
舞台はクライマックスを迎えるはずだった――。
千秋楽前夜を襲う!悲劇のマーダーミステリー!!
今回はグループSNE×cosaicのマーダーミステリー『最期のソワレ』について、レビューします。
本作のあらすじや遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想・評価についてもご紹介しますので、現在このシナリオが気になっているあなたの参考になれば幸いです◎
シナリオ概要
| プレイ人数 | 5人(GM不要) |
| プレイ時間 | 60分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/8/4 |
| デザイナー | 秋口ぎぐる |
| サイズ | 16 x 11 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『最期のソワレ』は、グループSNEとcosaicによるMurder Mystery Miniシリーズのシナリオのひとつです。
千秋楽前日、主演を務める舞台女優が死亡してしまいますが、半年前にも同様に主演女優が亡くなる事件が発生しており、2つの事件の関連性と真相を解明するマダミスです。
本シナリオはオフラインプレイ、なおかつGMなしでプレイすることができます。
あらすじ

演劇「最後のソワレ」は、気鋭の脚本家による渾身の作品として異例のロングランを続けてきました。
しかし、その最終公演前夜、主演女優・桃谷あさみがステージ上方のキャットウォークから転落死するという衝撃の事件が発生します。
半年前に同じ場所で命を落とした女優・天王寺真子の死を連想させ、現場は騒然。
真子は当初この舞台の主演を務めるはずだった人物であり、代役として抜擢されたあさみに対しては、当初から様々な憶測と噂が渦巻いていました。
本来であればすぐさま警察に通報すべき状況でしたが、「千秋楽だけは無事に終えたい」と願う関係者たちは、あさみの遺体を一時的に隠し、幕を開ける決断を下します。
しかし、その矢先に一枚のメモが発見されます。
「もうひとり殺す 11時、ステージで」
——それは、開演時間を告げる不気味な予告でした。
この劇場の中に、殺意を抱く者がいる。
舞台の幕は果たして、悲劇か、それとも真実を暴くために開くのか。
演じる者たちと共に、観る者さえも試される、緊迫のミステリーがいま始まります。
登場人物紹介
本作品に登場する主な人物5名を紹介します。
ふくしまきいち(27歳/男性)

- 舞台演劇を手掛けた脚本家
- 殺された桃谷あさみの夫
大正俊介(46歳/男性)

- 劇場支配人・舞台演劇のプロデューサー
- 死体の第一発見者
西久丈(36歳/男性)

- 舞台の演出家
- 大正俊介とは何度も一緒に仕事をしてきたこだわりの職人
京橋ユリ(22歳/女性)

- 元アイドルの新人女優
- 端役だが全登場人物のセリフを覚えている
野田光(29歳/女性)

- 桃谷あさみと京橋ユリのマネージャー
- 半年前に死んだ天王寺真子も同じ事務所の所属だったが担当ではなかった
遊び方/ルール
- 準備
- キャラクターの決定
- オープニングフェイズ
- 第1~第6議論フェイズ(各5分)
- 投票フェイズ
- エンディングフェイズ
本作品は、合計6回の「議論フェイズ」を重ねて事件の真相を突き止めるシナリオです。
各キャラクターの持ち物カードを各議論フェイズ2~3枚開示し、その情報を基に全体で話し合いを行います。
少人数で秘密裏に会話する”密談”はありません。ルールの詳細については、後述でご説明します。
準備
「ルールブック」を開き、「物語の背景」を代表プレイヤーが読み上げます。

キャラクターの決定
任意、あるいはランダムで、先述の「登場人物紹介」にある5名の中から、担当するキャラクターを決定します。
担当キャラクター決定後、各プレイヤーは自分の設定書カードと荷物カードをすべて受け取り、内容によく目を通します。
設定書カードは手に持ち、荷物カードは自分の前に伏せて置きます。

オープニングフェイズ
各キャラクターの設定書カードの「公開情報」をもとに、適当な順に自己紹介を行います。
議論フェイズ(各5分)
第1議論フェイズ
大正俊介担当のプレイヤーは、自分の荷物カード1枚を選んで内容を読み上げ、公開します。
さらに自分が怪しいと思う2人を指名します。
指名された2人はそれぞれ自分のカード1枚を選んで同時に公開し、適当な順番で読み上げます。
カード公開後、5分間真相について全員で議論します。嘘を含めてどのように発言しても構いません。
第2~第6議論フェイズ
前の議論フェイズで指名された2人は30秒以内で相談し、それぞれ自分が怪しいと思う相手を1人ずつ指名します。
この際、同じ相手を指名しても構いません。
新たに指名された2人はそれぞれ自分のカード1枚を選んで同時に公開し、内容を読み上げます。
1人だけが指名された場合、そのプレイヤーは2枚のカードを公開し、次の議論フェイズで2人を指名します。
カード公開後、5分間真相について全員で議論します。
※第6議論フェイズ終了後、公開されない荷物カードは2枚です。公開されないこの2枚のカードは、ゲーム終了までだれの目にも触れません。
投票フェイズ
適当なプレイヤーから時計回りに「自分の推理」を1分以内で話します。
その後、「桃谷あさみを殺害した」と思われる相手に全員で一斉に投票し、最多票を集めたキャラクターは拘束されます。
最多票を集めた者が複数いた場合はそれらのキャラクターだけを対象に決選投票を行います。
それでも票が割れた場合はプロデューサーの大正俊介が決定します。
エンディングフェイズ
適当なプレイヤーがエンディングブックを読み上げます。
その後、エンディングブックに指定された順に秘密の公表と勝利点の確認を行います。
評価と感想
わたしがシナリオを遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
シンプルな構成で初心者にもやさしい!短時間で楽しめる王道マーダーミステリー◎
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐☆☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐☆☆☆ | ⭐⭐☆☆☆ |
本作は、同シリーズの『死体と温泉』と同様、カードをめくって議論を進める分かりやすいルール構成が採用されており、マダミス初心者でも安心して楽しめる設計になっています。
全体のプレイ時間もおよそ60分とコンパクトながら推理の醍醐味はしっかりと詰まっていて、ちょっと気軽に遊びたい時や、マダミス初挑戦のプレイヤーを誘ってみたい時にぴったりの一作です。
スムーズに進行できるバランス感も好印象ですが、数々のマダミスを経験してきた猛者にとっては、やや物足りなさを感じる可能性も。
あくまで“入口としての一作”という位置づけで臨むと、より楽しくプレイできるはずです。
難易度
難易度は「やさしめ」です。
ルールも構成もシンプルなシナリオで、キャラクター設定書やカードのテキスト量はそれほど多くない印象です。
感想
マダミス入門にぴったり!短時間で世界観に没入できるシンプル良作◎
5PL専用の初心者向けマーダーミステリーとして、わたしの中ではかなりおすすめ度の高い一本になりました。
どちらかというと“推理ゴリゴリ”というよりも、物語の雰囲気やキャラクターの心理戦を楽しむタイプの作品で、全体的にテンポもよく、世界観にスッと入っていけるのが魅力です。
キャラクター構成もバランスが取れており、「囚人のジレンマ」がうまく働くように設計されていて、マダミスとしての駆け引きの面白さもきちんと味わえました!
わたしたちの卓では、全員が10作以上の経験者ということもあり、正直“もう一声ほしい”気持ちもありましたが、それでもプレイ中は大盛り上がり。
シンプルゆえに、逆に白熱できる場面も多く、あっという間の1時間でした。
マダミスに興味はあるけど、何から始めれば?というあなたにこそ、まず遊んでほしい一作です!
まとめ
今回はマーダーミステリーミニシリーズのひとつ『最期のソワレ』についてレビューしました。
簡単なルールで世界観を楽しめる、マダミス初心者におすすめの王道ミステリー物語でした。
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