばめられており、その数々が、クトゥルフ神話TRPGという舞台において全くの違和感なく、物語の中に溶け込んでいます。
どうやってこんなにも巧妙な仕込みをされたのか、プレイヤーとしてもGMとしても、ただただ感嘆するばかりでした。
これはまさに、参加者全員が楽しめるシナリオだと思います。
そして、この物語にはまだ続きがあります。いまはただ、この先の物語への期待に胸が膨らむばかり。
いつか必ず、この狂気の山脈を乗り越え、その先に待ち受けるさらなる深淵を体験したいと思っています。
クトゥルフ神話TRPGファンはもちろん、TRPGやマーダーミステリーが好きな方なら絶対に体験すべき、衝撃と興奮に満ちた傑作シナリオです!
まとめ
今回はマーダーミステリー『狂気山脈 陰謀の分水嶺』についてレビューしました!
クトゥルフ神話の有名な山嶺「狂気山脈」に潜む謎を、ぜひ解き明かしてみてくださいね。
本ブログでは、他にも5人で遊べるシナリオまとめ、オンラインで遊べるシナリオまとめなど、おすすめの面白いマダミスを多数ご紹介しています。
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