これさえあれば早速”マーダーミステリー”を遊べる!
グループSNE×cosaicによるマダミス入門セットが登場!!
今回はグループSNE×cosaicのマダミス入門セット『マーダーミステリー エントリーガイドBOX』について、レビューします。
本作の内容物や同梱シナリオについて、遊び方や登場キャラクターの紹介、ネタバレなしの感想・評価について解説しますので、これからマダミスを始めたい方の参考になれば幸いです!
『マーダーミステリーエントリーガイドBOX』ってどんなマダミス?
プレイ人数 | 4人(GM不要) |
プレイ時間 | 70分 |
プレイ環境 | オンライン/オフライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2023/7/31 |
デザイナー | 安田均、西岡拓哉、川人忠明 |
サイズ | 25 x 18 x 5 cm |
版元 | グループSNE/cosaic |
『マーダーミステリー エントリーガイドBOX』は、グループSNEとcosaicから発売されているマダミス入門のためのセットです。
マダミスに興味を持ち自分でも遊んでみたい!けどどうやって始めたら良いのかわからない、、、という方のため、書籍とゲーム(シナリオ)がセットになったスターターキットになります。
書籍には、ゲームの一般的な遊び方や歴史、有名なマダミスシナリオのレビューなどが書かれています。
また、4人プレイ、70分程度で遊べるオリジナルシナリオ「嵐とともに魔王は来たれり」が同梱されており、これからマダミスを始める方や初心者の方に寄り添ったボックスです。
このシナリオは、オンライン・オフラインどちらでもプレイ可能で、GMなしで遊ぶことができます。
※公式HPにて、ココフォリア、ユドナリウムですぐに遊べるZIPファイルが公式HPからダウンロードできるようになっています。オンラインセッションの際はGroup SNE製品情報サイトをご確認ください。
本記事では主にシナリオ「嵐とともに魔王は来たれり」について、ご紹介していきます!
あらすじ
猛烈な台風が近づくある日のこと――
小さな町のとある高校では、夏休みであるにもかかわらず、部活動や文化祭の準備などで多くの生徒たちが登校していました。
次第に風雨が激しくなり、20時を回った頃、「川が氾濫したため、まだ残っている者は校内に留まるように」と校内放送が流れました。
その少し後、突然校内放送から「助けて」という苦しげな声が聞こえてきたかと思うと、直後クラシックの歌唱曲が大音量で鳴り響いたのです。
校内に残っていた者たちは放送室に駆けつけ、ケーブルで絞殺された放送部部長の3年生である女子生徒の死体を発見します。
彼女には生徒や教職員、保護者などの弱みを握り脅しをかけているという黒い噂があり、陰では”魔王”と呼ばれ恐れられていました。
台風による暴風雨と川の氾濫のため、警察をはじめ誰も外から学校には来られず、また、誰も学校の外へ出られる状況ではありません。
つまり、現在校内にいる6人、、、この中に魔王を殺した犯人がいるはずです。
こうして、嵐で孤立した夜の学校にて、犯人捜しを始めたのでした。
登場人物紹介
暴風雨の中、学校に取り残されてしまった事件関係者6名をご紹介します。
※PC:プレイヤーキャラクター、NPC:ノンプレイヤーキャラクター
被害者:魔王(高校3年生/女子)
- 生徒や教師の弱みを握って恐喝しているという噂がある
- 放送室で通信用ケーブルで絞殺される
- 死体の首にはくっきりと絞殺痕が残っている
PC:放送部員(高校1年生/男子)
- 服装は塗料の付着したジャージ
- 右手に包帯を巻いている
- 学校には人手不足の演劇部の手伝い(文化祭で上演する劇の大道具製作)のため居残りしていた
- 去年の夏休みに本校から転校した2つ年上の姉がいる
PC:音楽部員(高校1年生/女子)
- 服装は制服
- 担当楽器はオーボエ
- 学校には自主練の為に居残りしていた
- 殺された”魔王”とは家が隣同士で仲が良かったが音楽部員が引っ越ししてからは疎遠に
PC:野球部員(高校2年生/男子)
- 服装はユニフォーム
- 親は地元の政治家
- 学校には部活をサボって寝ていたために残っていた
- 中学時代から強打者として有名で野球部の牽引役だったが春過ぎからサボりがちだと噂されている
PC:数学教諭(38歳/男性)
- 服装はスーツで上着の右袖の付け根が破れている
- 2年生の学年主任
- 学校には当直として残っていた
- 生徒からは好かれてもいないが嫌われてもいない
NPC:御曹司(高校2年生/男子)
- 服装は制服
- 地元で病院を経営する一族の跡取り
- 最近は成績も上向きで将来を期待されている
- 学校には文化祭の書類整理で残っていた
NPC:テニス部員(高校3年生/女子)
- 服装は制服
- 放送部員の姉の幼馴染
- 突然姉が転校した放送部員を心配して頻繁に話かけている
- 学校には放送部員を手伝うために残っていた
遊び方/ルール
- オープニング(20分)
- 前半の自動公開(3分)
- 前半の調査(5分)
- 前半の議論(10分)
- 後半の自動公開(3分)
- 後半の調査(5分)
- 後半の議論(10分)
- ポケット公開(5分)
- 最終議論(4分)
- 投票(2分)
- エンディング(10分)
本作品は、前半と後半の大きく2つに分かれており、それぞれ調査、議論を重ねて真犯人を突き止めるシナリオです。
前後半の最初に自動公開されるNPCの情報カードや、各キャラクターの証拠、情報などのカードを基に全員で議論を重ねて推理します。
本シナリオ最大の特徴は、犯人以外嘘をついてはいけないという点です。嘘をつかないように注意しましょう。
また、少人数で会話する”密談”はありません。ルールの詳細については、後述でご説明します。
オープニング(20分)
オープニングでは、物語の導入を読み上げ、担当キャラクターの選択を行います。
まず、代表者1名がルールブックの「導入」と「登場人物リスト」を読み上げ、各プレイヤーは担当するキャラクターを1名ずつ重複しないよう選択します。
各プレイヤーは選んだキャラクターの”設定書”と”ポケット”のカードを受け取り、自分だけが内容を確認します。
各自設定書と配布されたカードの内容を確認出来たら、ゲームの流れを読み上げ全員でルールを共有します。
その後、各自キャラクターになりきり、設定書に記載されている”行動順”で、公開情報をもとに自己紹介を行います。
前半の自動公開(3分)
前半の自動公開では、「御曹司の事件当日の行動1」と「テニス部員の事件当日の行動1」の2枚のカードを表向きにします。
代表者がオープンされたカードを読み上げると親切です。
前半の調査(5分)
調査では、各プレイヤーが場のカードを2枚ずつ獲得し、獲得したカードのうち1枚を選んで全体公開します。
獲得できるのは証言カード、行内調査カード、秘密カードで、獲得順は、1枚目・2枚目ともに以下の通りです。
カードの獲得ルールは下記の通りです。
- 自分のキャラクター名が書かれた証言カードは獲得不可
- 秘密カードは獲得条件があり、条件を満たしている場合に獲得可能
- NPC・PCともにポケットカードは獲得不可
カードを2枚獲得後、いずれかのカードを選び公開します。公開したら、順番に読み上げて全員で共有しましょう。
前半の議論(10分)
議論では、犯人を捜し出すため全員で議論します。
本シナリオでは、犯人以外は嘘をついてはいけません。
答えたくないことを質問された場合は、嘘をつくのではなく「言いたくない」「ノーコメント」というように答えるようにしましょう。
未公開カードは他のプレイヤーに見せてはいけません。カードの内容を口頭で話すことはOKです。
後半の自動公開(3分)
後半の自動公開では、「御曹司の事件当日の行動2」と「テニス部員の事件当日の行動2」、「テニス部員の事件当日の行動3」の3枚のカードを表向きにします。
代表者がオープンされたカードを読み上げると親切です。
後半の調査(5分)
調査は、前半同様、各プレイヤーが場のカードを2枚ずつ獲得し、獲得したカードのうち1枚を選んで公開します。
獲得できるのは証言カード、行内調査カード、秘密カードで、獲得順は、1枚目・2枚目ともに以下の通りです。
カードの獲得ルールは前半と同様ですが、下記のルールが追加されます。
- 秘密カード獲得条件が書かれたカードが公開状態である場合、対応する秘密カードは誰でも獲得可能
- 2枚目に獲得したカードに秘密カード獲得条件の記載があった場合、即座に3枚目のカードとして対応する秘密カードを獲得可能
カードを2枚(または3枚)獲得後、いずれかのカードを選び公開します。公開するカードは後半の調査で獲得したカードでなければなりません。
後半の議論(10分)
前半と同様にして、犯人を捜し出すため全員で議論します。
ポケット公開(5分)
ポケット公開では、一斉に全員がポケットを確認したい人物を1名指名します。
全員がポケットの中身を確認したいキャラクター(NPC含む)を1名選び、一斉に指名します。
この時、どのキャラクターを指名するかの相談は禁止です。
誰か1人でも指名された場合、指名されたキャラクターは全員”ポケット”カードを公開しなければなりません。
公開したら順番に内容を読み上げ共有しましょう。
最終議論(4分)
最後に1人ずつ、自分の推理を披露します。
犯人の正体、動機、弁明など、自分の考えを1人1分程度で述べます。
ほかのプレイヤーが推理や弁明を述べている際に、割り込んで発言したり、邪魔をしてはいけません。
投票(2分)
投票では、一斉に全員が犯人だと思う人物を1名指名します。
容疑者は、先述の「登場人物」にて紹介した被害者を除く6名です。
自分を犯人として指名し、自首しても構いません。
投票の結果、もっとも多くの指名を集めた人物が犯人として拘束されます。
同数の場合はその全員が拘束されますが、自首した人がいたらその人物のみが拘束となります。
全員の投票がバラバラになった場合(投票先が重複しなかった場合)、だれも拘束されません。
エンディング(10分)
エンディングでは、まず犯人が名乗り出ましょう。
真犯人が拘束された場合は逮捕され、事件は解決となります。
真犯人以外が拘束されていた場合、後に無実が証明されて解放されますが、真犯人不明のまま未解決事件となります。
誰も拘束されなかった場合、この中に犯人はおらず別に存在するという結論に至り、事件は迷宮入りとなります。
ルールブックに記載されているエンディングを読み上げ、得点計算を行います。
※オンラインプレイ用のダウンロードファイルにあるルールブック(PDFファイル)にはエンディングの記載がないため、BOX内のルールブックを参照してください。
ゲーム終了後、設定書のそれぞれが抱えていた秘密や、事件の真相について話し合いましょう!
評価と感想
それでは、独断と偏見による評価と感想についてお話します!
わたしがシナリオを遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
初心者はもちろん、経験者も楽しめる!絶妙なバランスのミステリー!!
マダミス初心者に寄り添ったシナリオですが、普通に経験者もちゃんと楽しめるシナリオでした◎
分かりやすいルールと比較的短時間でプレイできるのが魅力で、なおかつオンラインでもオフラインでも自由な形式で遊べるのが素敵ですよね。
オンラインプレイひとつとってもユドナリウム、ココフォリアでパパッと遊べるZIPファイルが用意されており、その他のツールでも遊べるよう汎用的なデータファイルが同梱されていて、手厚いフォローにちょっとした感動を覚えました。
シナリオの傾向として、本格的な推理や物語への没入感を楽しみたいという方よりも、”マーダーミステリー”というゲームを楽しみたい!という方におすすめです。
難易度
難易度は「普通」です。
キャラクターの設定書のテキスト量は、初心者向けにしては若干多めですが、キャラクターの目的、死体発見時の状況、注意事項など、図などを織り交ぜながらわかりやすくまとめられていて読みやすい設定書でした!
また、NPC含むキャラクターのバランスやが絶妙で、特に初心者の方が気負い易いであろう独特のプレッシャーがうまく緩和されているシナリオだと感じました。
感想
プレイ形式の自由度の高さ、集めやすい人数設定、短い時間でサクッとプレイ、入門作品として優秀◎
わたしの卓では3名経験者、1名初心者でしたが、プレイヤー間の経験値に差があっても楽しめるシナリオでした。
プレイヤー4人と少ないはずなのに、振り回され、かき乱され、議論が二転三転し、結果NPC含む全員怪しい、、、という感じでシナリオ製作者さまの掌で踊らされました。笑
書籍の方も読みましたが、漫画形式でマダミスの遊び方が学べたり、マダミスの歴史なども記載されており、そうだったんだ!と思う新しい発見もありました。
また、マダミスの公演型シナリオ、パッケージ型シナリオ、無料でプレイできるシナリオなどのレビューも載っており、自分に合ったマダミスをお探しの方に参考になるんじゃないかな、と思います!
まとめ
今回はマーダーミステリー入門セット「マーダーミステリー エントリーガイドBOX」についてレビューしました。
これさえあれば”マーダーミステリー”というゲーム自体を知らなくてもすぐさま遊べる!スターターキットのような製品でした。
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