
人間との共存共栄を願う派閥と、人間との生存競争を望む派閥――
吸血鬼たちの対立が引き金となる悲劇のマーダーミステリー!!
今回はグループSNE×cosaicによるパッケージ型マーダーミステリー『ダークユールに贖いを』について、ネタバレなしでレビューします!
本作のあらすじや遊び方、登場キャラクター、感想や評価についてご紹介していますので、これから遊ぶ予定のあなたは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
シナリオ概要

プレイ人数 | 7~9人(GM不要) |
プレイ時間 | 180分 |
プレイ環境 | オフライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2020/4/24 |
デザイナー | 友野詳 |
サイズ | 27 x 19 x 3 cm |
版元 | グループSNE/cosaic |
『ダークユールに贖いを』は、グループSNE×cosaicより発売されているMYSTERY PARTY IN THE BOX SERIESのひとつで、吸血鬼の対立を描いたホラーサスペンスシナリオです。
人間世界のミステリーとは異なり、吸血鬼特有の能力や特性を存分に活かされた作品になります!
オフライン・GMなしでのプレイが可能で、7人で遊ぶ場合は2人、8人で遊ぶ場合は1人NPCを設定します。(NPC設定カードが同梱されています)
あらすじ
物語の舞台は、吸血鬼のいる世界――
人間たちをどのように扱うのか、吸血鬼は2つの派閥に分かれ、対立していました。
そして、十年に一度開催される吸血鬼の大集会直前、黒く焼け焦げた死骸が発見されます。
死骸の正体は、いずれかの派閥のナンバー2である吸血鬼だということが判明します。
暗く長い冬至の夜(ダークユール)に起こった悲劇の結末とは、、、?
登場人物紹介
物語に登場する2つの派閥――「制圧派」と「共存派」の吸血鬼たち9名をご紹介致しましょう。
伯爵

- 共存派のトップ
- 吸血鬼になって800年を超える活動している中では最年長の吸血鬼
- いかにも「ヨーロッパの貴族」といった風貌で外見年齢は40代のスラブ系男性
- 身長は190センチ近いスマートな体格
従僕

- 伯爵に仕える忠実なしもべ
- 執事服に身を包み常に影のように伯爵に付き従っている
- 顔色は青白く、ところどころ皮膚の色が異なっている
- 190センチの長身でたくましい体格で整った顔立ち
令嬢

- 制圧派の先代トップ「将軍」の娘で、現在派閥のトップを務める吸血鬼
- 外見は豊かな金髪を持つ18歳のゲルマン系美少女
- 実際には500年以上吸血鬼として生きる実力派
- 人類絶滅を唱える派閥の過激派「パンクス」をもてあましている
パンクス

- 逆立てた虹色の髪に黒いルージュを塗った唇、耳や舌、まぶたにピアスのパンクファッション
- 十字架などの宗教モチーフは使っていない
- 若い年代の吸血鬼から絶大な支持を集めている
- 制圧派の中でも特に過激で人類絶滅を唱えている
オーナー

- 吸血鬼の大集会が開催地の派閥の中立地帯にあるクラブ「ノー・ワン」のオーナー
- 吸血鬼社会に姿を見せて50年ほど
- いつの間にかはりめぐらせたコネクションにより吸血鬼社会で確固たる地位を築いた
- 外見年齢は40代半ばで黒髪、黒い瞳を持つ東洋系の美男
ウェイトレス

- クラブ「ノー・ワン」のウェイトレス
- 腰までの長い銀色の髪とグリーンの瞳を持つ北欧系の美女
- 外見年齢は20代半ば
- 物静かで感情をあらわにすることはほとんどない
プレイボーイ

- いかにも金持ちの坊ちゃんという雰囲気を持つ10代後半の若者
- インド系にもネイティブアメリカンにも見える
- 茶色の髪に茶色の瞳
- 女性にモテそうな顔立ちでブランドものに身を包んでいる
ゴスロリ

- ゴシックロリータのファッションに身を包んだ見た目年齢10代後半の少女
- 黒い髪に赤い瞳で紫の唇
- メイクが濃くて本当の顔立ちはわかりづらく、不慣れな印象
- 吸血鬼社会にデビューしたてのわりに堂々とした態度をしている
枢機卿

- 顔を見せず、正体を明らかにしない古い吸血鬼
- 60歳ほどのアングロサクソン系の男性
- 修道士風の姿をしているが十字架を持っていない
- 2つの派閥の対立を適度に煽り漁夫の利を得たり、対立の暴走を止めるよう動く謎多き人物
遊び方/ルール
- オープニングフェイズ(30分~)
- 自己紹介
- 第1調査フェイズ(25分)
- 第1全体会議フェイズ(10分)
- 意見表明フェイズ(各30秒)
- 第2調査フェイズ(30分)
- 第2全体会議フェイズ(15分)
- 最終弁論フェイズ(各1分)
- 告発フェイズ
- クライマックス行動フェイズ
- エンディングフェイズ
本シナリオの大まかなゲームシステムは、他のグループSNE×cosaicの「MYSTERY PARTY IN THE BOX」シリーズと同様です。
このシリーズの特徴は、エンディングフェイズの直前に、物語の結末を大きく左右する”クライマックス行動フェイズ”にあります。
このフェイズでは、担当するキャラクターにより行動の内容が異なり、各キャラクターの画策が明るみになり大いに盛り上がります!
物語のクライマックスにふさわしいフェイズで、驚きが止まらない展開になること間違いなしです!!
本作品は密談があるので、何組かが密談できるスペースを充分に確保して遊ぶことをおすすめします。
オープニングフェイズ(30分~)
オープニングフェイズでは、以下を順に行います。
- 「物語のはじまり」の読み上げ
- 担当キャラクターの決定
- 設定書の読み込み
「物語のはじまり」の読み上げ
「物語のはじまり」をプレイヤーの代表者1名が声に出して読み上げます。
ここにはキャラクター全ての”共通認識”が記されているので、プレイヤー人数分コピーして各自配布することをおすすめします。
担当キャラクターの決定
自身が担当するキャラクターを決定します。
ただし、同じキャラクターを複数のプレイヤーが選ぶことはできないのでご留意ください。
設定書の読み込み(30分)
担当するキャラクターを決定した後は、各自キャラクター設定書を読み込む時間になります。
最大30分間で各自黙読し、すべてのプレイヤーが十分に自身のキャラクターを理解したと感じたなら、より早くゲームを開始してもOKです。

自己紹介
自己紹介手順のシートを「オーナー」役のプレイヤーが読み上げ、その指示に従って担当するキャラクターを紹介してください。
表紙の「公開情報」を参考に、外見や吸血鬼社会での立場を明確にしましょう!
第1調査フェイズ(25分)

開始時に調査トークンを4つずつ各プレイヤーに配布します。
第1調査フェイズでは、事件の調査や各々の目的を遂行するため、下記を行うことが可能です。
- 調査トークンを1つ使って証拠カードを獲得/特殊なアクション
- 少人数での密談
- プレイヤー同士のカードの譲渡・交換
第1全体会議フェイズ(10分)
開始時に、残った調査トークンをすべて捨てます。
全員で現時点での推理や情報交換など、自由に会話することができます。
意見表明フェイズ(各30秒)
「伯爵」の指名に従いキャラクター設定書の表紙に書かれた発言順で、自分が考える”真相”について表明します。
このとき、他者の発言はできません。話すべきことがなければ途中で打ち切っても構いません。
第2調査フェイズ(30分)

第1調査フェイズと同様に調査トークンを配布し、調査を行います。
第2全体会議フェイズ(15分)
全員着席してテーブルを囲み、第1全体会議フェイズと同様、全員で意見交換を行います。
最終弁論フェイズ(各1分)
意見表明フェイズと同様、1人ずつ”最終的な推理”を発表します。
このとき、誰を拘束すべきかを主張しておきましょう。
告発フェイズ
「伯爵」の合図ですべてのプレイヤーが一斉に”拘束”したいプレイヤーを誰か一人指さします。
もっとも多くのプレイヤーに指さされたひとりが”拘束”されます。
※拘束された人は以後、次のクライマックス行動フェイズで行動することができません。
クライマックス行動フェイズ
開始前に、武器装備を全員同時で行います。手札に武器カードがあればそのうち1枚だけ選び、「伯爵」の合図で一斉に表にします。
表にした武器カードがあるプレイヤーは、発言順にそれぞれの効果を宣言します。
その後、「速さ」を12から順番にカウントダウンし、自分の「速さ」になったときに自分のキャラクター設定書に書かれたクライマックス行動を選んで実施します。
「速さ」のカウントダウンが終了したら、次のエンディングフェイズに移ります。
エンディングフェイズ
物語の結末を読み、各キャラクターの得点計算へを行います。
最も得点が高かった人が勝利!ですが、物語を最も楽しんだ人が優勝です◎
評価と感想
それでは、独断と偏見による評価と感想をお話していきます!
わたしが本作品を遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
人間同士のミステリーとはひと味違う!殺伐とした雰囲気を堪能できるシナリオです◎
人間と共存したい吸血鬼と、人間と生存競争を望む吸血鬼の対立という一風変わった物語で、吸血鬼特有の能力や特性が推理要素にもなっています。
推理要素と世界観が入り混じる唯一無二の作品で、このシナリオでしか味わえない独特な雰囲気、推理が楽しめます!
物語としても面白く、人間ではない者のロールプレイも堪能できるのでちょっぴり変わったミステリー体験ができます◎
難易度
難易度は『普通』です。
ゲームシステムやルールに難しいところはなく、GMなしで初心者の方でも十分プレイできるかと思います。
ただ、テキスト量がかなり多く、それはルールブックにも最大30分の読み込み時間が設定されているほど、、、
頭に一度に叩き込むにはかなり厳しいので、自分なりにメモを取り整理するなど、情報の抜け漏れのないように工夫が必要です。
感想
独特な世界観で、殺伐としたヴァンパイアたちの物語を堪能することができました◎
プレイヤーの人数が多く、キャラクター設定書や”共通認識”などにより全体として情報量が多いため、精査するのが大変でした、、、!
しかし、ヴァンパイアの特徴が推理に盛り込まれている点は他のシナリオにはないので、この作品独自の魅力です!
まとめ
今回はパッケージ型マーダーミステリー『ダークユールに贖いを』についてレビューしました。
吸血鬼たちの殺伐とした対立を描いた、独特で面白い世界観を楽しめました!
当ブログでは、プレイ人数別で面白いシナリオなどのマダミスに関する情報を多数発信するメディアです。
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