
オンライン・オフラインどちらもOK◎
現実とファンタジーが混ざり合うコミカルテイスト・ミステリー!
今回はマーダーミステリーミニシリーズのひとつ、『京都異世界ツアー』について、ネタバレなしでレビューします!
本作のあらすじや遊び方、登場キャラクター、プレイ感想や評価までご紹介しています。いま本シナリオが気になるあなたの参考にになれば幸いです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 4人(GM不要) |
| プレイ時間 | 90分 |
| プレイ環境 | オンライン/オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2022/10/29 |
| デザイナー | 中村誠 |
| サイズ | 16 x 11 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『京都異世界ツアー』は、グループSNE×cosaicによるMurder Mystery Miniシリーズのシナリオで、京都×異世界という独特な世界観のマーダーミステリーです。
コロナ禍による観光客減少対策として異世界から観光誘致をした際、殺されてしまった勇者の死の謎を解明するシナリオとなっています。
パッケージ型のマダミスですが、オンライン・オフラインのどちらにも対応しており、尚且つGMレスで遊べる作品です!
あらすじ

コロナ禍による観光業の低迷を受け、京都市観光協会が打ち出した奇抜な対策――それは“異世界からの観光客誘致”。
剣と魔法の世界から訪れる観光客を迎え入れるべく、陰陽道によって開かれた“異世界への門”は、今や毎晩丑の刻に開かれる京都の日常となっていました。
そんなある日、観光地として賑わう伏見稲荷大社で異世界人の勇者が死亡。
頭部を殴られ倒れるその傍らには、願いの重さを量る「おもかる石」が転がっていた。
容疑者は4人。異世界と現実が交錯する京都で、犯人は誰なのか?
不可思議でシュールな世界観と共に進行する、前代未聞のファンタジー・マーダーミステリーの幕が開きます。
登場人物紹介
勇者殺害事件の容疑者となってしまった4人の登場キャラクターたちをご紹介します。
警察官・京野圭吾(25歳/男性)

- 京都府警警備部警護課の警官でいわゆるSP
- 文武両道に秀でたエリート警察官で異世界物のライトノベルやTRPG好き
- 異世界からの要人警護にワクワクしていた
- 陰陽師の土御門晴とは高校時代のクラスメイト
陰陽師・土御門晴(25歳/女性)

- 平安時代の陰陽師の血を引く土御門家の末裔
- 毎晩丑の刻に異世界と京都を繋ぐ門を作っている
- 立場は京都市の嘱託職員
- 警察官の京野圭吾とは高校時代のクラスメイト
妖精族・エルフェン(?歳/女性)

- 25年前に先代勇者とともに魔王と戦った勇者一行の1人で唯一の生き残り
- 勇者の転生と言われる2代目勇者ヒイロ(被害者)を可愛がっている
- 年齢不詳だが千年前の魔王の出現を目撃しているのでそれなりの歳
- 精霊魔法を操るが京都には精霊がいないため魔法を使えない
鬼族・オウガ(25歳/男性)

- 25年前の魔王と勇者の戦いで勇者側に寝返った鬼族反乱軍の一族
- 魔王と勇者の戦いの後に生まれた戦争を知らない世代
- 2代目勇者ヒイロ(被害者)とは幼馴染で仲が良く今回の観光に同行
- 戦闘力が高く刀の達人だが日本の法律遵守のため刀は没収されてしまった
遊び方/ルール
- オープニングフェイズ(10分)
- 第1回想フェイズ(1分×4人)
- 第1議論フェイズ(10分)
- 追加設定書フェイズ(5分)
- 第2回想フェイズ(1分×4人)
- 第2議論フェイズ(10分)
- 第3回想フェイズ(1分×4人)
- 第3議論フェイズ(10分)
- 推理フェイズ(1分×4人)
- 最終議論フェイズ(10分)
- 最後の選択フェイズ(3分)
- 投票フェイズ(1分)
- エンディングフェイズ(10分)
本作は、3回の回想(調査)と計4回の議論を重ね事件解決を目指すシナリオです。
本作品には、特定のプレイヤー同士で秘密裏に会話する”密談”はありません。
オンラインプレイの場合、パッケージの内容物・ルールブックの裏表紙にオンラインプレイ用のURLが記載されていますので、そちらをご覧ください。
それでは、もう少し詳しいルールについて、ご説明していきます!
オープニングフェイズ(10分)
オープニングフェイズでは、以下を順に実施します。
- 事件の発端(物語の導入読み上げ)
- キャラクターの選択(担当したいキャラクターを重複しないよう1人1名ずつ決定)
- キャラクター設定書の読み込み(10分程度で各自黙読)
- キャラクターの自己紹介
第1回想フェイズ(1分×4人)

「回想フェイズ」は、事件発生までの京都観光で何が起きたのかを思い出すフェイズです。
1つの回想フェイズで1人1回ずつ回想を行います。回想フェイズの流れは以下の通りです。
- 回想するプレイヤーは観光スポットを1つ選択する(他プレイヤーとの相談可)
- 選択した観光スポットの山札の1番上の回想カード(共有情報)を引き表面を確認する
- 「共有情報」を読み上げて全員で共有する
- 「個別情報の回想」を読みキャラクターごとの個別情報を得られるか確認する
- 自分が個別情報を見ることができる場合は指示に従って選択した観光スポットの山札の下(A~D)の個別情報カードを引いて表面の個別情報を自分だけ確認する
- 引いた「共有情報」のカードは山札の一番上に表向きにして置き、引いた「個別情報」のカードは裏向きで自分の手元、または元の山札に戻す

- 回想は1人ずつ行い、2人同時進行で行ってはならない
- 既にほかの人が回想した観光スポットも選択可能
- 個別情報のカードについては、他の人に直接見せたり、内容をそのまま読み上げるのは厳禁(カードの内容を共有する際は自分の言葉で表現すること)
- 回想フェイズでの議論はNG(観光スポット選択に関する相談は手短に)
- 一度見た回想カードはいつでも確認できる
観光スポットによって個別情報が得られるキャラクターと得られないキャラクターがいます。
どの場所を回想すると個別情報が得られるのかを考えて選択しましょう。
第1議論フェイズ(10分)
「議論フェイズ」は、全員で誰が犯人か、互いの秘密は何かなどについて議論するフェイズです。制限時間は10分です。議論のルールは以下の通りです。
- 発言は全員が聞こえるように行う
- 密談禁止
- 犯人もそうでない人も自由に嘘ついてOK
追加設定書フェイズ(5分)
各自自分の担当するキャラクターの追加設定書を受け取り、中身を黙読します。
第2回想フェイズ(1分×4人)
第1回想フェイズと同様に、回想を行います。
第1回想フェイズと同じ観光スポットを選択してもOKです。
第2議論フェイズ(10分)
第1議論フェイズと同様に、全員で議論を行います。
第3回想フェイズ(1分×4人)
第1、第2回想フェイズと同様に、回想を行います。
すでに回想した観光スポットを選択してもOKです。
第3議論フェイズ(10分)
第1、第2議論フェイズと同様に、全員で議論を行います。
推理フェイズ(1分×4人)
1人1分で犯人は誰か、その理由などについて推理を発表します。
発表を行う間、他の人は発言できません。
あくまでもここで披露する推理は暫定です。今後の「投票フェイズ」にて、推理した人とは別の人に投票しても構いません。
最終議論フェイズ(10分)
「推理フェイズ」を受け、質疑応答や反論などを含め、全員で10分間の議論を行います。
最後の選択フェイズ(3分)
「投票フェイズ」の投票前に、全員が自分自身の「最後の選択」を行います。
自分の追加設定書2ページにある「最後の選択」のA/B/Cの選択肢からいずれか1つを選び、書き留めておきます。
この選択は、エンディングに影響を与えます。
選択肢によっては、実行されるための「成功条件」が設けられていることもあります。
また、他のキャラクターの干渉やそのほかの状況によって実行されない場合もあります。選択は慎重に行いましょう。
投票フェイズ(1分)
全員がそれぞれ犯人だと思うキャラクターを1人決めます。
全員で同時に、キャラクターの担当プレイヤーを指し、投票を行います。(オンラインプレイの場合は同時にチャットに書き込むなどしましょう)
本作品における真犯人は4人のうちの1人です。真犯人が2票以上得票した場合、犯人を見つけることに成功したことになります。
エンディングフェイズ(10分)
エンディングブックを読み上げます。
エンディングは投票結果や「最後の選択」によって分岐しますので、全員で確認しながら読み進めましょう。
どんな結末になっても、それがゲーム参加者の選択によって導き出された、自分たちだけの物語になります!最後まで楽しみましょう◎
評価と感想
わたしが本作品を遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
フィナーレの熱量とユニークな世界観が光る!満足度抜群のマダミス◎
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐☆☆ |
本作は「京都×異世界」という一風変わった世界設定を軸に、コメディ要素多めの軽快なストーリー展開が魅力の作品です。
登場人物たちの個性ややりとりもユーモアたっぷりで、プレイ中は何度もクスッと笑わせてもらいました。
なかでも特筆すべきは、調査パートに導入されている“回想”というユニークなシステム。
情報が感情と共に蘇るような演出は没入感を高めてくれ、単なる情報交換にとどまらない奥行きを生み出しています。
さらに、プレイヤーの選択や投票によって大きくエンディングが分岐するため、自分たちの選択が物語に直接影響する感覚は想像以上にアツく、最後の最後まで気が抜けません!
全体としては短時間でサクッと遊べるボリューム感ですが、ちょっとしたギミックや工夫が効いていて、マダミスに慣れ始めたプレイヤーや肩の力を抜いて楽しみたい経験者に特におすすめの一本です。
難易度
難易度は「やややさしめ」です。
キャラクター設定書の分量は、同シリーズ内ではやや多めの印象ですが、設定書内に書かれている共通情報が多いため、1人だけ抱える秘密みたいな部分はさほど多くなく読みやすいなと感じました。
ルールについても比較的わかりやすいので、初心者の方でもGMレスで難なく遊べると思います。
感想
現実とファンタジーの絶妙ミックス!最後まで笑って盛り上がれる大満足のマダミス◎
パンデミック対策として「異世界から観光客を誘致しよう!」という発想からすでに爆笑必至な本作。
陰陽師が観光ガイドに同行してたり、京都府警が異世界の勇者の事件を捜査していたりと、世界観のツッコミどころが満載で、最初からテンションが上がりました!
ゲームが始まってからは、定番の聞き込みや密談ではなく、”回想”を通じて情報を引き出していくという独特のシステムにワクワク。
観光地を巡って「自分はこのときこの場所で何をしていたんだっけ?」と記憶をたどる進行は、ちょっとした謎解き感もあって新鮮でした。
そして何より、ラストの“選択”と“投票”が物語の結末にしっかり反映されるのが最大の魅力!
議論の行方によって世界がどう変わるのか、自分たちの手で物語を締めくくる感覚は格別でした。
笑えて、推理できて、しっかり盛り上がる作品で、マダミス初心者から経験者まで、幅広くおすすめできるシナリオです!
まとめ
今回はパッケージ型マーダーミステリー『京都異世界ツアー』についてレビューしました。
現実世界とファンタジーが混ざり合い、エンディングがとても盛り上がるマダミスでした!
当サイトではおすすめのマダミスを多数ご紹介しています。
人数別におすすめシナリオや、他のマーダーミステリーミニシリーズのレビューなどもまとめていますので、ぜひ以下からチェックしてみてください。
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