
「館に足を踏み入れた者は呪われ、死に至る」――
狂気と恐怖が混ざり合う!本格ホラー&ミステリー!!
オンライン/オフラインで遊べるパッケージ型マーダーミステリー『魔女の聖餐式 REBIRTH』について、レビューします。
物語のあらすじ、遊び方やゲームプレイ時の注意点、登場キャラクター、ネタバレなしの感想・評価について綴ります。
いま、本作品が気になるあなたの参考になれば幸いです!
シナリオ概要

プレイ人数 | 5-6人(GM不要) ※5人プレイ推奨 |
プレイ時間 | 150分 |
プレイ環境 | オンライン/オフライン |
対象年齢 | 15歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2024/12/24 |
デザイナー | 中村誠 |
箱サイズ | 22.5 x 16.2 x 2.7 cm (縦×横×厚さ) |
版元 | ワンドロー(One-draw) |
『魔女の聖餐式 REBIRTH』は、魔女が住む”呪い”の屋敷を舞台とした、ホラー系マーダーミステリーです。
死と隣り合わせのスリルと、狂気が募り起こるキャラクターの”発狂”が物語にスパイスを効かせます。
2020年に発売された『魔女の聖餐式』の改訂版で、事件の真相は同じですが、より物語を深く楽しめるようパワーアップして帰ってきました。
オンライン/オフラインどちらでもお好きな方でプレイ可能で、GMレス、かつ、5PLまたは6PLで遊べるシナリオです。(どうしても6人で遊びたいとき以外は、5人で遊ぶことをおすすめします。)
旧版と改訂版の違い
旧作からどう変わったのか、変更点について解説します。
キャラクターシート
キャラクターシートが1枚増えました。(旧作16枚⇒改訂版17枚)
登場キャラクターの種類に変更はありませんが、物語の状況変化により細かく対応できるようになったようです。
最後の選択
物語のフィナーレを左右する「最後の選択」、こちらにも変更がありました。
具体的にはネタバレになるため言及できませんが、よりドラマチックな展開と、キャラクター同士の駆け引き要素が強まり、シナリオに深みがプラスされました。
カード
旧作では無かった「アイテムカード」が追加され、登場人物の持ち物の動きが視覚化されました。
また、狂気カードが2枚増え、物語の展開・進行次第で細かく対応できるようになりました。
進行ブック
旧作から最もアップデートされたのが、エンディングです。
新しい「最後の選択」に従い、分岐の条件がわかりやすく、ドラマチックに物語の終わりを彩ります。
エンディングは「全体エンディング」と「個別エンディング」に分かれ、バリエーション豊かな個別エンディングにより、キャラクターごとの「その後」のストーリーが描かれるようになりました。
特に、旧作では一言のみで深く描かれなかったケースも、さらに分岐があるなどシーンを深掘りして描かれるようになりました。
あらすじ

「この館には、何かが潜んでいる、、、」
古びた洋館、通称「魔女館」は、その名の通り「入った者は呪われて死ぬ」という都市伝説に長年彩られていました。
10年の空き家期間を経て、ついに新たな家主が現れます。
しかし、家主は館の過去を恐れたためか、「事故物件コンサルタント」として名を馳せる探偵に、館の調査を依頼しました。
探偵は自らの助手である動画配信者と霊感少女を連れ、家主とともに噂の洋館を訪れます。
4人は館に踏み入れると、誰もいないはずのそこには、記憶喪失の男と眠れる美女がいました。
しかし、このとき彼らはまだ知りませんでした。
柱時計が鐘の音で”十二時”を知らせる時、惨劇の聖餐式が始まることを。――
登場人物紹介
魔女館に訪れた6名の登場キャラクターについて、簡単にご紹介します。
探偵:不動霊二(男性/36歳)

- 事故物件コンサルタントの肩書をもつ
- 「不動不動産相談所」の所長
- 霊が出るという不動産物件の調査が専門
家主:大矢三蔵(男性/48歳)

- 「魔女館」の新しいオーナー
- 半年前に館を破格の安さで購入したが良からぬ噂を払拭するため館の調査を依頼した
動画配信者:岡流人(男性/20歳)

- 心霊スポットからの配信が人気のYoutuber
- 配信のネタを探すために不動不動産相談所に出入りしている
霊感少女:志賀えみる(女性/17歳)

- 霊能力者としてテレビでも有名な女子高生
- あることがきっかけで「不動不動産相談所」の押しかけ助手をしている
記憶喪失の男:木奥聡司(男性/22歳)

- 魔女館の広間にいた若い男
- 彼は一切の記憶を失っていた
- 本当に記憶を失っているのだろうか?
眠れる美女:根室姫華(女性/21歳)

- 魔女館の「ある場所」に眠っている女性
- 彼女はなぜ館にいたのか?
- そして彼女の正体は?
遊び方/ルール
- ゲームの準備
- オープニング(10分)
- 第1章:調査(5分)
- 第2章:調査&議論(10分)
- 第3章:調査&議論(10分)
- 幕間(10分)
- 第4章:調査&議論(10分)
- 第5章:調査&議論(10分)
- 第6章:意見発表(各1分)・議論(10分)
- 最後の選択
- 投票
- エンディング
本作品は、全6章で構成されるホラー&ミステリーの物語です。
ホラーならではの「誰が死ぬか分からない」死と隣り合わせのスリルを味わうことができます。
また、調査により増える「狂気」の値が一定に達するとキャラクターが発狂し、特別な”何か”が起こります。どのようなことが起きるのかは、お楽しみです。
このゲームでは、密談はありません。内容物を広げて5~6人が座って議論できるだけのスペースがあれば、プレイすることができます。
※本ゲームでは、進行ブックに不備があります。正しい進行ブックの詳細は、以下の公式HPリンクをご確認ください。
ゲームの準備
ゲームを遊ぶときに必要なものは、次の通りです。
- 時間経過がわかるもの(タイマー・時計など)
- 筆記用具
- 全員が手の届くところに調査カード25枚とアイテムカード5枚をセッティング
- キャラクターシートA~Kは箱の中にしまう
- キャラクター名が書かれたキャラクターシートを箱から出しておく
(5PLの場合《探偵》のキャラクターシートは箱の中にしまっておく) - 狂気カードF・G・Hは箱にしまう
- キャラクター名が書かれた狂気カードを並べておく
(5PLの場合《探偵》のキャラクターシートは箱の中にしまっておく)

オープニング(10分)
以降のゲームは、代表者1人が「進行ブック」を読み上げながら進行します。

「進行ブック」をすべて読んでしまうと先の展開がわかってしまうので、STOPと記載された箇所で一旦読むのを止め、先の文章は読まないようにしましょう。
このフェイズで行うことは、次の3つです。
- キャラクターシートの選択
- 狂気カード受け取り
- キャラクターシートの読み込み
プレイヤーが5人の場合、《家主》《動画配信者》《霊感少女》《記憶喪失の男》《眠れる美女》から、担当する人物を重複なしで1人ずつ決めます。
プレイヤーが6人の場合、《探偵》も選ぶことができます。選ぶ方法は自由です。
キャラクター決定後、自分が担当する人物の名前が書かれた狂気カードを受け取ります。
狂気カードは、自分の前に「0」が下辺になるようウラ向きで置きましょう。オモテ面を見てはいけません。

その後、自分のキャラクターシートを黙読します。
制限時間は10分としていますが、全員が読み終わったら切り上げて次に進んでも構いません。
第1章:調査(5分)
いよいよ物語の始まりです。このフェイズから、「調査」を行います。
調査では、その章の調査カードを1人1枚選び取り、オモテ面を読み上げます。
- 調査をする人を1人決める
- 現在の章のまだ獲得されていない調査カードから1枚選ぶ
- 獲得したカードのオモテ面を自分だけが確認して内容を読み上げる
※ただし、「以下はあなただけが読む」の部分は黙読。その他、カードに指示があれば従うこと。 - 獲得した調査カードはウラ向きで自分の前に置く
- 全員が1回ずつ行うまで繰り返す
- 調査をする順番はみんなで相談して決めること
※決められない場合は《動画配信者》から時計回りで行いましょう。 - どのカードを調査するか相談OK
- 章ごとに1人1回のみ調査可能
- 自分が獲得したカードのオモテ面はいつでも確認OK
※ただし、獲得カードのオモテ面を他人に見せたり、他人の獲得カードのオモテ面を見るのはNG。 - 「以下を読み上げる」の内容は嘘つき禁止
- 「以下はあなただけが読む」の内容については嘘・隠し事OK
- アイテムは同意があれば受け渡しOK
調査の際、カードのオモテ面に狂気アイコンが描かれている場合があります。
この場合、狂気の値を+1します。狂気が最大値の「3」に達した時、そのキャラクターはただちに”発狂”します。
狂気の増減に嘘をつくことはできません。指示には正しく従いましょう。
- 獲得した調査カードに狂気アイコンがあった場合は調査した人の狂気を+1する
- 狂気は値が+1されるごとに狂気カードを90度回転させてカウントする
- 狂気が「3」になったら発狂する
- ただちに狂気カードのオモテ面をそのプレイヤーだけが見て内容を読み上げる。
- 「以下はあなただけが読む」の部分はそのプレイヤーだけが黙読、カードに指示があれば従いましょう。
- カードは「発狂」の状態でウラ向きで置いておく




↑さらに狂気+1で「2」が下辺にくるように置く

↑狂気の最大値「3」が下辺に来た時”発狂”となる
第2章:調査&議論(10分)
このフェイズでは、「調査」と「議論」を行います。調査は第1章と同様です。
議論では、参加者全員で話し合います。密談や秘密のメッセージのやりとりはできません。
- 全員嘘をついてもOK
- 「あなたの秘密」や「あなたが知っていること」について公表する際は慎重に
- キャラクターシートの「行動方針」「得点」「あなたの今後」「最後の選択」は公表禁止
- アイテムは同意があれば受け渡しOK
第3章:調査&議論(10分)
第2章と同じように「調査」と「議論」を行います。
幕間(10分)
「進行ブック」に従い、キャラクターシートの読み込みを行います。
第4章:調査&議論(10分)
これまでの章と同様に、「調査」と「議論」を行います。
第5章:調査&議論(10分)
これまでの章と同様に、「調査」と「議論」を行います。
第6章:意見発表(各1分)・議論(10分)
「進行ブック」に従い、1人あたり1分で意見発表を行います。
意見発表の後、これまでの章と同様に「議論」を行います。
最後の選択
全員がキャラクターの<最後の選択>を行います。
このときの選択は、キャラクターシートやメモ帳などに書き留めておきましょう。
投票
「進行ブック」に従い、投票を行います。
合図とともに、全員同時に指さし投票です。それが最適だと思えるのであれば、自分を指しても構いません。
オンラインの場合はメッセージチャットを活用するなど、全員が一斉に投票できるような形で行いましょう。
エンディング
キャラクターのこれまでの行動や状態、最後の選択に応じて、エンディングが大きく変わっていきます。
ゲーム終了時、行動方針を達成しているかどうかで各キャラクターの点数が決まります。
マーダーミステリーは、あなたたちの手で、あなたたちの物語をつくり、体験することがいちばん重要です。
得点に拘らず、全員が役割を全うし、気持ちよくプレイできるように心がけましょう。
エンディング後は時間をとり、ぜひ感想戦をお楽しみください◎
評価と感想
わたしが本作を遊んだときの条件は、以下の通りです。
評価
いつ狂うか分からないスリル!誰が死ぬかわからない恐怖!新感覚マーダーミステリー!!
推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
⭐☆☆☆☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
本作は「ホラー”系”」というより、「ホラー」です。スリル、恐怖、狂気を肌で感じる物語でした。
推理要素より、物語の世界観を大切にしているシナリオで、マダミスの中ではストプレ(ストーリープレイング)に寄った作品かもしれません。
キャラクターの発狂システムが新鮮で、調査するときの緊張感は、まるでクトゥルフ神話TRPGのよう。
まるで自らも館に迷い込んだかのような、不気味な体験を堪能できました。
発狂やアイテム所持など、ややルールに複雑さがあるため、初心者だけでプレイする際はGMを設けた方がスムーズかもしれません。
マーダーミステリーをいくつもプレイしている猛者の方は、新感覚を楽しめるのでぜひ一度プレイしてみてください◎
ただ、進行ブックに不備があるので、プレイする前に必ず公式HPをご確認ください。
難易度
難易度は『普通』です。
キャラクターシートのボリュームとしては少なめですが、発狂システム、アイテムの扱い、キャラクター別に課せられるルールの差異など、やや複雑なゲーム性を孕んでいます。
マーダーミステリーというゲームを初めてプレイする人がいる場合、GMがいた方が安心かもしれません。
感想
物語の一寸先は闇。呪いはスリル・ショック・サスペンス!
想像以上にホラーテイスト強めで、ホラーシナリオだいすきなわたしは歓喜しました。
ルールブックから要所要所ユーモアが散りばめられており、ゲーム開始前から「これは面白くなるに違いない」と確信。
実際にプレイしていても「なにこれ!?」と驚きの数々に、ついついのめり込んでしまいました。本当に楽しかった。
わたしの卓では5人でプレイしましたが、実際にプレイしてみてもやはり5人がおすすめです。
あるいは、初心者がいるケースで、5人のプレイヤーと探偵役兼GM1人という形でもいいかも。
まとめ
以上、5PL・6PLパッケージ型マーダーミステリー『魔女の聖餐式 REBIRTH』についてのレビューでした。
呪いの足音がすぐそばに、狂気と恐怖が交差する本格ホラーミステリーでした!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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