
“仲間意識”と”疑心暗鬼”の狭間で揺らぐ心――
60分にぎゅっと込められた人間模様を体感せよ!本格マーダーミステリー!!
本記事ではオンライン/オフラインで遊べるマーダーミステリー『殺人者たちの夜会』について、レビューします。
作品のあらすじ・遊び方、登場キャラクター紹介、ネタバレなしの感想・評価についても綴ります。本記事がこれから遊ぶ予定のあなたの参考になれば幸いです。
シナリオ概要
プレイ人数 | 5人(GM不要) |
プレイ時間 | 60分 |
プレイ環境 | オフライン/オンライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2020/5/16 |
デザイナー | ぺよん潤 |
サイズ | 24 x 17.5 x 3.5 cm |
版元 | 合同会社ロストプロダクトエンターテイメント |
『殺人者たちの夜会』は、殺人計画を企てた人物たちによる裏切りと疑心暗鬼の本格マーダーミステリーです。
GMなしでもシナリオを遊ぶことが可能で、オンラインで楽しめるダウンロード版、オフラインで遊べるパッケージ版があります。
あらすじ

お金のため、積年の恨みのため、痴情のもつれのため――
あなたたちは様々な理由で、金田権左衛門の命を狙っていました。
動機を持つ者たちが金田家の別荘に集まり、1つの殺人計画が立てられ、それぞれが役割を全うし、恐ろしい計画は完遂されます。
あとは翌日、警察が来た際に全員でお互いのアリバイを証明すれば、事故で処理されることでしょう。
しかし、その翌朝、警察に通報しようとした際、1人だけ起きてこない人物がいることに気づきます。
全員でその人物の部屋に向かうと、変わり果てた姿で床に横たわる人物、そして本来なら地下室の階段下に転がっているはずの金田権左衛門の死体が、、、
果たして何があったのでしょうか?疑心暗鬼と裏切りの物語が、幕を開けます。
登場人物紹介
本作品の登場キャラクターについて、簡単にご紹介します。
被害者①:金田権左衛門

- 金田グループの会長
- 資産家であることをいいことに勝手気ままな行動を繰り返し敵も多い
- 今回権左衛門の別荘に皆が集まることになったのは権左衛門自身の発案だった
- この別荘は権左衛門が自身の愛人のために購入したもの
被害者②:金田虎意

- 権左衛門の運転手を務めていた
- 強そうな名前から権左衛門のお気に入りだった
- 権左衛門の娘はなの入り婿
容疑者①:金田龍雄

- 権左衛門の長男
- 最強の生物の象徴”龍”にちなんで名付けられた
- 金田グループの子会社の1つを任せられる
容疑者②:金田河馬雄

- 権左衛門の末子
- 実際に戦ったら地上最強生物と言われる”河馬”にちなんで名付けられた
- 名前のことで幼少の頃からいじめられてきた
容疑者③:金田はな

- 権左衛門の娘
- 龍雄の妹、河馬雄の姉、虎意の妻
- 昔から恋愛至上主義でダメ男好き
- 虎意と結婚するときに周りはすぐに離婚するだろうと思っていたが意外と長続きしている
容疑者④:天野みつ

- 河馬雄の恋人
- 銀座のクラブでママをしておりお店の経営は順調だ
- はなとも仲が良い
容疑者⑤:河原総一郎

- 金田グループの現在の社長
- 非常に有能で金田グループの未来は明るいと言われている
- 会長の権左衛門が実権を握っているため思い通りに仕事を進めることができないもどかしさを抱えている
遊び方/ルール
- プロローグ
- ルール説明
- キャラクター紹介
- 配役決め
- シナリオ読み(10分)
- 議論:1stフェイズ(15分)
- 議論:2ndフェイズ(15分)
- 議論:3rdフェイズ(15分)
- 犯人特定投票
- エンディング
- 解説・採点
本作品は、15分×3回の議論を重ねて事件の真相を解明するシナリオです。
獲得した情報カードや各キャラクターが持つ秘密などを基に、話し合いを重ねて推理を行います。
本作品は、いつでも密談を行うことが可能です。密談を行うため、スペースにゆとりを設けることをおすすめします。
後述にてゲームの流れについて、もう少々詳しく解説していきます。
プロローグ
進行役(またはGM)が進行ガイドに記載されているプロローグを読み上げます。
ルール説明
進行役が本ゲームのルール説明を行います。
キャラクター紹介
配役決めの参考にするため、キャラクター紹介を行います。
配役決め
任意の方法でそれぞれのプレイヤーが担当するキャラクターを決定します。
シナリオ読み(10分)
配役が決定したら、各プレイヤーはシナリオを読み込みます。
シナリオ読みが早く終わったプレイヤーは、情報カードをすべて裏面にして場に並べてゲームのセッティングをします。

議論:1stフェイズ(15分)
シナリオ読みが完了した後、15分の議論をスタートします。
このフェイズの最中、各プレイヤーは1人1枚だけ情報カードを引くことができます。(ただし自分の役名が書かれている情報カードは引くことができません)
議論:2ndフェイズ(15分)
1stフェイズと同様のルールで議論・カードの獲得を行います。
議論:3rdフェイズ(15分)
1stフェイズ、2ndフェイズと同様のルールで議論・カードの獲得を行います。
犯人特定投票
最終ラウンドの議論終了後、誰を警察に突き出すのか、プレイヤーの多数決で1人を決めましょう。
エンディング
投票結果に応じたエンディングを読みながら進行します。
解説・採点
それぞれの目的と達成できたかを確認し採点します。
最もポイントが高かったプレイヤーは勝利!お互いの健闘を称え合いましょう。
マダミスで最も大事なことは”みんなで協力して物語をつくること”です。
全員が快くプレイできるよう思いやりをもって尽くし、最後の感想戦で盛り上がることを目指しましょう◎
評価と感想
わたしが本シナリオを遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
議論白熱!短時間でプレイできる本格派マーダーミステリー!!
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ |
本シナリオは、推理およびロールプレイに重きを置かれたシナリオで、短時間でプレイできるマダミスとしてかなり面白い作品でした!
マダミスの構成は情報カードを引いて証拠を調査し、3回の議論を行うという至ってシンプルなゲーム制、そしてルール自体もオーソドックスで複雑なものはないため、プレイヤー全員が初心者でも最後まで滞りなく遊べるのではないでしょうか。
裏切り疑惑・疑心暗鬼が生まれ、議論が白熱する工夫が凝らされマダミスとして大変面白いシナリオでした。
難易度
難易度は『普通』です。
キャラクターシナリオのテキスト量としては、少なくはありませんが、然程多くはない印象でした。
場に出る情報についても、各フェイズ1人1枚引くのみで少ないです。議論に設定された時間は丁度良く、白熱した議論が楽しめます。
感想
裏切り?疑心暗鬼?短時間で濃密な物語体験!
結論から申し上げますと、本シナリオはわたし好みの物語で、満足度が高かったです。
物語は、最初は1人に対して殺意を持った者たちが協力して殺人計画を遂行しようとした同志たちによるお話。
このように、最初は”仲間意識”のあった人たちが、想定の範囲外の事が起こり、裏切りの疑惑が生まれたことで互いを信じられなくなるという落差がいいですよね。
こういうの、好きです。笑
60分シナリオとしては珍しく”密談”ルールがあることで、密談をした2人の間でのみ交わされるちょっとした親密さが、全員の関係性との対比を感じられ、短時間で濃密な物語体験ができました◎
まとめ
今回は本格マーダーミステリー『殺人者たちの夜会』についてレビューしました。
仲間意識から始まり裏切り・疑心暗鬼が生まれる落差により短時間で濃密な物語体験を堪能できるミステリーでした!
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