
四つに分けたはずの誓いが、血と疑念に染まる――。
愛と崩壊を演じるマーダーミステリー。
今回は、EJIN研究所が手がけるパッケージ型マーダーミステリー『四等分の花婿』をレビューします。
物語のあらすじや登場キャラクター、遊び方のポイントに加え、ネタバレなしでの感想・評価まで丁寧にまとめました。
これからプレイを考えているあなたが、安心して手に取れる参考になれば嬉しいです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 3~4人(GM不要) |
| プレイ時間 | 180分 |
| プレイ環境 | オフライン/オンライン |
| 対象年齢 | 18歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/1/31 |
| デザイナー | 江神原業一郎 |
| 箱サイズ (長さ×幅×厚さ) | 11 x 15 x 4 cm |
| 版元 | EJIN研究所 |
『四等分の花婿』は、一卵性四つ子の姉妹と共有された恋、そして結婚式当日に起きた花婿殺害事件を追うマーダーミステリーです。
EJIN研究所発のパッケージマダミスで、仲良しの四つ子の間で守られてきた、「四等分の誓い」の裏にある真実を追います。
オンライン・オフラインのどちらでも遊べるうえ、GM不要で進行できるため、参加者全員が物語の登場人物としてミステリーに没入できます。
さらに本作は、『石化の解けたその時に』とあわせて2つの物語を収録した、遊びごたえたっぷりのお得なパッケージ!シチュエーションを選ばず、じっくり物語体験を楽しみたい方にぴったりです◎
あらすじ

私たちは、一卵性の四つ子。
見た目も声も、考え方も、好きなものも――小さい頃から、何もかもが同じだった。
だから、同じ人を好きになったのも、きっと自然なことだったのだと思う。
私たちは四人そろって、彼に告白した。
「私“たち”と付き合ってください」と。
そこには、幼い頃から守り続けてきた「四等分の誓い」があったから。
分けられるものは四等分。
分けられないものは多数決。
取り合わず、争わず、四人で仲良く生きるための、秘密のルール。
恋人である矢ツ崎夜津也も、その例外ではなかった。
歪んだ関係だと笑われても、私たちは幸せだった――はずだった。
けれど数年後、四つ子の誕生日に彼は長女・瞳へプロポーズする。
その瞬間、「四等分の誓い」はあっけなく崩れ去った。
妹たちは結婚を祝福し、式は重井沢の小さな教会で執り行われることになった。
――そして結婚式当日、花婿・矢ツ崎夜津也は、チャペルで無残な死体となって発見される。
四つに切り分けられたその亡骸が、誓いをなぞるものだとしたなら。
犯人は、私たち姉妹の中にいる。
登場人物紹介
四つ子の姉妹と、四等分されてしまった花婿について、ご紹介します。
矢ツ崎 夜津也やつざき よつや(23歳/男性)

ちゃんと目を見れば君が四つ子の誰なのか、僕にはハッキリわかるよ。
- 生まれも育ちもルックスも頭脳も身体能力も平凡
- 美人四姉妹全員と同時に付き合うことになった青年
- 周囲からは奇跡の男だのモテモテの実の能力者だのとからかわれている
- お調子者で常に笑顔を絶やさず誰とでも分け隔てなく接することのできるムードメーカー
茨下 瞳ばらした ひとみ(23歳/女性)

ええ、正解です。私が長女の瞳です。
本日は遠いところをお越しいただきありがとうございます。
- 四つ子の長女
- 4人の中では一番マイペースでおっとりしている
- 毛先を気にする癖がある
茨下 双葉ばらした ふたば(23歳/女性)

残念、次女の双葉でしたー!
私うまいっしょ、瞳姉の物真似。ニシシシ。
- 四つ子の次女
- 4人の中では一番明るく快活な性格らしい
- ヒールが苦手で1人だけパンプスなので遠目だと見分けが付きやすい
茨下 美弦ばらした みつる(23歳/女性)

あ、やっぱりそう思いますよね?
そうなんです、一番お姉さんっぽいのって私なんですよ。よく言われます。
でもハズレです。私は美弦、3番目です。
- 四つ子の三女
- 4人の中では最も目ざとく色々なことに気が回る
- 片時も携帯電話を手放さない
茨下 翼花ばらした よっか(23歳/女性)

違う。私は末っ子の翼花。
見分けも一番付きやすいって言われるのに。もしかして、節穴?
- 四つ子の四女
- 4人の中では一番無口で暗い印象がある
- 4人お揃いのポーチを常に持ち歩いている
遊び方/ルール
- セットアップ
- 舞台設定カード読み上げ
- 担当キャラクターの決定
- 自己紹介
- 読み合わせ
- 設定の読み込み(20分)
- 事件発生
- 調査シーン(90分)
- 推理シーン
- 得点計算
本作は、「調査シーン」と「推理シーン」の二段階で進行するミステリーゲームです。
調査シーンでは、カードを獲得・整理・共有しながら情報を集め、事件の輪郭を少しずつ明らかにしていきます。続く推理シーンでは、それぞれが導き出した考察を発表し、投票によって犯人を指名します。
本作ならではの特徴は、プレイヤー同士の“密談”が存在しないこと。
調査中の議論は常に全員参加で行われ、情報はすべてオープンに共有されます。駆け引きよりも論理と観察眼が問われる、公平でクリーンな情報戦を楽しめる設計です。
また、オフライン・オンラインを問わず、進行には専用のWebページを使用します。プレイ時にはインターネット接続が可能な環境を用意しましょう。
実際に使用するURLは、パッケージに同封されている「【アンカーミステリー02】共通マニュアル」の表紙に記載されています。
基本的なゲームの流れは『西洋鎧の鳴る館』と共通しているため、そちらのレビュー記事をあわせて読むことで、よりスムーズに理解できるはずです。
評価と感想
わたしが本シナリオをプレイしたときの条件は、下記の通りです。
評価
どこかで見たことがあるようなタイトル?”軽妙さ”×”残忍さ”が記憶に刻まれるマーダーミステリー!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐☆☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
美人と評判の四つ子、平凡な男を取り合う構図――、どこかで見覚えがありますね。笑
随所に散りばめられたパロディ要素が印象的で、元ネタに気づいて思わずくすっとしてしまいます。
重くなりがちな題材だからこそ、この「遊び心」がいい緩衝材になっていて、全体のバランスがとても良いシナリオです。
また、四つ子それぞれのキャラクターも非常に立っていて、読み合わせの段階から自然と役に入り込んでしまいます。
「同じ顔、同じ声」のはずなのに、言葉選びや態度の端々から確かな違いが立ち上がり、プレイヤー自身がその違いを演じ分けている感覚が楽しい!
ミステリーとして遊びながら、世界観そのものを味わい、絶対的だと信じていた人間関係が崩れていく感触を体験する作品です。
パロディの軽やかさと、感情の重さが同居する不思議な後味が魅力。
設定の面白さに惹かれて入り込み、気づけば人の心の揺らぎをじっと見つめている――そんな作品です。
難易度
難易度は『やややさしめ』です。
本作では「調査」と「議論」が明確に区切られておらず、同じフェイズの中で同時並行に進んでいく仕組みになっています。
そのため、誰がどれだけ調査に時間を使い、どのタイミングで話し合うのか――プレイヤー全員での時間配分と進行管理が、想像以上に重要になってきます。
カード集めに夢中になりすぎると議論の時間が足りなくなり、かといって話し合いに寄りすぎると、肝心な情報が手元に揃わない。
この「どこに時間を割くか」を常に意識させられるバランス感覚こそが、本作ならではの面白さであり、悩ましくも楽しいポイントです。
加えて、キャラクターテキストの分量が“多すぎず、少なすぎず”絶妙なのも好印象でした。
読みやすさを保ちつつ、物語への没入感もしっかり確保されていて、プレイのテンポを崩さない設計になっています。
感想
4人で遊んでこそ本領を発揮する!最初からぐっと惹きつけてくるストーリー!!
本作は3人でも遊べますが、せっかく物語の登場人物が”四つ子”なので、プレイヤー人数も4人と合わせた方がより一層楽しめると思います。
全員が揃ったときの会話の密度や感情のぶつかり合いは、3PLで紡ぐ物語とは明らかに別物になると確信しています!
シナリオは人気アニメを彷彿とさせるパロディ的な軽妙さと、バラバラ殺人事件というシリアスで残忍なテーマ。
その相反する要素が不思議と噛み合い、物語に独特の温度を生んでいます。
笑っていいのか、疑うべきなのか、感情の置き場に迷わされる感覚に面白さを覚えました。
結果として本作は、単なる推理ゲームには収まらない、しっかりとした“物語体験”を味わわせてくれる作品でした。
疑い、揺れ、感情が軋む過程そのものが記憶に残ります。
そして何より、これだけ満足度の高い体験をしたうえで、もう一本シナリオ(石化の解けたその時に)が遊べるという点が大きい。
内容・ボリューム・体験価値のバランスが非常によく、素直に「お得だった」と言える、完成度の高いパッケージでした◎
まとめ
『四等分の花婿』は、パロディ性と残酷な心理劇が交錯する、濃密なマーダーミステリーでした!
パロディに笑いながらも、気づけば疑心暗鬼と緊張感に包まれていく――その落差こそが、この作品ならではの魅力だと思います。
少人数マダミスが好きな方はもちろん、キャラクターになりきって物語を生きたい人に、ぜひ一度手に取ってほしい一作です☺︎
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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