
60年前の日本が舞台!
モダンな図書館と不気味な奇書のマーダーミステリー!!
今回はグループSNE×cosaicより発売されているパッケージ型マーダーミステリー『罪と罰の図書館』について、ネタバレなしでレビューしていきます!
本作のあらすじや遊び方、登場キャラクター、感想や評価についてご紹介していますので、これから遊ぶ予定のあなたの参考になれたら幸いです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 5〜6人(GM不要) |
| プレイ時間 | 150分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2022月10月29日 |
| デザイナー | 河端ジュン一 |
| サイズ | 27 x 19 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『罪と罰の図書館』は、グループSNE×cosaicの大人気マダミスシリーズである”MYSTERY PARTY IN THE BOX SERIES”のひとつで、60年前の日本を舞台とした本格ミステリー作品です!
このシナリオでは、キャラクターの目標が選択式になっており、自分の調査の進捗度合いでどのように勝利点を獲得するのかを選べるようになっています。斬新なゲームシステム!!
オフライン・GMなしで楽しめ、本シナリオを5人で遊ぶ場合は1人NPCを設定します。(NPC設定カードが同梱されています)
あらすじ
1960年代末の日本を舞台にしたシナリオです。
かつて”現代薬学の父”と呼ばれた薬学者であった館長が、3年前に図書館を開館します。
その図書館には、「読むと死ぬ奇書」が秘蔵されていると噂されていました。
図書館が開館三周年を迎えた記念の日に、事件が起こります。
なんと、鍵のかかった密室で館長のヒムラが遺体となって発見されてしまったのです!
館長の胸にはなぜかドストエフスキー著『罪と罰』が抱えられていました。
これは自殺か、それとも他殺か、なぜ『罪と罰』を抱いたまま亡くなったのか、、、
この物語の結末は、一体どこへ向かうのでしょうか?
登場人物紹介
記念すべき図書館開館三周年の日に被害者となってしまった館長と、謎多き図書館を訪れていた6名の容疑者をご紹介しましょう。
被害者:ヒムラ(男性/50歳)

- 館長
- かつて”現代薬学の父”と呼ばれた天才薬学者
- 3年前に体調不良により研究者を引退
- 自らの蔵書を活用して図書館を開館
女学生(女性/21歳)

- 薄茶色の知的な瞳が印象的
- 図書館によく訪れる
司書長(男性/25歳)

- 司書たちの統括を務める青年
- 勉強家で機転が利く
修道女(女性/26歳)

- おだやかな物腰の聖職者
- 館長に寄付を募りに頻繁に来館している
女医(女性/41歳)

- 近くの病院に勤める内科医
- 仕事上の調べもののため図書館には初めて来館
記者(男性/46歳)

- 古今東西のさまざまな事件を取り上げる新聞記者
- 図書館は開館記念を祝した取材のため初めての来館
小説家(男性/50歳)

- 近くに住む鋭い目つきの作家
- ネタ探しのために初めてこの図書館を訪れた
遊び方/ルール
- オープニングフェイズ
- 第1調査フェイズ(20分)
- 第1共有フェイズ(1人1分ずつ)
- 第1推理フェイズ(5分)
- 勝利点選択フェイズ(3分)
- 第2調査フェイズ(25分)
- 第2共有フェイズ(1人1分ずつ)
- 第2推理フェイズ(10分)
- 投票フェイズ
- アクションフェイズ
- エンディングフェイズ
本作の大きな特徴は、目標(勝利点)の選択フェイズが途中で行われるところです。
他のマダミスでは、ハンドアウトにそのキャラクターの目標が記載されていることがほとんどです。
しかし、このシナリオでは各キャラクターの目標がカードになっており、第1推理フェイズが終わった段階で各プレイヤーは目標カードを取捨選択します。
物語の進行状況や自身の調査の進捗を鑑みて、途中で方針転換できるのはとても斬新ですよね!
また、本作は密談があります。何組か内緒話ができるほどの空間にゆとりをもったうえで遊びましょう。
オープニングフェイズ(10分~)
オープニングフェイズでは、下記を実施します。
- 物語の背景を読み上げる
- 各キャラクターの担当決めと登場人物になりきった自己紹介
- ルールブックを基にゲームフィールドをセッティング
- 各種カードやトークンの扱い方や”嘘”の可否などのルールを参加者全員で確認
第1調査フェイズ(20分)

第1調査フェイズでは、事件の調査や各々の目的を遂行するため、下記を行うことが可能です。
- 調査トークンを使って調査カードを獲得
- 少人数(最大3名まで)の密談
第1共有フェイズ(1人1分ずつ)
全員着席してテーブルを囲み、現段階での各自の考えや求めている情報などを1人あたり1分程度で話します。
第1推理フェイズ(5分)
全員で推理や議論を行います。
勝利点選択フェイズ(3分)
各キャラクターの勝利点カード(目標が書かれているカード)を1枚破棄します。
残りのカードが自分の加点&減点要素となります。
第2調査フェイズ(25分)

調査トークンが再度配布され、第1調査フェイズと同様に調査を行います。
第2共有フェイズ(1人1分)
全員着席してテーブルを囲み、各自の考えや推理を1人あたり1分程度で話します。
第2推理フェイズ(10分)
全員で推理や議論を行います。
投票フェイズ
全員一斉に犯人だと思う人に指をさします。
最も得票数の多かった人が犯人として拘束されます。
犯人がいないと思う場合は、頭上を指さします。
※拘束された人はアクションフェイズで行動することができません。
アクションフェイズ
調査カードの中に”アクション順”が記載されたカードがあるため、
それらを持っていれば順番にアクションを行うことができます。
エンディングフェイズ
物語の結末を読み、各キャラクターの得点計算へを行います。
最も得点が高かった人が勝利!ですが、物語を最も楽しんだ人が優勝です◎
評価と感想
わたしが本シナリオプレイ時の条件は、下記の通りです。
評価
自分の意志をキャラクターに反映できる!没入感の高いミステリー◎
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐☆☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
本作は1960年代の日本を舞台にしたマーダーミステリーで、アンティークな空気感と、どこか懐かしさを感じるリアリティのある世界観が魅力的なシナリオです。
特筆すべきは、プレイヤーがキャラクターの目標を自分で選べるという点。
これにより、キャラクターの背景や動機に縛られすぎることなく、“自分がこのキャラクターだったらどう動くか”を自由に演出できるのが大きな強みです。
結果として、世界観に対する没入感が深まり、物語体験そのものがよりパーソナルなものになります。
また、ロールプレイを楽しむ設計がしっかりなされているため、マダミス初心者にも優しく、経験者には自由度の高さが新鮮に映るはず!
推理だけでなく「ストーリーの中で生きる」ことができる、物語志向派にもおすすめしたい一作です。
難易度
難易度は『低め』です!
キャラクター設定書の情報量は少なくもなく多くもない「普通」程度。
全員初めてのマダミスという場合でも大方問題なく進行できそうな印象です。
“GMなしでプレイ可”というだけのことがあり、GMなしでも事故が起こることなく、スムーズに遊ぶことができました◎
感想
キャラクターの目標を選べる自由度が魅力!自分の考えが投影されるミステリー体験◎
キャラクターごとに目標を取捨選択できるというシステムがとてもユニークで、自分の意思で「どう動くか」を決められる点がすごく面白かったです!
物語に対する没入感が深まり、ただ演じるのではなく「自分ごと」により近い形で体験できました。
舞台も、現代と地続きのような世界観だったこともあり、キャラクターの思考や感情に自然に寄り添える感じがありました。
無理に作り込まなくてもスッと感情移入できるシナリオってなかなか無いので貴重な体験になります◎
物語と論理に忠実な“王道ミステリー”として楽しめる、新鮮なシナリオでした。
まとめ
今回はマーダーミステリー『罪と罰の図書館』についてレビューしました。
初心者・経験者関係なく楽しめる、本格的なミステリーでキャラクターの目標が選択制なのが斬新でキャラクターとプレイヤーがよりシンクロできるシナリオでした◎
当ブログでは、人数別に他にも多くのおすすめシナリオをレビューしています。
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