
これぞ王道!
有名探偵たちが集う館で起こる、クラシカル・マーダーミステリー!
今回は、グループSNE&cosaicが手がけるマーダーミステリー『ムーンストーン邸殺人事件』をご紹介します!
館に集められた探偵たちとともに繰り広げられる王道の殺人事件を題材に、登場キャラクターや物語の雰囲気、遊び方やルールをネタバレなしでまとめました。
実際にプレイして感じた評価や感想もあわせてお届けするので、購入を検討しているあなたや、「どんな作品なの?」と気になっているあなたは、ぜひ最後までご覧ください◎
シナリオ概要

プレイ人数 | 4人(GM不要) |
プレイ時間 | 90分 |
プレイ環境 | オフライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2022/02/11 |
製作者 | 安田均/柘植めぐみ |
箱サイズ | 160 x 110 x 30 mm (奥行×幅×高さ) |
版元 | グループSNE/cosaic |
『ムーンストーン邸殺人事件』は、名探偵たちが館に集められ、謎めいた殺人事件の真相を追うマーダーミステリーです。
本作は”Murder Mystery Mini”シリーズのうちのひとつで、限られた時間の中で推理を積み重ね、最後に真犯人へと迫っていく王道の物語が展開されます。
4人で約90分、GM不要で遊べるコンパクトさながら、本格的な推理体験が楽しめるシナリオです。
あらすじ

舞台は20世紀半ばのアメリカ南部。
築100年の古い屋敷に、名の知れた探偵たちが集められました。
主催はイギリス出身の貴族・ムーンストーン卿。
彼から届いたのは“稀代の名探偵を集めたパーティ”への招待状でした。
ある秋の夕方、屋敷に到着したあなたたちは、豪華なディナーの席でこれまでの活躍や失敗談を語り合います。
しかし夜も更けたころ、主のムーンストーン卿が書斎で毒死しているのが発見されるのです。
扉は内側から鍵がかかり、現場は完全な密室。
通報しようとすると、執事から手渡されたのは卿の遺書。
そこには「犯人はこの中にいる!」と挑発的な言葉が書かれていました。
あなたたち探偵は、屋敷を自由に調査できるわずか1時間の間に真犯人を突き止めなければなりません。
推理に失敗すれば、真犯人が勝ち誇り、あなたたちは敗北する──。
果たして、あなたはこの奇妙な挑戦を受け、名探偵としての誇りを守り抜けるでしょうか?
登場人物紹介
招待客の名探偵4名をご紹介します。
ディレッタント探偵:ドクター·サファイア(35歳/男性)

- ディレッタント(dilettante)=好事家
- 身なりが良くひいでた額が特
- 芸術をこよなく愛するインテリ
- 実家が裕福で苦労知らず
- 観察力が鋭く、物証に基づいて推理する
- やや皮肉っぽいが女性ファンは多い
- 一人称は「ぼく」
- 褐色の髪に青い瞳
アームチェア探偵の助手:ミス·トパーズ(19歳/女性)

- アームチェア(armchair)=安楽椅子
- くせのある黒髪を後ろで束ねている
- 大学では法医学を専攻
- 安楽椅子探偵として有名なパール教授の助手
- 彼は難病で車椅子生活を強いられているが頭脳明晰で話を聞くだけで真相にたどり着く
- 一人称は「あたし」
- 勝気なお嬢さん
ハードボイルド探偵:ミスター·ルビー(42歳/男性)

- ハードボイルド(hard-boiled)=冷酷非情
- 赤毛でがっしりした体つきと獣のような眼光
- 荒事はお手のもので銃の腕前も確か
- コネも多く情報源に事欠かない
- かつて警官だったが上司とそりが合わず退職
- 私立探偵を開業して現在に至る
- 一人称は「俺」
- 泣かした女性は数知れず
コージー探偵:ミセス·エメラルド(74歳/女性)

- コージー(cozy)=地域密着・居心地のよい
- 白髪を頭上高く結い上げた小柄な女性
- 小さな村でつつましい生活を送っている
- 噂話が大好きでトランプ占いが趣味
- 豊富な経験に照らし合わせて困りごとを解決
- 今では地元の警察署長も相談に来るほど
- 一人称は「わたし」
- 素朴なおばあちゃん
遊び方/ルール
- ゲームの準備
- ストーリー読み上げ
- 担当キャラクターの決定
- 設定書の読み込み(10分)
- キャラクター紹介
- 調査フェイズ(10分×3回+15分×1回)
- 最終弁論フェイズ(1分×4人)
- 報告フェイズ(5分)
- エンディングフェイズ(10分)
このシナリオは、4回の調査と最終弁論を経て真相へ迫り、質問票に回答することで結末を迎えるミステリーゲームです。
本作には密談要素がなく、全員で情報を共有しながら議論を進めます。
カードやシートをテーブルに広げて資料を整理しながら進める形式なので、プレイの際は資料を並べやすい大きめのテーブルを囲んで遊ぶのがおすすめです。
ゲームの準備
下図のように「間取り図シート」と調査カードを配置します。

ゲームを遊ぶ開始前に、以下のものを用意しましょう。
- 時間経過がわかるもの(スマートフォンでOK)
- 筆記用具(質問票記入時に必要)
ストーリー読み上げ
ルールブックの「ストーリー」を代表者1名が読み上げましょう。
担当キャラクターの決定
設定書の表紙にあるキャラクター情報をもとに、各自担当するキャラクターを1人ずつ選びます。
設定書の読み込み(10分)
各自担当キャラクターの設定書を10分間黙読します。
この時間は、全員の読み込み進捗状況を見て適宜調整OKです。
キャラクター紹介
最年長のコージー探偵(ミセス・エメラルド)のプレイヤーから時計回りの順に、自分のキャラクターを紹介します。
調査フェイズ(10分×3回+15分×1回)
各調査は以下の段取りに沿って行われます。
- 行先の決定
- 調査カードの獲得
- 情報の共有と議論
この流れを10分間で行います。(最後の調査のみ15分)
行き先の決定

さあ、どこをお調べになりますか?
各プレイヤーは調査したい部屋を1つ選びます。(表明前に相談OK)
全員の準備ができたら、一斉に選んだ部屋を以下の「身振り」を用いて表明します。

調査カードの獲得

使用人から話を聞くなり、手がかりを探すなり、お好きにどうぞ。
その後、必ず応接室に戻ってきてくださいね。
行き先で選んだ部屋の調査カードを獲得します。
何枚カードを獲得できるかは、その部屋に何人いるかで変わります。
部屋にいる人数 | 1人 | 複数 |
カード獲得枚数 | 2枚 | 1枚 |
- 自分の荷物の調査カードは獲得不可
- 「キーカード」は獲得に条件を満たす必要あり
※「キーカード」取得はカード獲得枚数制限には含まれません。 - 部屋に調査カードがない場合は他のプレイヤーが持つ同じ部屋のカードをランダムに1枚選び閲覧する
情報の共有と議論

ご自由に議論なさってくださいませ。
ああ、旦那さまが生きておられればどんなに興奮なさったことでしょう。
名探偵の推理合戦など、めったに見られるものではありませんから。
各プレイヤーは、手札から少なくとも1枚を必ず公開します。(キーカード・シークレットカードも公開OK)
手札が1枚もない場合、公開する必要はありません。カード公開後、全体議論を行います。
- 嘘OK
- 密談不可
最終弁論フェイズ(1分×4人)
最後に1人1分ずつ意見表明します。
表明する内容に困った場合、以下のような内容を話すと良いでしょう。
- 犯人は誰なのか
- ニセモノは誰なのか
順番は自由です。決まらない場合は最年長のコージー探偵(ミセス・エメラルド)から時計回りに行いましょう。
報告フェイズ(5分)
各プレイヤーは担当キャラクター名が書かれた質問票に、探偵として調査した内容を記録します。
他のプレイヤーに中身を見られないよう、注意しましょう。
- おしゃべり禁止(独り言もNG)
- 選択肢がある場合は適切なものをひとつ○で囲む
- 人物名記入時は「人物名」or「質問票の登場人物一覧の番号」を記入(複数回答OK)
※複数回答した場合は、不適切な回答1つにつき1点減点になるので注意!
エンディングフェイズ(10分)
最後にエンディングブックを開き、物語の結末を見届けましょう。
質問票を公開して、答え合わせをしましょう。正解1つにつき1点で、各自合計点を算出します。
最高得点を獲得した探偵が、ムーンストーン卿の屋敷を譲り受けることになるでしょう。
評価と感想
わたしが本シナリオを遊んだ際の条件は、以下の通りです。
評価
王道ミステリーの醍醐味をぎゅっと凝縮!手軽に楽しめる正統派マーダーミステリー!!
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
こってりとした推理を味わえる本格派でありながら、システム自体はコンパクトにまとまっているのが本作の特徴です。
プレイ中に流れるクラシカルな推理劇の空気感は、ミステリーファンにとって安心感のある体験になると思います。
エンディングについて、正直すべては納得できないかもしれません。
しかし、その過程に漂う王道ミステリーの雰囲気は心地よく、推理を重ねていく時間そのものが作品の魅力を支えています。
重厚さに圧倒されることなく、かといって軽すぎることもなく、「正統派ミステリーをお手軽に楽しめる」絶妙な立ち位置。
短時間で本格推理のエッセンスを味わいたい人にとって、まさにうってつけの良作です。
難易度
難易度は『やややさしめ』です。
ゲームシステム自体も比較的シンプルなので、複雑なルールに戸惑うことなく物語に集中できるのがポイントです。
キャラクター設定書のテキスト量も「ちょうどいい」くらいで、読み込みに時間を取られすぎず、それでいて役割に没入できるほどの情報量が確保されています。
派手さや奇抜さを狙った作品ではありませんが、安心感のある遊びやすさと手応えのバランスが絶妙。
マダミスをこれから始めたいとき、気軽に仲間と遊びたいときにおすすめできる一作です。
感想
王道の館ミステリーに浸れる贅沢な時間!
有名な探偵たちが集められる舞台設定からして、最初から一気に気分は本格派。
館という閉ざされた空間で進む物語は、クラシックな雰囲気を漂わせつつも緊張感に満ちていて、「正統派ミステリーの世界」に酔い痴れることができました。
シナリオ全体を通して、推理小説を読んでいるかのような充実感があり、王道ならではの面白さが詰まっています。
奇をてらわずとも、ここまでミステリーの魅力をストレートに味わわせてくれる作品にはなかなか出会えません。館ミステリー好きにはたまらない作品でした!
まとめ
以上、4人でプレイできるお手軽さが特徴のパッケージマダミス『ムーンストーン邸殺人事件』でした。
王道のフレーバーを味わえる正統派の推理劇、ぜひ一度遊んでみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
当ブログでは他にも、初心者向けから遊びごたえ抜群の作品まで幅広くレビューしています。
ぜひ関連記事ものぞいて、次に遊ぶ一作を見つけてみてくださいね☺︎
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