
第1回新作マーダーミステリー大賞を制したアーキテクトが放つ!
渾身の本格推理劇!!
今回はオフライン・GM不要で遊べるパッケージ型マーダーミステリー『アストリアの表徴─名探偵アルフィー最後の事件─』について、ネタバレなしでレビューしていきます!
本シナリオのあらすじや遊び方、登場キャラクター、感想や評価についてもご紹介していますので、今後遊ぶ予定のあなたの参考になれば幸いです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 5人(GM不要) |
| プレイ時間 | 120分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 14歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/5/31 |
| デザイナー | アーキテクト |
| サイズ | 15 x 21 x 3.2 cm |
| 版元 | KADOKAWA(カドカワ) |
『アストリアの表徴』は、KADOKAWA発売のマーダーミステリーで、名探偵が登場するイギリスが舞台のシナリオです。
第一回新作マーダーミステリー大賞を受賞した『奇想、アムネジア』のアーキテクトによるマダミスで、本格推理劇場を楽しめる作品です。
GMなしでプレイすることができ、プレイヤー全員が物語の登場キャラクターとして遊べる作品となっています。
あらすじ

人類最高の名探偵、シャーロック・ホームズがライヘンバッハの滝へ消えてから一年が経った1882年の春。
組織犯罪という暗黒の霧に包まれたイギリスに、1人の探偵が降臨しました。
名探偵アルフィー、彗星の如く現れたニューヒーローを人々はシャーロック・ホームズの再来と称えました。
そして現在、いくつもの事件を解決した名探偵アルフィーは、とんでもない事件に遭遇することになります。
事件の舞台となるのはロンドン近郊の田園地帯に位置する名門貴族・アストリア家の邸宅、その家の厳格な女当主・ガブリエラが何者かに殺害されたのです。
事件当日に居合わせたのは個性豊かな5名でした——。
登場人物紹介
事件の関係者であり、容疑者であり、そして同時に謎に挑む探偵でもある5名の人物たちをご紹介します。
名探偵:アルフィー(36歳/男性)

- ホームズ不在のイギリスにおいて人気者の名探偵
- 非公式に警察に協力していくつもの難事件を解決
- 俗世を嫌うためマスコミの前に姿を現さない
- つい最近彼の活躍を描いた小説が発表された
メイド:ベス(25歳/女性)

- 今日からアストリア家で働くことになった新人メイド
- 愛嬌があって可愛いがあまり育ちが良くないようで言葉遣いが少しおかしい
- たまにとんでもないことを言うので周囲の人たちの目が厳しくなることも
御曹司:ライアン(28歳/男性)

- アストリア家の長男
- 貴族らしく傲慢な振る舞いが目立つが長身の美丈夫なので女性の使用人たちから人気が高い
- 女主人・ガブリエラの遺体の第一発見者でもある
画商:ダニエル(33歳/男性)

- アストリア邸へ商談に訪れたアメリカ人の画商
- ルネサンス期の絵画について詳しい
- 300年前のアストリア家の当主・天才画家メイガンが描いた絵画「アストリアの表徴」を買い付ける為に来た
占い師:ライザ(25歳/女性)

- 有名な占い師
- 貧民街出身の浮浪児だったがその才能を武器に政財界で頭角を現した
- 黙って座ればピタリと当たることで評判
- 初対面の相手でもズバズバと言い当てるため本物の霊能力者なのではないかと噂される
遊び方/ルール
- キャラクター選択
- プロローグ(5分)
- シナリオ読み込み(20分)
- 第一議論フェイズ(5分)
- 第二議論フェイズ(5分)
- 第三議論フェイズ(5分)
- 幕間(5分)
- 追加情報読み込み(5分)
- 第四議論フェイズ(5分)
- 第五議論フェイズ(5分)
- 第六議論フェイズ(5分)
- 全体議論フェイズ(20分)
- 目標回答フェイズ(1分)
- 投票フェイズ(5分)
- エンディングフェイズ(10分)
本シナリオでは、全7回の議論を重ねて事件を紐解いていきます。
プレイヤー同士の密談はなく、少しずつ各キャラクターが持っている情報を全体に開示していくことで推理を進めます。
それでは、各フェイズについてもう少し詳しくご説明します。
キャラクター選択
キャラクターごとにシナリオブックをテーブルに並べ、各プレイヤーが担当するキャラクターを選択します。
担当キャラクター決定後、担当キャラクターのシナリオブックと担当キャラクター名が書かれた持ち物シート3枚ずつを受け取ります。

プロローグ(5分)
シナリオブックにある物語の導入をプレイヤー全員で読み合わせます。
選択したキャラクターのセリフは担当したキャラクターが読み上げます。
セリフ以外の文章については、「名探偵アルフィー」のプレイヤーが読み上げの担当をします。
シナリオ読み込み(20分)
各キャラクターのシナリオブックを読み込みます。
読む時間が足りないプレイヤーがいる場合には、全員了承のもと延長してもOKです。
シナリオブックの内容は担当するプレイヤーのみが読むことができ、他のプレイヤーに見せてはいけません。
第一議論フェイズ(5分)
フェイズ開始時に「名探偵アルフィー」のプレイヤーは自分の持ち物シートを1枚選び、全体に公開します。
公開されたシートはすべてのプレイヤーがいつでも確認できます。
その後、怪しいと思う他のプレイヤーを2名指名し、指名されたプレイヤーは各自の持ち物シートを1枚ずつ選んで全体に公開します。
シートの公開時には全体に聞こえるように一度内容を読み上げることを推奨します。
すべてのプレイヤーがシートの内容を確認したら、5分の計測を開始して事件の内容についての議論を始めます。
第二議論フェイズ(5分)
フェイズ開始時に前の番で指名されたプレイヤーは怪しいと思う他のプレイヤーを指名します。
このとき指名するプレイヤー同士で誰を指名するか相談することができます。
相談は1分以内で行い、指名するプレイヤー以外は発言できません。2人が同じプレイヤーを指名してもOKです。
指名されたプレイヤーは自分の持ち物シートを1枚選び公開します。
すべてのプレイヤーがシートの内容を確認したら、5分の計測を開始して事件の内容についての議論を始めます。
第三議論フェイズ(5分)
第二議論フェイズと同様の流れで行います。
幕間(5分)
各キャラクターのシナリオブックにある幕間の物語について、プレイヤー全員で読み合わせます。
追加情報読み込み(5分)
各プレイヤーは自身に与えられた追加情報を確認します。
この情報はシナリオブック同様、担当するプレイヤーのみ読むことができます。

第四議論フェイズ(5分)
第二議論フェイズと同様の流れで行います。
第五議論フェイズ(5分)
第二議論フェイズと同様の流れで行います。
第六議論フェイズ(5分)
第二議論フェイズと同様の流れで行います。
※最終的に全体で2枚の持ち物シートは公開されないまま残ることになります。
全体議論フェイズ(20分)
これまでに公開された情報をもとに最後の議論を行います。
このフェイズでは新たな持ち物シート公開は行いません。
目標回答フェイズ(1分)
担当キャラクター名の記載された「目標回答フェイズ質問」シートを受け取り、質問に対する答えを書きます。
このフェイズでは議論することができません。
キャラクターの中にはゲームにおける目標に「他のキャラクターに指摘されたくない内容」や「他のキャラクターの秘密を暴く」といった目標が存在する場合があります。
これらの目的を持つキャラクターのプレイヤーは、この目標回答フェイズにて議論を通じて自分が導き出した答えを記入しましょう。
投票フェイズ(5分)
事件の犯人だと思われるキャラクターに投票を行います。
最多票となったキャラクターは事件の犯人として拘束されます。
キャラクターの目標によってはかならずしも真犯人だと思う人物に投票するとは限りません。
投票したいと思ったキャラクターが決まったら手を挙げ、せーのの合図で一斉に投票対象となるキャラクターを担当するプレイヤーを指します。
「事故」「自殺」「プレイヤー外のキャラクターによる犯行」だと思われる場合は投票を放棄してもOKです。
棄権票は票としてカウントされません。全員が投票を放棄した場合には投票不成立となり、最多票者不在のまま次のフェイズに移ります。
最多票となったキャラクターが複数いた場合は、1分間そのキャラクターを担当するプレイヤーだけで議論を行います。
その後、ふたたび投票を行い、ここでも最多票者が複数出た場合には投票不成立となり、最多票者不在のまま次のフェイズに進みます。

エンディングフェイズ(10分)
エンディングブックを進行役が読み上げ、各キャラクターの得点計算へを行います。
最も高い得点を獲得した人が勝利!ですが、物語を最も楽しんだ人が優勝です◎

評価と感想
わたしが本作を遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
推理小説のような本格派ミステリー!熟練者向けのマダミスです!!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
本作は、王道の構成を持ちつつも、全体を通して経験者向けの骨太なシナリオだと感じました。
密談なしのシンプルな進行でありながら、シナリオブックは圧巻のボリュームで、まるで一冊の長編小説を読んでいるかのような没入感があります。
ルールブックやキャラクターブックの厚みに思わず「本当に2時間で終わるの?」と不安になりますが、フェイズごとの時間がしっかり管理されており、テンポよくプレイが進行する設計になっているのが印象的でした。
推理要素とロールプレイのどちらもじっくり楽しめる構成で、特にミステリー小説が好きな方にはぜひ一度体験してほしいマダミスです。
難易度
難易度は『やや難しめ』です。
ルールやシナリオ構成自体は難しいものはなくシンプルですが、各キャラクターのシナリオブックのボリュームが多く、ゲーム開始前に情報を頭の中で整理するのが結構大変です。
また、各プレイヤーが持つ持ち物シートが少ないのでテキストや絵図で開示される情報が少なめで、各議論フェイズも回数は多いものの、うち6回が5分間と短めに設定されていることもあり、限られた時間の中で何を聞き出し、また何を話すのかが重要になります。
感想
名探偵の存在ってミステリーの王道って感じがして、それだけでちょっとワクワクしますよね!
完全に主観ですが、「自分が推理小説の中に入り込んだような感覚」は、これまでプレイしたマダミスの中でも群を抜いていました。
物語の没入感が本当にすごくて、特に最後の全体議論では我が卓も大混乱!熱量の高いやり取りで、盛り上がりが最高潮に。
各フェイズの制限時間もちょうどよく、真相に手が届きそうで届かない、そのギリギリ感がめちゃくちゃ楽しかったです◎
ただひとつ、シナリオブックが小説形式だったことで、ストーリーテリングが苦手な自分にはかなり手ごわくて、、、内容がなかなか頭に入ってこず、議論に必死でついていく感じになってしまいました。
エンディングを迎えて自分の事なのに「あっそうなんだ」と気づくことが多々あり、反省と笑いが入り混じる結果に。
とはいえ、本格ミステリー好きにはたまらない一作!読み込み力を鍛えて、もう一度挑みたくなるシナリオでした。
まとめ
今回はオフライン・GMなしで遊べるパッケージ型マーダーミステリー『アストリアの表徴』についてレビューしました。
名探偵が登場する本格的なミステリーが楽しめるシナリオで、経験者の方におすすめしたいマダミス作品でした!
本サイトでは、人数別おすすめ作品や、経験者におすすめの作品など、わたしのプレイ経験のもと面白いマダミスたちをご紹介しています。
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