
「エイダ」とは何者か――。
心震える、感動のマーダーミステリー。
今回はオンライン・GM不要で遊べるマーダーミステリー『エイダ』について、レビューしていきます!
本作のあらすじや遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想・評価についてご紹介していますので、これから遊ぶ予定のあなたの参考になれば幸いです。
シナリオ概要
引用:https://itohaki.com/list/king-wish/
プレイ人数 | 5人(GM不要) ※有料版はGM必須(PL:5名・GM:1名) |
プレイ時間 | 180分~ |
プレイ環境 | オンライン |
ジャンル | マーダーミステリー |
デザイナー | いとはき |
5つの種族(人間・獣人族・海人族・竜人族・妖精族)が住む大陸を舞台としたファンタジー系マーダーミステリーです!
人間族の王(エイダ)が謎の死を遂げ、容疑者となってしまった5つの種族の王族たちが人間族の王を殺した犯人を探し出します。
本作品は無料で遊べるHP版と、ユドナリウムやココフォリアで遊べる有料版からお好きな環境でプレイすることができます。
あらすじ

人間・獣人族・海人族・竜人族・妖精族――五つの種族がそれぞれの国を築き、共に生きてきたリスピア大陸。
異なる価値観の中でぶつかり合いながらも、大陸の未来を導く「リスピア公会議」によって、長きにわたる対立に終止符が打たれてきました。
そんな中、10年前に人間の王エイダの尽力によって初の和平協定が締結され、ようやく大陸に安息が訪れます。
――そして節目の年。5種族の王が再び一堂に会する「再結会」が開かれるはずでした。
しかし、その幕開けは悲劇。
人間の王・エイダは、「玉座の間」で謎の死を遂げてしまいます。
騒然とする中、後継者である王子・スタンは、各国の王たちを厳しく見据え、静かに口を開く。
「この中に、エイダを殺した者がいる――」
10年ぶりに開かれるリスピア公会議は平和の誓いではなく、疑惑と裏切りにまみれた審判の場と化すのでした。
登場人物紹介
リスピア大陸に住む5つの種族の王族たちをご紹介していきます。
人間の王:エイダ・ローデン(被害者)
- 平和を好む人間の王
- いつも穏やかに笑っている
- 前回のリスピア公会議にて大陸内の和平協定を結ぶことに成功
- 誰にでも手を差し伸べるため「救いの王」と呼ばれている
- 人間と亜人の王のみにしかその姿は知られていない
- 一人称は「ワシ」
人間の王子:スタン・ローデン
- 人間の王の息子
- 非常に憶病な性格
- 王としての資質を疑われることもある
- 少し先の未来が見えるという噂がある
- 一人称は「僕」
獣王:ヴァル・ドレッド
- 血気盛んなオスの獣人族の王
- オオカミの獣人
- 争いごとが好きで人間の王とは意見が対立することが多かった
- 鋭い爪と牙や獣人族特有の聴覚と視覚の強さを持つ
- 一人称は「俺」
海人女王:マリン・アントワーネ
- 美しく周囲を魅了する海人族の女王
- クマノミの海人
- 常に高価なネックレスや指輪を身に着けている
- 海人族の中でも魔力が比較的高いため陸上でも条件付きで生活が可能
- 一人称は「わたくし」
竜王:ドラゴ・ヴァルスローダ
- 落ち着いた性格をもつ竜人族の王
- 非常に鋭利な爪と口から放つ炎は驚異的な破壊力
- 不暴力を貫く信条をもつ
- 堅物な性格であまり感情を表には出さない
- 一人称は「自分」
妖精王女:リリー・フローラ
- 不思議な性格を有する妖精族の王女
- 人間の幼女のような見た目をしているが御年90歳
- 何やら強力な魔法を使えるという噂がある
- 血を見るのが苦手
- 再結会には妖精王の代理として参加
- 一人称は自分の名前の「リリー」
遊び方/ルール
- シナリオの読み込み(20分)
- 全体導入(5分)
- 自己紹介(5分)
- 議論A(20分)
- 議論B(40分)
- 推理(3分×5人)
- 投票(3分)
- エンディング・解説(15分~)
- エピローグ(15分~)
それでは、各フェイズについて詳細を見ていきましょう。
シナリオの読み込み(20分)
各プレイヤーはどのキャラクターを担当するかを決定し、キャラクター設定が書かれているハンドアウトを受け取ります。
※HP版では自分の演じる登場人物名をクリックするとキャラクターの設定ページに遷移します
プレイヤーはそれぞれ自分の担当するキャラクター設定の内容を黙読します。
ハンドアウトに書かれているものは、全てそのキャラクターの担当者にだけ与えられた情報です。他のプレイヤーに絶対に見せてはいけません。
全体導入(5分)
ここでは共通証拠であるフロアマップと人間の王の死亡状況について、全体共有を行います。
自己紹介(5分)
自分たちのキャラクターになりきり、自己紹介を1人につき1〜2分程度で行います。
自己紹介をどの程度まで行うのかは個人の自由です。
議論A/B(20分/40分)
全体会議を行う議論のフェイズはAとBに分かれています。
各自、自分の担当キャラクター用の証拠品・情報を確認し、それらを基に議論を進めていきます。
A/Bそれぞれに固有のルールや情報があります。都度その指示に従って進めてください。
推理(3分×5人)
議論A/Bで話し合った内容をもとに、各自人間の王の死の謎について推理を発表します。
最大3分ですが、早めに議論を終えることもできます。
投票(3分)
人間の王の死の犯人だと思うキャラクターを一斉に宣言します。
犯人の名前を同時にチャットに打ち込む形や、同時に名前を宣言するなど、任意の方法で構いません。
投票が同率の場合の処理は、投票後に明かされます。
エンディング・解説(15分~)
もっとも得票数の多い人物のエンディングを確認し、事件の真相について解説を読み上げます。
エピローグ(15分~)
エピローグを読み、物語は終幕です。物語を最も楽しんだ人が勝利です◎
評価と感想
わたしの卓では下記の条件で遊びました。
評価
静かに、深く刺さる。鳥肌必至!感動系マダミスの真価!!
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
本作は一見すると、構成や進行が比較的シンプルなマーダーミステリーですが、その表層に惑わされてはいけません。
物語が進むにつれ、じわじわと染み込むように真実が姿を現し、驚愕、恐怖、そして心を打つ感動が連鎖して押し寄せてきます。
感情の波に翻弄されながら進むその体験は、「マダミス=推理だけ」という枠を軽やかに飛び越え、プレイヤーに“物語を生きること”の醍醐味を思い出させてくれます!
HP上で無料公開されているテキストがとても丁寧で、進行における配慮も行き届いています。
そのため、GMレス・初心者卓でも無理なく楽しめる点も良かったです◎
そして何より、終幕を迎えたあとの感想戦がとにかく盛り上がります。
それぞれのキャラクターが抱えていた背景や想いが腑に落ちていく時間こそ、この作品の真価が最も表れる瞬間です。
時間と心に余裕をもって、ぜひ向き合ってほしい。
これは、ただのマダミスではありません。
“感情の震え”を味わうための、珠玉の体験です。
難易度
難易度は『やややさしめ』です。
ルールやシステムについて難しい点はなく、マダミスの構成としてもシンプル。そのため、初心者の方でもGMなしで遊ぶことができます。
ハンドアウトのテキスト量は普通~やや多めの印象ですが、ちょっとした短編小説を読んでいるかのようにするすると読めてしまいます◎
感想
ただのファンタジーじゃない、心を揺さぶる“体感型”マダミス。
わたしは今回、GMとしてこのシナリオを担当しましたが、実は数年前に配信者の方のプレイ動画を観て、すでに物語を知っていました。
それにもかかわらず、準備のために読み返したシナリオに、また鳥肌が立つとは思っていませんでした。笑
初見のときに感じた、あの衝撃と余韻——。
その感情が、時間を置いてもまったく色褪せず、何度でも蘇ってきます。それほどまでに、この作品が持つ“物語の力”は圧倒的でした。
プレイヤーたちも、ファンタジーの世界観に自然と入り込んで議論は白熱し、GMとしてその様子を眺める時間は、ワクワクとにやにやの連続でした◎
感情にダイレクトに響く展開、世界観の美しさと奥深さ、マダミスならではの驚きと駆け引き、、、そのすべてが絶妙に絡み合って完成する、極上のファンタジー作品です。
マダミスとしても、ひとつの“物語”としても、心からおすすめしたい、わたしの大好きなシナリオです。
まとめ
今回はマーダーミステリー『エイダ』についてレビューしました!
身体の芯から震える感動体験を味わえる、名作のファンタジー系シナリオでした◎
本サイトでは、他にも5人で遊べるマダミスやオンラインでプレイできるマダミスなどをご紹介しています。
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