
夏祭りで幼馴染が殺される――
男女7人がタイムリープを繰り返し、友達を救うマーダーミステリー!!
今回はグループSNE・KADOKAWAのパッケージ型マーダーミステリー『八月のタイムマシン』についてレビューします!
あらすじや遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしのプレイ感想や評価までご紹介しますので、これから遊ぶ予定のあなたはぜひ参考にしてみてください!
※本作は、2025年春放映のテレビドラマ『六月のタイムマシン』の原作シナリオです。(ドラマは2025年5月現在、AmazonPrimeVideoから視聴することができます。)
シナリオ概要
| プレイ人数 | 6-7人(GM不要) |
| プレイ時間 | 180分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/1/31 |
| デザイナー | 秋口ぎぐる |
| サイズ | 15 x 21 x 3.2cm |
| 版元 | グループSNE/KADOKAWA |
『八月のタイムマシン』は、グループSNE×KADOKAWAより発売されているMYSTERY&ADVENTURE BOXシリーズの第二弾のマーダーミステリーです。
青春SFの物語で、夏祭りの日に何度もタイムリープ(時間跳躍)をしながら事件の真相を追究していきます。
GMレスで遊ぶことができ、本シナリオを6人で遊ぶ場合は1人NPCを設定します。(NPC設定カードが同梱されています)
関連作品一覧
関連作品として、本作を原作とした小説・ドラマがあります。
あらすじ
携帯電話もインターネットも普及していない199X年のある夏、山間部にある田舎町に町内放送が響きます。
『ご町内の皆さま、おはようございます。本日、8月18日は、夏祭りの開催日です――』
町は毎年恒例の風物詩を前に活気づいていました。
そんな最中、田舎町の中心に位置する喫茶店にて、幼馴染の7人の男女が数年ぶりに集まっていました。
「今夜、直墨が殺される――」
夏祭りの夜、若者たちが”幼馴染みの死”を防ぐため、タイムリープを繰り返して事件の真相に迫ります!
登場人物紹介
それでは、夏祭り当日に喫茶店に集まった男女7名をご紹介していきます。
柏木琉青(24歳/男性)

- デイケアサービス会社「やまぶき」を経営
- ムードメーカー的存在
- 新堂直墨とは元同級生で親友
- 蒼の兄
柏木蒼(18歳/男性)

- 高校3年生
- 琉青の弟
- 実家は農家で家業を継ぐことになった
- 学校に通う以外は黙々と畑を耕したり家畜の世話を頑張っている
小林みどり(24歳/女性)

- 東京の大学に進学後、都内の出版社に就職
- 新堂直墨は中学時代の元恋人
- 桃花は妹のような存在でたまに連絡を取り合う仲
- 久々に地元に帰省した
五十嵐桃花(18歳/女性)

- 高校3年生
- 父親の五十嵐守は町の町長
- 茜とはたまに食事に行く仲
- みどりと同じピアノ教室に通っていた縁で今でも仲が続いている
乾茜(18歳/女性)

- 高校3年生
- 物静かな性格
- 実家は市街地でたばこ屋を営んでいる
- 桃花とは仲が良いがそれ以外の幼馴染とはほとんど交流がない
辻黄之介(18歳/男性)

- 高校3年生
- 地元では有名な不良
- ここ数年喫茶店に集まった6人とは交流がない
- 直墨は兄貴分のようなな存在
富永一茶(18歳/男性)

- 高校3年生
- 高校では生徒会長を務める秀才
- 実家は総合病院を開業
- 町には10年前に越してきた
遊び方/ルール
- オープニングフェイズ
- 1章調査フェイズ(約15分)
- 1章報告フェイズ(プレイヤー人数×2分)
- 幕間①フェイズ
- 2章調査フェイズ(約15分)
- 2章報告フェイズ(プレイヤー人数×2分)
- 幕間②フェイズ
- 3章調査フェイズ(約15分)
- 3章報告フェイズ(プレイヤー人数×2分)
- 投票フェイズ
- アクションフェイズ
- エンディングフェイズ
本シナリオは、3章構成となっており、キャラクター設定書や調査カードも3章分に分けられています。
章が進むごとに読み進められる範囲が広がり、テーブルのセッティングも新たに行います。
それでは遊び方について、もう少し詳しく見ていきましょう。
オープニングフェイズ
オープニングフェイズでは、下記の順にゲームの準備を行います。
- 1章の場の準備
- 背景の読み上げ
- 担当キャラクターの決定
- 設定書/1章パートの読み込み
- 自己紹介
※場の準備では、キャラクター設定書、1章の調査カード、アイテムカード、特別な手がかりカード、NPCカードを並べます。(NPCカードの”NPC1″だけは最初からオープンされることにご注意ください!)

調査フェイズ(各15分程)
調査フェイズでは、調査カードを引いたり、プレイヤー同士で自由に会話・最大3人までの密談を行うフェイズです。(1章・2章・3章それぞれに一度ずつあります)
このフェイズは、PCたちが個別に町を調査し、その過程でほかのPCとすれ違い、ちょっとした情報交換を行うことを表します。
調査カードは任意のタイミングで場から調査カードを引き、”場に戻す”と書かれていない限りそのカードを手札として獲得します。
1回の調査フェイズに引ける調査カードの枚数は1人につき3枚です。指示によりカードを場に戻した場合も「カードを引いた」枚数にカウントします。
調査カードの中には、”アイテム○○を獲得する”、”NPC○○をオープン”、”特別な手がかり○○を獲得する”と書かれたカードがあります。その指示に従って獲得したカードは、調査フェイズで引けるカードの枚数3枚にはカウントされません。
また、本作品には身体的な強さを表す「パワー」があります。カードに「パワー」という記述があった場合、数値はその人物の、あるいはアイテムによって増減される身体的な強さを意味します。
調査カードや特別な手がかりカードはPCが得た情報であり記憶ですので、交換や譲渡、全体公開はできません。カードの内容を密談相手に見せたり口頭で内容を伝えることは可能です。
ただし、アイテムカードに限り、交換や譲渡、全体への公開はカードに特別な指示がない限りはOKです。
※6人プレイ時:引ける調査カードの枚数はNPCと行動を共にするPCのみ5枚、密談は最大2人までになりますのでご注意ください。
報告フェイズ(プレイヤー人数×2分)
報告フェイズでは、1人1分ずつで自身の考えを発表し、その後7分(6人プレイの場合は6分)で全体会議を行います。
このフェイズでは、夏祭りの会場でPCたちが落合、今日1日で得られた情報を手短に報告しあっていることを表しています。
調査フェイズで獲得した調査カード、アイテムカード、特別な手がかりカードをすべて自分の前に伏せ、適当なプレイヤーから時計回りで下記の内容について発表します。
- 調査でわかったこと
- 真相に関する推理など
自分が伏せたカードの内容は特別な指示がない限りはいつでも自身で確認できます。
幕間フェイズ
幕間フェイズは、物語が進み、新たな章への架橋となる準備を行うフェイズです。以下の内容を順に行います。
- 幕間テキストの読み合わせ(全員で物語の描写をロールプレイ)
- 設定書の次章パートの読み込み
- 次章の場の準備

投票フェイズ
投票フェイズでは、拘束すべきだと思う人物に対して一斉に指をさし投票を行い、最多票を集めたキャラクターが拘束されます。
NPCに投票する場合は、NPCの設定書、あるいはオープンされているNPCカードを指します。
投票の結果が確定したら、アクションフェイズへと進みます。
アクションフェイズ
アクションフェイズでは、それぞれの秘めた目的のため、拘束されていないキャラクターは固有のアクションを行うことができます。
アクションの対象としたい相手をひとり指し、NPCや投票フェイズで拘束されたPCも対象として選べます。そして、アクションを順に処理していきます。
各キャラクター設定書に書かれた行動順の数字の小さい順に行う
誰を対象とした、どのようなアクションかを述べ実行する
この際、フェイズの開始時に決定した対象を変更してはいけません。
アクションに”合計パワー”を比較するよう書かれていた場合、実行者と対象の「パワー+アイテムによる追加パワー」の合計を比べます。
※NPCはアクションを行いません
エンディングフェイズ
物語の結末を読み、各キャラクターの得点計算へを行います。
最も得点が高かった人が勝者となりますが、物語を最も楽しんだ人が優勝です!!
評価と感想
わたしが本作品を遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
青春SFマダミスの到達点!”タイムリープ”が紡ぐ懐かしくも切ない物語——。
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
「もしあのときに戻れたら」——。
そんな誰もが一度は抱いたことのある想いを、体験という形で味わわせてくれるマーダーミステリー作品に出会いました。
舞台は、どこにでもある田舎町だけど、そこに紛れ込むのは非日常“タイムマシン”というSF要素でした。
ごくありふれた風景に一滴のSFを落とすことで、物語は一気に色づき、プレイヤーを「青春×時間跳躍」という不思議で切ない世界へと誘います。
この作品、実際にプレイしてみるとストーリーの面白さはもちろんのこと、推理要素の設計が非常に丁寧で、マダミスとしての完成度も非常に高いと感じました。
単なるドラマ体験ではなく頭を使う場面も多く、没入感がとにかくすごい。
特筆すべきは、幕間を挟みながら進行する三幕構成。
タイムリープというギミックと非常に相性が良く、物語が段階的に明かされていくことで、次第にピースが揃っていく感覚がたまりません。
そのたびに新しい感情と向き合うことになり、「記憶を消してもう一度プレイしたい!」と思わず願ってしまうほど。
また、物語は複雑すぎず、構成がとてもわかりやすいため、マダミス初心者にも優しい設計。
もちろん、経験者にとっても「こんな青春マダミスがあったのか!」という新鮮な驚きを与えてくれることでしょう。
“タイムリープ”という王道SFモチーフに、マーダーミステリーという舞台が絶妙に融合した、まさに青春SFマダミスの金字塔とも呼びたくなるような作品。
「ただのゲーム」で終わらせるには惜しい、“時間”と“想い”をめぐる物語。あなたもきっと、プレイし終えたあとで静かに胸を締めつけられるはずです。
難易度
難易度は「やや高め」です。
タイムリープ独自の時系列やパラレルワールドの複雑さが難しく感じる人も多いかもしれません。
ちょっと難解な部分については、キャラクター設定書に図解されているため、状況整理のサポートとなりました。
また、キャラクター設定書のテキスト量は『多め』です。
はじめ、キャラクターの背景を自分にインストールするのに少々時間がかかるかもしれません。
感想
幼馴染、夏、花火大会——タイムリープが彩る甘酸っぱい青春マダミス!
MYSTERY&ADVENTURE BOXの第一弾『焚家』に感動した勢いそのままに、シリーズの新作をプレイしてきました!
本シナリオのテーマは“幼馴染 × 夏 × 花火大会”。もうこれだけで胸がきゅっと締めつけられる予感しかしません。実際にプレイしてみても、期待は裏切られませんでした◎
淡く切ない青春の一瞬を切り取ったような世界観に、タイムリープというドラマチックな設定が絡んで、物語の没入感がとにかくよかったです。
気づけばロールプレイに夢中になっていて、卓全体がどっぷりその世界に浸かっていた気がします。
ただし、わたしたちの卓では、ひとつの“事故”が発生、、、最後までNPCカードが1枚だけ公開されないというトラブルがありました。
原因は明確で、ルールブックに記載のあった「NPC1を事前に公開しておく」という注意事項を完全に読み飛ばしてしまっていたんです。
ルールブックをちゃんと読んでいなかった私の完全なるミスであり、経験者としての慢心が出てしまった瞬間でした。反省。
とはいえ、あの注意点がルールブックの図に入っていたり、NPCカードの裏面にワンポイントで書かれていたりすると、より親切だったかもしれません(と言いつつ、100%自責ですすみません。)
教訓:「ルールブックは隅々まで丁寧に読みましょう」!笑
甘酸っぱさとノスタルジー、そして謎解きの楽しさが絶妙に混ざり合っていて、夏の終わりにぴったりな“青春マダミス”でした◎
まとめ
今回はMYSTERY&ADVENTURE BOX 02『八月のタイムマシン』についてレビューしました。
タイムリープ系の青春SFシナリオで、3章仕立ての構成がワクワクする初心者にも経験者にもおすすめしたいマダミスでした!
本サイトでは、人数別でおすすめのマダミスシナリオを多数ご紹介しています。
よろしれければ、下記からあわせてチェックしてみてくださいね◎
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