
雨の幽霊屋敷で、あなたは真実と遭遇する――。
恐怖と謎が交錯する、極上のホラーミステリー!
グループSNE&cosaicのパッケージ型マーダーミステリー『澪家』について、レビューします。
物語のあらすじ、遊び方・ルール、登場キャラクター、ネタバレなしの感想・評価についてもご紹介します!
いま現在、このシナリオが気になっているあなたは、ぜひ参考にしてみてくださいね◎
シナリオ概要

プレイ人数 | 5-6人(GM不要) |
プレイ時間 | 180分 |
プレイ環境 | オフライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2025/1/31 |
デザイナー | 安田均/こあらだまり |
箱サイズ (長さ×幅×厚さ) | 27 x 19 x 3 cm |
版元 | グループSNE/cosaic |
『澪家』は、MYSTERY PARTY IN THE BOX SERIESのひとつで、アメリカにある“雨の幽霊屋敷”を探索する本格ホラーミステリーです!
本作は『焚家』と同じ世界観を共有しながらも独立した姉妹作品で、より強化された「恐怖」と「謎解き」が交差するオカルト体験が堪能できます。
GM不要&オフライン環境でプレイ可能という手軽さに加え、スリル満点のホラー体験が魅力。
5人または6人でのプレイに対応しており、5人プレイ時にはあらかじめ指定されたキャラクターをNPCとして設定することで、物語の没入感も損なわずに楽しめます◎
関連作品一覧
関連作品として、世界観を同じくする姉妹シナリオがあります。
あらすじ

アメリカの片田舎に佇む、ひとつの廃墟。
そこはいつしか“雨の幽霊屋敷”と呼ばれるようになっていた。
10年以上も前に閉鎖され、朽ち果てたまま放置されていたその屋敷には、「雨の日に訪れると幽霊に出会う」という不気味な噂があった。
そんなある雨の日、6人の男女が屋敷に集まる。
ただの一夜の雨宿りのつもりだった——。
しかし翌朝、閉ざされた中庭で彼らはひとりの女性の遺体を発見する。
登場人物紹介
物語の登場キャラクター、男女6名についてご紹介します。
霊媒少女(16歳/女性)

- 街のクラブやバーに現れる占い師の少女
- ダンサーの友人が行方不明になり捜している
- 長い髪をラフにまとめ若者らしい服装
- 護符やお守りのようなアクセサリーをいくつも身に着けている
女子大生(21歳/女性)

- 都会の大学に通う女子大生
- 恋人の【青年】と共に館にやってきた
- 旅行中の事故で車が館に突っ込んでしまった
- 服装は若者らしくお洒落なものだがメイクも髪も乱れている
- どこかにぶつけたのか額に大きな傷があり痛そうにしている
青年(22歳/男性)

- 車の事故に遭い館に助けを求めて逃げ込んだ男性
- 【女子大生】の恋人であり2人でドライブ旅行中だった
- 派手な服装でちょっとイキっている感じ
- 背も高くいわゆるイケメン
- 【女子大生】と並べば美男美女の理想的なカップル
都市伝説ライター(46歳/男性)

- この館の幽霊話を取材にやって来た都市伝説ライター
- 取材許可は取っていないらしい
- 大柄でたくましい体つきの強面
- いかにもカタギではない雰囲気が漂っている
孤児(8歳~9歳?/男性)

- 館の一角で眠っていた少年
- この孤児院で暮らしていると言うが幽霊屋敷が孤児院だったのは10年以上前
- おどおどした態度で不安そうな様子
- 体の発育も悪く痩せている
- 体のあちこちに隠れるように古い傷跡がある
白衣の老人(70歳前後/男性)

- 自称・天才科学者レナード·ヘンプシャー
- 館に住み着いている老人
- 時折この館を怖いもの見たさで訪れる人間を脅して帰しているらしい
- 白衣は薄汚れぼさぼさの髭を生やしている
- 浮浪者と見間違えてしまいそうだが瞳は知性と狂気でギラギラしている
遊び方/ルール
- ゲームの準備
- ストーリーの読み上げ
- 担当キャラクターの決定
- 設定書の読み込み(15分)
- 自己紹介
- パート1調査ラウンド(20分×3ラウンド)
- パート2調査ラウンド(18分×4ラウンド)
- 投票フェイズ(5分)
- 脱出フェイズ(3分)
- アクションフェイズ
- エンディングフェイズ
本シナリオ最大の魅力は、”屋敷内の探索”です。
調査ラウンドでは、大きく分けて次の流れで進行します。
館のマップを参考に行先(部屋)を決め、探索や密談した内容を基に全体で情報共有を行う流れです。
密談については、マップ上の探索する部屋ごとで行うため、お互いに密談の内容が聞こえないほどの十分なスペースで遊びましょう。
それでは、各フェイズについて詳細を解説します。
ゲームの準備
本ゲームを遊ぶ際に必要なものは、以下の通りです。
- 時間経過がわかるもの(タイマー・時計など)
- 筆記用具(カードに記入するため必要)
次の通りに、パッケージの内容物をセッティングします。
- 館の地図をパート1の面を上にテーブル中央に置く
- 「パート1用カード」の束を配置図の通りに中身を見ずに並べる
※部屋カードはアルファベットのみが書かれたカードが山の一番上になるように置く



ストーリーの読み上げ
代表者1名が、ルールブックの「ストーリー」を読み上げます。
担当キャラクターの決定
各キャラクター設定書の表紙「公開情報」をもとに、全員で相談して担当するキャラクターを決定します。
5人プレイの場合、「NPCカード①②」を取り出して、NPCとなるキャラクターを確認します。
NPCとなったキャラクターの設定書はゲーム終了まで使わないため、中身を読まずに箱の中にしまっておきましょう。

設定書の読み込み(15分)
自分の担当キャラクターの設定書を受け取り、読み込みます。
設定書には、途中で「STOP!」と書かれているページがあります。それ以降は、指示があるまで読まないでください。
時間が足りない場合は延長してもかまいません。
全員が読み終わったら、時間を切り上げて次のフェイズに進んでもOKです。
自己紹介
担当するキャラクターの自己紹介を行います。
誰がどのキャラクターを担当するかを確認し、設定書の表紙の「公開情報」の内容を共有しておきます。
パート1調査ラウンド(20分×3ラウンド)
“雨の幽霊屋敷”の調査を行い、事件解決の手がかりを探します。
まず、全員で下記2点を確認します。
- 館の地図(パート1:南棟)
- 「鉄の扉」の部屋カード
確認できたら、いよいよパート1調査ラウンドの開始です!
パート1は全部で3ラウンドあり、次の1~4の流れで進行します。
- 行き先の相談と準備(4分)
- 行先の決定
- 探索と密談(6分)
- 人間観察と情報共有(10分)
1:行き先の相談と準備(4分)
「パート1の館の地図」を参照し、調査したい場所をみんなで相談します。
部屋には”a”~”i”までアルファベットが振られており、そこを探索することができます。探索に人数制限はありません。
5人プレイの場合、NPCが誰に同行するかはここで話し合って決めておきましょう。
2:行先の決定
全員が一斉に、マップの探索したい部屋を指さします。
「行き先の相談と準備」にて合意した通りに行ってもかまいませんし、約束を破って他の部屋に行ってもかまいません。
ここで指さした部屋が、各キャラクターが探索する場所の”最終決定”となります。
3:探索と密談(6分)
決定した行先で、探索や密談を行います。
同じ部屋を指定したキャラクター同士は、一緒に行動していることになります。
探索先の部屋に対応するアルファベットの部屋カードの山を上から順番に確認・処理していきます。
探索できる部屋は特に指定のない限り1つです。
また、同じ部屋を探索している者同士は自由に密談を行うことができます。ただし、3人で探索しているところから1人を追い出すなどはできません。
- 探索する部屋のカードの束から一番上のカードのオモテ面を確認
※どんな部屋で何が起こるかが書かれているため、その部屋を初めて訪れたときは必ずこのカードをめくること! - イベント(「!」の書かれたカード)があった場合はカードの指示に従う
- カード確認後はオモテ向きにして場に残す
※以降プレイヤー全員の共有情報となる
- 部屋カードの確認手順完了後に部屋にある全てのカードのウラ面を確認
- 獲得に条件がないカード(”自動獲得”とあるカード)をめくって確認
※部屋の同行者全員がカードオモテ面の情報を共有 - 獲得に条件のあるカードは条件を満たしているキャラクターのみが確認・獲得可能
※条件付きのカードを同じ部屋にいる他のキャラクターに見せるかは任意
※複数キャラクターが獲得条件満たす場合は該当する全員がカードを確認できる - 条件に合わず獲得できなかった情報カードはその場に残る
一度探索された部屋について、情報カードの獲得条件(ウラ面)はその後全体公開となります。
なお、ゲーム中「捨て札にする」と書かれたカードがあった場合は、内容を確認して処理を行った後、ゲームから除外して箱に戻しましょう。
また、館を探索中に「ダメージを受ける」と指示される場合があります。これは、肉体の負傷や消耗、精神的なショックなどです。
ダメージを受けたキャラクターは、次の処理手順に従いましょう。
- キャラクターの「黒いカード」のチェックボックスに指定された分だけ印を入れる
- 累計で3ダメージになった場合は「黒いカード」を受け取る
- 以降はカード表面の指示に従う

- 同じ場所にいるキャラクター同士でいつでもやり取り可能(探索·全体の情報共有·密談時)
- 手札の交換·譲渡が行えるのは「投票フェイズ」の話し合いまで
探索と密談を終えたら、プレイヤーは席に戻ります。これは、全員で情報共有を行うホール(集合場所)に戻ったことを表します。
早めに探索が終わった場合、ホールに戻ったキャラクター同士で会話してOKです。
6分が経過するか、全員が席に戻ったら、次のフェイズに進みます。
4:人間観察と情報共有(10分)
人間観察と情報共有を行います。
- キャラクター情報カードを1枚選択して手札に加える
- カードの獲得は一斉に行う
- このカードで得られるのは視覚・聴覚などの情報のみ(アイテム獲得はない)
- 自分の情報カードは獲得NG
※どうしても他に選択肢がない場合のみ自分の情報カードを手札に加えてもOK
人間観察を実行後、自由にキャラクター同士で情報共有を行います。
誰かとさらに個別に密談をしたい場合、このフェイズ中に手をあげて、相手の同意があれば抜け出して話をしてもかまいません。
人数の上限はありませんが、密談グループが複数できる場合、誰か1人で孤立することにならないよう分かれましょう。
情報共有終了後、次のラウンドに進み、計3ラウンドが経過したら、次のフェイズへ進行します。
パート2調査ラウンド(18分×4ラウンド)
ルールブックの指示に従い、パート2調査ラウンドの準備を進めます。
準備完了後、いよいよパート2調査ラウンドの始まりです!
パート2は全部で4ラウンドあり、次の1~4の流れで進行します。
- 行き先の相談と準備(4分)
- 行先の決定
- 探索と密談(6分)
- 情報共有(8分)
大筋のルールはパート1と同様ですが、「人間観察」がなく1ラウンドあたりの時間が短いことに注意しましょう。
4ラウンドが経過したら、次のフェイズに移ります。(以降はクライマックスブックをもとにゲームが進行します。)
投票フェイズ(5分)
クライマックスブックをもとに、投票を行います。
脱出フェイズ(3分)
クライマックスブックをもとに、脱出フェイズを進めます。
アクションフェイズ
クライマックスブックをもとに、アクションフェイズを行います。
エンディングフェイズ
クライマックスブックを辿り、物語の結末を迎えたらゲームは終了です。
各キャラクターの得点計算をして、最も高得点のプレイヤーが勝者となります。
とはいえ、本作の最大の魅力は「物語を全員で楽しむこと」!勝敗はあくまで一要素にすぎません。
キャラクターになりきり、物語の世界を存分に味わいましょう。
各自の設定書やカード・シートを眺めながら物語を振り返り、キャラクターごとのゲーム中の思惑や動きなどを明かし合うなど、感想戦でゆっくりと余韻を語り合うのがおすすめです。
評価と感想
わたしがシナリオをプレイした際の条件は、下記の通りです。
評価
推理・ロールプレイ・世界観・エモ、どれをとっても最高のホラーミステリー!!
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
本作は、推理、ロールプレイ、世界観、そしてエモーショナルな展開のすべてにおいて、非常に高い完成度を誇るホラー系マーダーミステリーです◎
特に部屋探索における“何が起こるか分からない”不確実性は、プレイヤーに常に緊張感を与え、キャラクターの不安や恐怖がひしひしと伝わってきます。
「無事に生きて帰れるのか?」「犯人を突き止められるのか?」――。
そんな緊張と葛藤の中、プレイヤーの行動がエンディングに直結する設計は、ドラマ性と戦略性のバランスも見事!
情報量が多く、限られた議論時間の中で真相に迫っていく展開は、まさに“ヒリつく”本格派ミステリーでした。
ある程度マダミス経験者が集まれば、GMなしでも問題なく進行可能ですが、ルールがやや複雑なため、初心者がいる場合はGMが居る方が安心して楽しめるかもしれません。
恐怖と推理のスリルを味わいたいあなたに、ぜひおすすめしたい一作です。
難易度
難易度は『やや高め』です。
キャラクターごとの設定書のボリュームは、多くもなく少なくもありません。ただ、場にあるカードなどの情報量としては多い印象でした。
ルール・ゲームシステムはやや複雑で、マダミス初心者がいる場合はGMを立てた方が安心して楽しめると思います。
感想
極上の恐怖と緊張が交錯する、至高のホラーマダミス!
ホラーシナリオならではですね、まさに心拍数が上がるシナリオでした、、、!
ゲーム進行中のキャラクターの選択が如実にエンディングに反映されるところも魅力でしたが、キャラクターごとにエンディングが用意されているのも素晴らしかったです◎
それぞれの「その後」が語られることで、キャラクター個人に対する”エモ”がさらに深まりました。
また、『焚家』と同じ世界線に位置するとのことですが、完全に独立した作品!前作を知らなくてもまったく問題なし!!
どちらも遊びたい場合、本作との通過順についても、わたし個人としては特にこだわらなくても同じように楽しめるんじゃないかな?と思います。
ホラーのスリルも、推理のカタルシスも、キャラの余韻まで!たっぷり味わえる大満足の作品でした☺︎
まとめ
グループSNE&cosaicのパッケージ型マーダーミステリー『澪家』について、レビューしました。
何が起こるか分からない屋敷の探索、そして、クライマックスにかけての盛り上がりが最高のホラーミステリーでした!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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