
敵陣襲撃作戦中、消えた仲間の行方を追え!
飛行経路MAPから失踪事件を捜査する斬新・マーダーミステリー!!
4PL・90分のパッケージマーダーミステリー『ミッシングファイター』について、レビューします。
本作について、あらすじ、遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想・評価について綴ります。
現在、このシナリオが気になるあなたは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 4人(GM不要) |
| プレイ時間 | 90分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/12/15 |
| 製作者 | tomiha |
| 箱サイズ | 16 x 11 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『ミッシングファイター』は、グループSNE×cosaicによる”Murder Mystery Mini(マーダーミステリーミニシリーズ)”レーベルの作品で、消えた戦闘機の行方を捜索する物語です。
戦闘機の飛行経路マップから、自分たちが辿った飛行経路や行方を消した仲間の飛行経路を照らし合わせ、仲間が何故、どこで失踪したのかを探ります。
第2回新作マーダーミステリー大賞・奨励賞受賞作品で、GMレスかつオフライン環境で遊べる1.5時間のミステリーを体験できます。
あらすじ

20世紀後半、君主国家Z国は宿敵R国との激しい紛争の最中にありました。
そんな中、R国のミサイル基地に新型兵器が配備されるという戦局を左右する重大な情報を入手します。
その基地は地形を活かした難攻不落の要塞。陸路での接近は不可能に近く、狭い渓谷を飛行して突破するしかありません。
しかも天候は急変しやすく、通常のパイロットでは到底辿り着けない危険地帯でした。
任務を託されたのは、Z国の精鋭――空軍特殊作戦部隊フェニックス。
彼らは“不可能”を覆すための大胆な作戦を実行し、見事に基地の破壊に成功します。
しかし、帰還したのはわずか4機。もう1機は消息を絶ち、行方不明となってしまったのです。
敵の攻撃か、事故か、あるいは裏切りか?
すぐさま調査委員会が開かれ、残された4人のパイロットは報告書の提出を求められます。
仲間を失った悲しみと疑念を抱えながら、彼らは真相を暴くべく議論を始めるのでした――。
登場人物紹介
消息不明となったパイロットと、ともに作戦を遂行していたパイロット4名についてご紹介します。
消息不明のパイロット:エコー(男性)

- 表情の筋肉が固まってしまった生真面目な男
- 訓練所時代から成績はいつもトップ
- 共感性に乏しく正論を言って嫌われることが多い
- 一人称は「自分」
甘いマスクの頼れるリーダー:アルファ(男性)

- 空軍特殊作戦部隊フェニックスのリーダー
- 人柄が良く温和でメンバーの意見をよく聞いてまとめるタイプ
- 周りからの好感度は高い
- 立場的に社交の場に顔を出すことも多い
- 休日は1人で静かに過ごすのが好き
- エコーとは訓練所時代の同期でトップ争いをしてきた良きライバルだった
- 一人称は「私」
凛とした雰囲気を持つ魅力的な女性:ブラボー(女性)

- 鋭い目つきと凛とした佇まいから一見近寄りがたい雰囲気
- 実際は仲間思いで面倒見が良い
- トレーニングに打ち込むストイックな姿はチームの模範とされている
- 趣味でアロマオイルを集めて楽しんでいる一面もある
- エコーとはなにかと馬が合うようだ
- 一人称は「私」
テンガロンハットが似合う陽気なナイスガイ:チャーリー(男性)

- 黙っていればいい男
- しゃべるとどこまで冗談でどこから本気なのか掴めない
- キザなセリフも難なく使いこなしファンも多い
- 休日は小型機でアクロバット飛行を楽しむ
- 根っからの飛行機好き
- なんとかエコーを笑わせようとよく絡みに行くが相手にされていない様子
- 一人称は「俺」
元気で活動的なやんちゃ坊主:デルタ(男性)

- 性格的にはちょっとずぼらで大雑把なところがある
- 無鉄砲なのか度胸が据わっているのかどんな困難な任務にも臆せず立ち向かう
- ワイワイ騒ぐのが好きでパーティーには率先して出かけるタイプ
- 真面目なエコーとはそりが合わないのか犬猿の仲である
- 一人称は「俺」
遊び方/ルール
- ゲームの準備
- 共通資料の読み込み/キャラクターの決定(15分)
- キャラクター設定書の読み込み
- 第1フェイズ:全体会議(10分)
- 第2フェイズ:調査/密談/全体会議(10分)
- 第3フェイズ:調査/密談/全体会議(15分)
- 第4フェイズ:調査/全体会議(15分)
- 報告書シート記入(投票)フェイズ(5分)
- エンディング(10分)
本作は、戦闘機の飛行ルートMAP(作戦の計画書)から、消息を絶った仲間の行方を探るユニークなシステムがあります。
作戦時、5名のパイロットたちが各自辿ったルートや互いの目撃情報をもとに、実際のMAPで辿りながら失踪事件の真相に迫ります。
また、マーダーミステリーミニシリーズとしては珍しく、本作には密談があります。プレイの際は密談ができるようなスペースを確保しておくことをおすすめします。
それでは、上記のフェイズについて、詳細を解説していきます。
ゲームの準備
テーブルのセッティングと物語のあらすじの読み上げを行います。
- テーブルにカードを1枚ずつ裏向きのまま並る
- ルールブックの「あらすじ」を代表者1名が読み上げる
共通資料の読み込み/キャラクターの決定(15分)
以下の資料を全プレイヤーに公開し、1人のプレイヤーが内容を読み上げるなどして確認します。
- 共通資料
- 飛行ルートMAP(計画書)
※このフェイズで具体的なMAPの使い方を全員で確認します。どのようなマップなのかは、シナリオをプレイしてあなたの目で確かめてみてください!
その後、4名のキャラクターの設定書から、担当キャラクターを決定します。
キャラクター選択後、各プレイヤーは選んだキャラクターの設定書、ネームプレートと報告書シートを受け取りましょう。


キャラクター設定書の読み込み
自身のキャラクター設定書と報告書シートの中を黙読します。
この時間は10分が目安ですが、もう少しかかりそうなら延ばしてもかまいません。
全員が読み終わったら、各プレイヤーは自身の設定書の公開情報を読み上げ、自己紹介を行いましょう。
第1フェイズ:全体会議(10分)
調査委員会の開始です。
マップや自身の設定書を見ながら、プレイヤー同士自由に意見を交わしましょう。
また、キャラクターの色に対応するキューブを使い、キャラクターがどの時間どこにいたのかを、マップ上で示すことができます。嘘をつくのも自由です。
このフェイズでは、密談をすることはできません。

第2フェイズ:調査/密談/全体会議(10分)
解析結果が届き、【解析結果A 機体】の資料を全体公開します。

その後、このフェイズでは、以下を実施します。
- 調査カードを好きなタイミングで1人2枚取得
- 密談OK(密談は2人まで、調査カードを相手だけに開示・カードの譲渡交換が可能)
- 全体会議OK(カードの全体公開・公開されているカードの譲渡交換が可能)
- 自分の名前が書かれたカードは取得できない
- 裏面が同じ名前のカードを何枚取得してもOK
- 番号が書かれているカードも取得順など気にせず好きな番号のものを獲得してOK
第3フェイズ:調査/密談/全体会議(15分)
新たに解析結果が届き、【解析結果B フライトデータレコーダー】の資料を全体公開します。

第2フェイズと同様に調査(2枚)、密談、全体会議を行います。
第4フェイズ:調査/全体会議(15分)
新たに解析結果が届き、【解析結果C 気象】の資料を全体公開します。

その後、このフェイズでは調査(2枚)、全体会議を行います。密談はできません。
報告書シート記入(投票)フェイズ(5分)
自分のキャラクター名が表紙に記された報告書シートに、以下の3つから今回の真相と思われるものを記入します。
- 事故
- 亡命した
- 攻撃された(敵機、敵砲台または攻撃した人物名を記入)
この間、各プレイヤーは相談やジェスチャーを行ってはいけません。
2対2の同票または全員違う結論になった場合、報告内容によらず調査委員会は事故として国に報告します。
報告書シートは他人に見られないようにご注意ください。
その他記入する箇所があるキャラクターは、その項目を記入しましょう。
エンディング(10分)
全員の報告書シートの記入が終わったら、エンディングブックを開き、該当の箇所を読み上げましょう。
マーダーミステリーのいちばんの目標は、プレイヤー全員で物語体験を楽しむことです。
誰もが他者を傷つけることがないよう配慮の上、自分たちだけの物語をつくりあげ、感想戦で秘密の暴露や互いの健闘を称え盛り上がりましょう!
評価と感想
わたしが本シナリオを遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
飛行ルートマップを駆使して仲間を追う、非日常のパイロット体験!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐☆☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐☆☆☆ |
本作の大きな魅力は、作戦時の飛行経路計画書をもとに捜索を進めていくという独自の仕掛けにあります。
仲間がいつ・どこで・何をしていたのかを口頭だけで共有するのではなく、MAP上でコマを動かしながら可視化することで、議論が非常にスムーズに展開できるのが印象的でした。
視覚的に整理できることで情報の把握もしやすく、まさに“パイロット同士のブリーフィング”をしているかのような臨場感を味わえます。
一方で、推理導線にやや弱さを感じる部分もありますが、それ以上に凄腕パイロットとして敵陣襲撃作戦に臨む没入感は秀逸。
非日常的な緊張感とワクワクを同時に体験できるユニークな作品です。
完全初心者よりは、いくつかシナリオを経験しているプレイヤーにこそおすすめしたい一作!
世界観にのめり込み、仲間とともに空を駆けるような感覚をぜひ楽しんでみてください☺︎
難易度
難易度は『やや難しめ』です。
キャラクター設定書自体はコンパクトですが、特殊なマップによる捜査システムがあるため、やや複雑に感じるかもしれません。
感想
全員パイロット×マップシステムで体験する希少なマダミス!
遊ぶ前は「飛行経路マップを使うルールって難しそう」と身構えていたのですが、いざやってみると意外とすんなり理解でき、むしろ情報交換がスムーズで驚きました。
自分たちの行動を図解しながら共有できるので、口頭で説明するよりもずっと分かりやすく、議論が快適に進むのがすごく良かったです。
この“行動パターンを見える化する仕組み”は新鮮で、今後ほかのシナリオでも採用されたら面白いな!と思わせてくれる画期的なポイントでした。
また、全員が精鋭パイロットという設定も珍しく、戦闘機に乗っている自分を想像しながら没入できるのが魅力◎
かなり特殊で新しいミステリー体験ができて、プレイ後には爽快感と新鮮さが残る作品でした。
まとめ
パッケージ型マーダーミステリー『ミッシングファイター』について、レビューしました。
敵の襲撃作戦中に失踪した仲間を、飛行経路の地図から捜索するかなり特殊なミステリーでした!
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