
世界観と推理に没頭!
神秘的な北欧の村で起きた凄惨なミステリー!?
本記事ではパッケージ型マーダーミステリー『因習村の極光』について、レビューします。
作品のあらすじやルール・遊び方、登場キャラクター、プレイの感想・評価についてネタバレなしで綴ります。今後プレイ予定のあなたの参考になれば幸いです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 6人(GM不要) |
| プレイ時間 | 150分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2024/4/12 |
| デザイナー | りにょり/黒田尚吾 |
| サイズ | 27 x 19 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『因習村の極光』は、グループSNE・cosaicによるMYSTERY PARTY IN THE BOX SERIES作品のひとつで、北欧にある謎に包まれた村で起こる凄惨な事件を描いたマーダーミステリーです。
GMレスかつオフライン環境でプレイ可能で、物語のスパイスとなり得る工夫が散りばめられたシナリオです。
あらすじ

オーロラが映える自然豊かな湖畔――その幻想的な景色と、そこに息づく独特な文化を記録するため、撮影クルーはスバヒア村を訪れた。
取材を始めて数日、穏やかな時間は突如として崩れる。
クルーの女性スタッフひとりが、忽然と姿を消したのだ。
村人や仲間たちは懸命に捜索するも、手がかりはつかめない。
近くで起きた土砂崩れに巻き込まれたのだろうか――そんな仮説が浮かぶ一方で、真相は霧のように掴めないまま。
「彼女を見つけるまでは帰れない」
そう言いながらも、クルーたちの胸には、得体の知れない違和感が広がっていく。
この村に漂う、説明のつかない空気は一体何なのか?
登場人物紹介
物語に登場する6名の人物について、簡単にご紹介します。
ディレクター(30代/男性)

- ドキュメンタリー映画の番組ディレクター
- 調子が良く軽口を叩くタイプ
- ややくたびれたグレーのダウンジャケットを羽織っている
- 足元は動物の毛が装飾されたブーツを履いている
タレント(20代/女性)

- 親しみやすい性格でバラエティ番組の出演が増えているテレビタレント
- 普段は明るく活発だが今は何かを考えこんでいるようだ
- タートルネックのニットとロングコート、スキニージーンズを着用
- 靴はメーカー製の動きやすそうな運動靴
- 長かった髪の毛が昨日よりも短くなっている
カメラマン(20代/男性)

- 小さな映像会社でドキュメンタリーを撮っているカメラマン
- 体格は良いが大人しい
- 誠実そうな見た目
- 素材の良いベージュのダッフルコートとチェックのマフラーをつけている
- 胸元にはブランドのロゴが描かれている
- 足元はスニーカー
シャーマンの娘(20代/女性)

- 父親のシャーマンと2人暮らしの美しい娘
- 口数が少なく何を考えているのか分からない
- 父親にはあまり似ていない
- 刺繍が入った民族的なワンピースとファーでできたコートを身に纏っている
- 足元はブーツで靴の外側には山羊の毛を使用した柔らかく暖かみのある織物が使われている独特なデザイン
シャーマン(50代/男性)

- この村のリーダー的存在
- 目着くが鋭く頑固そうな印象
- 祭事や行政を執り行う
- 色褪せたブラウンのローブを身に纏っている
- 足元はブーツで靴の外側には山羊の毛を使用した柔らかく暖かみのある織物が使われている独特なデザイン
ヤギマスクの女(?歳/女性)

- 作り物の白い山羊の仮面をつけている女
- 堂々とした雰囲気が感じ取れる
- 山羊の毛で作られたクリーム色のセーターと帽子、ロングスカートを身に着けている
- 自然物のネックレスや腕輪で装飾されている
- 質素な川でできた靴を履いている
遊び方/ルール
- 設定書読み込み(15分)
- 事件発生フェイズ(5分)
- 自己紹介フェイズ(5分)
- 第1調査・密談フェイズ(21分:7分×3組)
- 第1全体会議フェイズ(10分)
- 発見フェイズ(5分)
- 第2調査・密談フェイズ(21分:7分×3組)
- 第2全体会議フェイズ(12分)
- 推理フェイズ(1分×6人)
- 投票フェイズ
- アクションフェイズ
- エンディングフェイズ
『因習村の極光』は、MYSTERY PARTY IN THE BOXシリーズのシナリオと同じような流れでゲームが進行します。
本シリーズの特徴は、投票フェイズ後に物語の結末に大きな影響を及ぼす”アクションフェイズ”がある点です。
所持品を奪う、危害を加える、他者の襲撃から身を守るなど、キャラクターによって異なる独自のアクションを実行できます。
各自の思惑が最後の最後に交錯し、フィナーレに向かって物語が盛り上がる展開になります!
また、密談があるシナリオなので、プレイの際は余裕のある空間で遊びましょう。それでは、各フェイズについてより詳しい内容について後述にて説明します。

設定書読み込み(15分)
各プレイヤーは自身が担当するキャラクターの設定書を受け取り、その内容を黙読します。
設定書には、物語の背景や共通情報、MAPのほか、各自の秘密や事件発生前後の行動に関するタイムテーブル、行動指針やアクションフェイズで使用するアクションなどが記載されています。他のプレイヤーに見せてはいけません。
設定書内に「STOP!ここから先のページは事件発生フェイズになったら開くこと!」の項の先は、この段階ではまだ読み進めないようご注意ください。
事件発生フェイズ(5分)
設定書に記載されている「事件発生フェイズ」のページを全員で読み合わせます。
自身のキャラクターのセリフが記載されている場合は、その部分を読み上げます。
セリフ以外の文章は誰か1人担当のプレイヤーを決めて読み上げましょう。
事件発生フェイズの読み合わせ後、各キャラクターは設定書内に記載された目標を黙読して確認を行いましょう。
自己紹介フェイズ(5分)
調査開始前にキャラクターは自分についての簡単な紹介を行います。
設定書の表紙「公開情報」をもとに順番に全員自己紹介を行いましょう。
第1調査・密談フェイズ(21分:7分×3組)
各プレイヤーは調査トークン5個を受け取り、二人一組で調査・密談を行います。
7分経過後、任意の別のペアと交代して新たなペアで調査を始めましょう。
このフェイズ中、好きなタイミングで調査トークンを場に支払い、場のカード1枚を獲得します。(獲得に関する詳細のルールはルールブックを確認しましょう。)

第1全体会議フェイズ(10分)
全員が1つのテーブルに集合し、調査内容や推理をもとに会議を行います。
発見フェイズ(5分)
「発見フェイズシート」を取り出し、代表プレイヤー1名が内容を読み上げ指示に従います。

第2調査・密談フェイズ(21分:7分×3組)
第1調査・密談フェイズと同様の形式で、調査と密談を行います。
第2全体会議フェイズ(12分)
全員が1つのテーブルに集合し、調査内容や推理をもとに会議を行います。
推理フェイズ(1分×6人)
発表したいプレイヤーから順番に、各自1分以内で推理を発表します。
発表している人以外のプレイヤーは黙って推理を聞きましょう。
投票フェイズ
全プレイヤーは事件発生フェイズで明らかになる事件の犯人と思われる相手に一斉に投票します。
拘束したい相手がプレイヤーの中に居ない場合(自死、事故死、NPCが犯人など)は頭上を指します。
もしもそれが最適と考えるなら自分自身に投票することも可能です。
最多票を集めたキャラクターは拘束され、エンディングが分岐します。
同数だった場合は、最多票を集めている人物の中でもう一度投票を行います。
それでも同数だった場合は、最多票のキャラクターの中から「シャーマン」のプレイヤーが誰を拘束するか決定します。
アクションフェイズ
各キャラクターが自身の設定書に記載されたアクションを行動順に行います。
拘束されていない全プレイヤーは、順番に誰が何のアクションを行うのか、対象は誰かを宣言して実行・処理していきます。
エンディングフェイズ
エンディングブックを開き、指示に従い読み上げます。
最後に各キャラクターの目的や勝利点、秘密を発表し、最も得点が高かったプレイヤーが勝利となります!
勝利点も大切ですが、それよりもマダミスの醍醐味である”物語を全員で協力してつくりあげること”に注力しましょう◎
評価と感想
本シナリオを遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
謎めいた村と北欧の空気感が融合した、推理心をくすぐる一作!!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
本作は、まるで北欧の小さな村へ旅をしたかのような没入感と、重層的に広がる謎解きの醍醐味が同時に味わえるマーダーミステリーです。
舞台となる村の描写は情景豊かで、冷たい空気や湖面のきらめきまで感じられるような臨場感があり、プレイヤーを物語世界へ一気に引き込みます。
シナリオには、単なる事件解決にとどまらない多層的な仕掛けが散りばめられています。
プレイヤーの推理を誘導するヒントや、物語を加速させるスパイスが巧妙に組み込まれており、最後まで緊張感と高揚感を持続させたままプレイできる構成です。
物語の真相や導線の解説が丁寧にまとめられているエンディングブックでは、「なぜこの結末に辿り着くのか」を振り返りながら、推理の過程を再確認できます。
プレイ後の余韻を深め、モヤモヤをすっきり晴らす設計・制作陣のありがたい配慮がしっかりと感じられました◎
ルールや進行はシンプルですが、その分プレイヤー同士の議論や観察眼が試されます。
個人的には、完全な初心者よりも数回マダミスを経験したプレイヤーが挑戦することで、このシナリオの深みと面白さをより堪能できると感じました。
北欧の幻想的な空気と、村に潜む謎を解き明かすスリル——その両方を贅沢に味わえる一作です。
難易度
難易度は『やや高め』です。
キャラクター設定書や場に出る情報量がそこそこ多い印象で、制限時間も厳しめ。
個人的にはやや難易度の高いシナリオである印象です。
感想
大満足!記憶に深く刻まれるマーダーミステリー体験◎
わたしの卓では、ほとんどのプレイヤーが10シナリオ以上を経験している猛者ばかり。
おかげで進行は終始スムーズ、各自の立ち回りも見事で、たどり着いた結末はまさにわたし好み。
プレイ後も余韻が長く残る、大満足のシナリオでした。
個人的には、やはり経験者同士で卓を囲むのがベストだと感じます。
物語の奥深さやキャラクターの動き方、推理の組み立て方がぐっと濃くなり、作品の魅力を存分に味わえるはず。
そして何より──北欧好きのわたしにとって、この世界観はたまらない!
物語の中で北欧の空気を感じながら、事件と謎に没頭できることが、もう幸せの極みでした☺︎
まとめ
今回はMYSTERY PARTY IN THE BOX SERIESシナリオ『因習村の極光』についてレビューしました。
神秘的な北欧の世界を感じながら不可解な村の謎と事件を解明する本格ミステリーシナリオでした!
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