
信仰が閉じ、五芒が絡み、真実が沈む──。
重厚な本格ダークマダミス。
今回は、グループSNE&cosaicが手がけるマーダーミステリー『ペンタグラムの境域』をレビューします。
世界観の魅力や物語のあらすじ、遊び方や登場人物、そしてネタバレなしでの感想・評価までをまとめています!
購入検討中のあなたはもちろん、プレイ前に作品の空気感だけ掴んでおきたいあなたにも、参考になれば嬉しいです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 6人(GM不要) |
| プレイ時間 | 180分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2025/07/31 |
| デザイナー | 綾部ヒサト |
| 箱サイズ (長さ×幅×厚さ) | 27 x 19 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『ペンタグラムの境域』は、謎の宗教団体を舞台に五芒星のように疑念が交錯する、MYSTERY PARTY IN THE BOX SERIESの本格派マーダーミステリーです。
1980年代の日本、山奥の鐘塔に集められた6人の前に、ふたつの死体と不可解なサインが現れ、忌まわしき真相への探索が始まります。
6人専用のシナリオで、第3回新作マーダーミステリー大賞・グループSNE賞を受賞した話題作です◎
あらすじ

1980年代、日本はバブル景気という未曾有の好況に沸き、社会全体が熱に浮かされていた。
きらびやかな街の光とは裏腹に、人里離れた山奥では、ひっそりと時代から切り離された場所が存在していた。
砂利道を揺れながら進む一台のバス。
その車内には、運転手のほかに三人の男女――カウンセラー、カフェ店員、民俗学者が乗り込んでいる。
目的地は、廃村を修繕して作られた宗教団体「五芒教」の拠点だった。
外部との接触を断ち、教祖を中心に活動するこの組織の実態は、ほとんど知られていない。
到着した拠点には、中央に不気味な鐘塔がそびえ立ち、周囲を建屋が取り囲んでいた。
招待客を迎えた教祖と幹部の案内で、三人はコテージへと通される。
その様子を、信者として暮らす少女と少年が、意味深な視線で見つめていた。
夜。深い闇の中、23時の鐘が鳴る直前、六人は鐘塔の前に集められる。
告げられたのは、信じがたい事実――「教祖が、鐘塔の中で死んでいる」。
華やかな時代の裏側で、忌まわしき事件の幕が、静かに上がろうとしていた。
登場人物紹介
6人の登場キャラクターをご紹介します。
カウンセラー(54歳/男性)

- 教祖から招待を受けて五芒教の拠点を訪れた
- 落ち着かない様子で周囲を常に気にしている
カフェ店員(25歳/女性)

- 教祖から招待を受けて五芒教の拠点を訪れた
- 気の強そうな女性で何か決意を抱いているように見える
民俗学者(31歳/男性)

- 教祖から招待を受けて五芒教の拠点を訪れた
- 黒づくめの服をまとい聡明で常に冷静であろう印象を受ける
幹部(28歳/男性)

- 五芒教の幹部を務める人物
- 組織の中心的な存在
- 自信に満ちあふれ言葉の一つ一つに確固たる意志を感じる
少女/神の子(10歳/女性)

- 五芒教の構成員
- “神の子”の異名を持つ
- 誰の子どもで何故ここにいるのか不明
- 理知的で年齢不相応に大人びている
少年/背教者(12歳/男性)

- 五芒教の構成員
- “背教者”として扱われている
- 誰の子どもで何故ここにいるのか不明
- 眼光鋭く敵意のある視線を周囲の人物に向けている
遊び方/ルール
- 準備
- イントロダクションの読み上げ
- キャラクター選択
- 設定書の読み込み(15分)
- ゲームのルール確認
- 開幕フェイズ
- スタート調査フェイズ
- 第1議論フェイズ(20分)
- 第2議論フェイズ(20分)
- イベントフェイズ
- 第3議論フェイズ(25分)
- 最終議論フェイズ(10分)
- 推理発表フェイズ(1人1分ずつ)
- 投票フェイズ(5分)
- アクションフェイズ
- エンディングフェイズ
- 解説·勝利点計算
この作品は、閉鎖空間×宗教団体という濃密な舞台のマーダーミステリーです。
シナリオの特性上、センシティブな内容が含まれるため、プレイの際はご注意ください。
また、本シナリオには密談があります。最低2人×3組の秘密の会話ができるほどの広さの部屋で遊ぶことをおすすめします。
準備
本ゲームを遊ぶ際に用意するものは、以下の通りです。
- 時間経過がわかるもの(タイマー・時計など必須)
- 筆記用具(回答シートへの記入があるため人数分必須)
- メモ用紙(任意)
調査マップとカードをルールブックの配置図のように並べます。(下図参照)

その他各種コンポーネントはルールブックの指示のもと、箱の中に入れたままにしたり、テーブルの上に並べたりしましょう。
また、プレイヤーの中から進行役を1名決めておくとスムーズです。
イントロダクションの読み上げ
進行役が代表でルールブックの「イントロダクション」を読み上げます。
キャラクター選択
担当キャラクターを決定します。
担当するキャラクターが決まったら、対応する設定書を各自受け取ります。
その後、設定書の裏表紙に記載の「物語に登場する他のキャラクター」を確認しましょう。
設定書の読み込み(15分)
設定書の黙読を行います。読み込みの目安時間は15分ですが、必要に応じて延長してもOKです。
ゲームのルール確認
ルールは進行役が一度すべて読み上げ、全員で内容を確認します。
- すべてのプレイヤーは嘘をつくことができる
(世界観を壊す突飛な嘘やルールを壊す嘘はNG) - カード裏面は公開情報で秘匿することはできない
- カードの破棄は禁止
- 議論フェイズや推理発表フェイズでは規定の時間を必ず守ること
※投票フェイズは時間調整OK - ルールの疑問点解決時は都度時間を止めて確認OK
- 担当キャラクター以外の設定書やイベントシートは閲覧禁止
開幕フェイズ
読み合わせと自己紹介を行います。
キャラクター別設定書の「開幕フェイズ」を開き、全員で読み合わせを行います。
地の文は進行役、キャラクターのセリフは担当プレイヤーが読みましょう。
読み合わせが終わったら、自己紹介は設定書表紙の内容を元に、キャラクターとしての自己紹介を行います。
「幹部」を担当するプレイヤーが1番目、以降は時計回りに自己紹介を行いましょう。
スタート調査フェイズ
カードの調査を行う時間です。議論はできません。
調査チップA(①~⑤の数字が書かれたチップ)を各キャラクターのプレイヤーに配布します。調査はひとりにつき5回実施します。

- ①の調査チップを調査したい「チップ置き場」に置く
- 6人全員が調査チップを置いたら該当する場所のカードを一斉に獲得して閲覧する
※複数プレイヤーが同じカードを調査したい場合は話し合いと譲り合いで調整 - この調査を5回繰り返す
調査チップは数字の小さいものから順に使いましょう。
1人のプレイヤーが同じ場所のカードを複数回調査してもかまいません。
カードの中には調査に条件が設定されているものがあります。間違って調査しないよう、カード裏面を確認しましょう。
自分の部屋の調査、および、このフェイズではカードの公開、譲渡はできません。
第1議論フェイズ(20分)
議論と調査したカードの共有を行う時間です。
- 基本は全体議論
- 密談(2~4人)も可能
- 密談相手にだけカードを見せてもOK
- 譲渡はアイテムカードのみ可能(カード表面に「アイテムカード」の記載あり)
- カードの公開が可能
密談の際は、1人孤立してしまうプレイヤーがでないように配慮しましょう。
カード公開時は、カードを調査マップの元の位置(調査カード置き場)に戻します。
ただし、アイテムカードは所有権を明確にするためプレイヤーの手元に置いておきましょう。
第2議論フェイズ(20分)
議論をしつつ、合間に調査を行う時間です。議論は第1議論フェイズと同様です。
カードの調査は、各自3回ずつ行います。調査チップB(数字が書かれていない調査チップ)を1人につき3個ずつ配布しましょう。

調査方法は次の2種類があります。
- 調査マップに残ったカードを獲得する
- 調査チップは調査する場所(調査チップ置き場)に置く
- 1人のプレイヤーが同じ場所のカードを複数回調査してもOK
- 自分の部屋の調査はNG
- 他プレイヤー所有の調査カード1枚を強制公開(このとき調査チップは1枚破棄)
- 公開したカードは調査マップの元の位置(調査カード置き場)に戻す
※アイテムカード公開の場合は元の所有者の手元に置く(所有権は元の所有者) - 特殊カード·追加カード·決断カードを強制公開することはできない
- 他プレイヤー所有の自分の部屋のカードを強制公開させてもOK
所有しているカードの公開ができます。譲渡はアイテムカードのみ可能です。
特殊カードはダイレクトに強制公開させることはできませんが、通常の調査カードを公開させることで、連動して特殊カードが公開になるケースはあります。
配布された調査チップはこのフェイズ中に必ず使い切りましょう。
イベントフェイズ
担当のキャラクターに対応するイベントシートを配布します。
イベントシートを開いて読み合わせを行い、担当のキャラクターに対応する追加カードと決断カードを配布しましょう。
第3議論フェイズ(25分)
議論をしながら合間に調査を行います。議論は第1・第2議論フェイズと同様です。
また、調査のルール、カードの扱い方は第2議論フェイズと同じです。
最終議論フェイズ(10分)
全員で議論します。密談・調査はできません。
所有しているカードの公開は可能、および、譲渡はアイテムカードのみ可能です。
推理発表フェイズ(1人1分ずつ)
最終的な推理や考えを1人ずつ持ち時間1分で発表する時間です。
発表中、他のプレイヤーは話してはいけません。時間が余ったら途中で切り上げてもかまいません。
また、所有しているカードの公開ができます。譲渡はできません。
任意の方法で1番目に推理発表を行うプレイヤーを決め、発表後、次に推理発表を行うプレイヤーを指名します。
これを全員が推理発表を終えるまで続けましょう。
内容は自由ですが、意見表明ができる最後の時間であることをふまえて話しましょう。
投票フェイズ(5分)
各キャラクターの目標に関する回答を記述し、その後全員で指差し投票を行います。
担当のキャラクターに対応する回答シートを配布し、各プレイヤーは回答を記入しましょう。
時間の目安は5分ですが、希望があれば延長してもかまいません。
回答シートには個人の目標に関する項目があります。以降、一斉投票やアクションで同じ事柄について回答する際は、回答シートの記入内容と揃えましょう。
5分経過後、「教祖を殺害した犯人」に一斉投票します。進行役の合図で一斉に対象プレイヤーを指差しましょう。
信者が犯人だと考える場合は上を、自殺だと考える場合は下を指差します。
最多票者が複数いる場合でも、再投票は行いません。
「教祖を殺害した犯人」として単独最多票になったプレイヤーは拘束され身動きが取れなくなるため、アクションフェイズでアクションを行うことができません。
最多票者が複数いる場合は「拘束者なし」となり、全員がアクションを行うことが可能です。
アクションフェイズ
投票結果に基づくエンディング描写を確認後、アクションを行います。「エンディングブック」を開いて指示に従いましょう。
エンディングフェイズ
エンディングを確認し、ゲームを締めくくります。「エンディングブック」に従って進行しましょう。
解説·勝利点計算
物語の真相と事件の全貌が明かされ、勝利点を計算したところでゲームは終了となります。
もっとも高い勝利点を獲得したプレイヤーが勝者ですが、これはあくまで“ゲーム”。
互いへの思いやりを忘れず、相手を尊重しながら、最後まで気持ちよく物語の余韻を楽しみましょう。
評価と感想
わたしがこの作品を遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
ダークでシリアスな世界観!しっかりとした推理要素を楽しめる傑作ミステリー◎
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
重厚な物語と推理を腰を据えて味わいたい人にとって、満足度の高いマーダーミステリーです!
シリーズ内でも調査システムに独自性があり、既存作を遊んできたプレイヤーでも新鮮な感覚で臨めると思います。
一方で、ルールや進行はかなり特殊で、理解が浅いまま進めてしまうと取り返しのつかない“事故”が起きやすい構造になっています。
そのため、初心者プレイヤーやGMレスのシナリオに不慣れなメンバーが含まれる場合は、GMありでのプレイを強くおすすめします。
GMレスでのプレイは難易度が高く、作品本来の魅力に辿り着く前に混乱してしまう可能性があります。
GMレスで遊ぶ場合には、全員がハンドアウトやルールを十分に理解していること、そして全員がGMレス進行そのものに慣れていることが重要です。
また、その他の注意点として、特性上センシティブな要素を含む場面も存在します。
GMが事前にプレイヤーの性質や地雷になり得る要素をある程度把握している場合は、必要に応じてやんわりと注意喚起を行うことで、より安全で満足度の高い体験に繋がるかもしれません。
上記の懸念点をクリアできれば、物語として非常に高い完成度と納得感を堪能することができる魅力的な作品です!
軽い気持ちで遊ぶよりも、「じっくり向き合う作品」として迎え入れることをおすすめします◎
難易度
難易度は『高め』です。
本作品はかなり独特なシステムなので、GM不在の場合は事故のリスクが非常に高いシナリオだと考えます。
そのため、マダミス初心者プレイヤーがいる場合や、GMレスのシナリオに不慣れなプレイヤーがいる場合には、GMがいた方がより安心して物語に集中できると思います。
感想
覚悟と準備が整った卓ほど真価を発揮!重厚で骨太なマーダーミステリー!!
閉鎖的な宗教団体というダークでシリアスな世界観の中で、物語と推理をじっくり味わうことができる作品でした!
舞台設定も相まって、終始張り詰めた空気が流れ、軽い気持ちで遊ぶタイプのマダミスではないと強く感じさせられました。
わたしの卓ではGMなしでプレイしましたが、本シリーズの作品を多数プレイ&GMレスのシナリオに慣れているメンバーでプレイしてもルールの面で少し戸惑う場面がありました。
でもいつもとは異なるゲームシステムを堪能でき、総合的に非常に満足度の高いシナリオになりました!
軽さや手軽さを求める人向けではありませんが、重厚な物語と推理に正面から向き合いたい人にとっては、忘れがたい体験になる作品だと思います◎
まとめ
『ペンタグラムの境域』は、雰囲気・物語・推理を全部しっかり味わいたい人向けの、ダークで本格的なマダミスでした!
ルールを理解し、物語と向き合う覚悟を持った卓ほど、その重厚さと納得感が深く刺さる作品です。
「しっかり準備して腰を据えて遊ぶマダミスが好き」なあなたにこそ、ぜひ体験してほしい一作でした◎
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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