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【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)

マーダーミステリー

ラーメン大食い勝者が火だるまに!?
ロールプレイ・推理マシマシ!没入感で大満腹のマーダーミステリー!!

「火纏りの男」ってどんなシナリオ?

今回はEJIN研究所のパッケージ型マーダーミステリー「火纏りの男」について、ネタバレなしでレビューします。

物語のあらすじやゲームの遊び方、個人的な感想・評価までご紹介しますので、本記事が今後プレイ予定の方の参考になれば幸いです。

『火纏りの男』ってどんなマダミス?

商品名火纏りの男
プレイ人数4~5人(GM不要)
プレイ時間180分
プレイ環境オフライン
対象年齢15歳~
ジャンルマーダーミステリー
発売時期‎‎‎‎‎‎2021年4月下旬
デザイナー江神号/江神原業一郎
サイズ23 x 16.5 x 2.7 cm
版元EJIN研究所

火纏りの男』は、EJIN研究所のパッケージ型マーダーミステリーで、ラーメン大食い対決のイベント会場で起きた悲劇を描いたシナリオです。

月落としの木霊」に続くシリーズ作品で、実際に遊ぶ部屋を現場に見立て、マップのエリアごとに証拠品を配置して足を運びながら調査・密談を行うため、より深い没入感を楽しめます。

GMレス・オフライン環境で遊べるシナリオで、4人で遊ぶ場合は1人登場キャラクター(探偵・江神原業一郎)をNPCと設定します。

『火纏りの男』のあらすじ

北九州北部・ラモ系ラーメン発祥の地、因賀にてラーメンフェスタが開催されました。

本フェスの目玉イベントは、元アイドル・多留辺柑菜と、元祖大食い芸人・食扶持ぶっちょのラーメン大食い対決。

圧倒的な食べっぷりで勝利の栄光を掴んだ食扶持ぶっちょは雄たけびを上げ、背後から勝者を彩る演出用の低温花火が吹き上がります。

ところが、その花火が食扶持ぶっちょに突然引火し、舞台はあっという間に炎に包まれてしまいます。

消火された時には食扶持ぶっちょはすでに黒焦げの姿に変わり果ててしまったのでした、、、

『火纏りの男』の登場人物

本事件の関係者6名について、ご紹介します。

大食いタレント:多留辺柑菜(25歳/女性)

【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)
  • 「食べ坂り58t(タベザカリフィフティーエイトン)」の元アイドル
  • 前向きで快活・裏表のないまっすぐな性格
  • アイドルユニット解散後は大食いユーチューバーに転身
  • チャンネル名は「たべちゃう柑菜の大食い対決チャンネル」で登録者は20万人超
  • 毎週様々なタレントとの大食い対決を行っている
  • 現在22連勝中

元祖大食い芸人:食い扶持ぶっちょ(40歳/男性)

【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)
  • 自称元祖大食い芸人
  • フードファイター系の番組全盛期に頭角を現したが大食漢以外にこれといった芸がない
  • 場の空気を読まない自分勝手な男で食べ方が汚い(自身はこぼし芸と称している)
  • 大食い番組ブーム終了とともに露出も減り後続の若手に人気を奪われつつある
  • 最近「食いしん坊散財」という食べ歩きグルメ本を出した

動画配信プロデューサー:一戸火逗真(31歳/男性)

【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)
  • 大手動画配信サイトで「大食い対決チャンネル」を立ち上げた動画配信者
  • なよなよして影は薄いがデキる男・恋愛要素強め
  • TV局のAD経験あり
  • 通称カズP
  • 半年前自らに番組を多留辺柑菜の冠番組にしてさらに人気を高めた
  • 動画に関するスキルはほぼ全て習得済み
  • 自ら司会進行までこなしてしまう才気溢れる男だがにじみ出る残念な安っぽさが玉に瑕

だいだいらーめん店主:大浜大吾(39歳/男性)

【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)
  • 油マシマシ豚骨ラーメン屋「だいだいらーめん」店主
  • 口下手でぶっきらぼう・腕組みの似合う男
  • 若い世代を中心とした大食い客から高い支持を得ており全国に支店を持つ
  • かつて大食い芸人食扶持ぶっちょにテレビ番組でこき下ろされたがリベンジを果たし一躍人気店に

片言レポーター:ディップ・スペクトル(34歳/男性)

【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)
  • 歯に衣着せぬコメントで独自路線をひた走る外国人タレント
  • 愉快なハイテンション・変な日本語の長文ナレーションの男
  • アドリブの利いたハイテンションな片言ナレーションを武器に様々な仕事を器用にこなす
  • 日本文化に惚れ込みラーメンにも並ならぬ情熱を注いでいる
  • 同じ事務所の食扶持ぶっちょに来たラーメン対決の仕事に自分を売り込みタダ同然のギャラで来た

ボドゲ探偵:江神原業一郎(36歳/男性)

【マダミスレビュー】「火纏りの男」遊んでみたよ(ネタバレなし)
  • インディーズをメインに活動するボードゲームデザイナー
  • 変人奇人・ゲームマスター兼任キャラクター
  • 自営業である彼の収入は極めて不安定のため副業として探偵業を営んでいる
  • たまたま持ち込んだボドゲをヒントにしたり犯人の思考をプレイヤーになぞらえることで推理する
  • 「調べて形にする」がモットーで様々な場所に出現する
  • 古畑任○郎を真似た奇妙な口調で話す(似てない)

『火纏りの男』の遊び方/ルール

「火纏りの男」のゲームの流れは下記の通りです。

ゲームの流れ
  1. ルールブック通読
  2. キャラクター選択・基本設定把握(5分)
  3. ムービーシーン
  4. 裏設定把握(10分)
  5. 事件発生シーン
  6. 気づいたこと確認・勝利点(5分)
  7. アクションシーンのルール説明(10分)
  8. 調査前シーン
  9. 第1アクションシーン(15分)
  10. 第1情報共有シーン(15分)
  11. 第2アクションシーン(15分)
  12. 第2情報共有シーン(15分)
  13. 第3アクションシーン(15分)
  14. 推理シーン(3分×PL人数)
  15. エンディングシーン

火纏りの男』のゲームの流れについて、アクションシーンは調査フェイズ、情報共有シーンは全体議論と読み替えてもらうとわかりやすいかなと思います。

ムービーシーン、事件発生シーン、調査前シーンでは、全員で台本をもとに読み合わせをするフェイズになります。

また、本シナリオでは、実際にゲームを遊ぶ部屋を事件現場に見立て、エリアごとに証拠品を配置・密談可能となっています。

部屋が分かれていなくても問題はありませんが、3グループ分の密談スペースが確保できる部屋でプレイすることを強くおすすめします。

それでは、ゲームの流れの詳細について、もう少々詳しくご説明します。

ルールブック通読

ゲーム参加者全員でルールブックの内容について一通り確認を行います。

このフェイズにおける主な確認事項は下記の通りです。

  • ゲームの準備
  • プレイヤー人数別のルール説明
  • 本ゲーム独自のルール説明
  • 担当する登場人物の決定方法のその後の進め方

EJIN研究所のシナリオは特に独自のルールが多いため、このフェイズでしっかりとルールブックを確認し、必ず全員で内容を確認しましょう。

キャラクター選択・基本設定把握(5分)

担当する登場人物を選択し、各冊子の基本設定を読み込みます。

全員が内容を読み込んだら、ムービーシーンに移ります。この先の進行は「ボドゲ探偵:江神原業一郎」のキャラクターブックに記載されています。

ただし、本シナリオではプレイ人数によってルールが大きく異なるため、事前にしっかりと確認を行いましょう。

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キャラクターが決まったら各自キャラクターブックと上図の名札を受け取ります

GM1名+PL4名の場合

このゲームの最良のプレイ人数は進行役で事件の真相を把握しているGM1人とPL4人の構成です。

この場合、GMは「ボドゲ探偵:江神原業一郎」を担当します。ただし、アクションチップ・手札・移動・推理など物語本編に深くかかわる行動権利を持ちません。

購入者は一度遊んだ後、このスタイルで色々な友人たちと遊ぶことをおすすめします。

PL5名の場合

GMなし・PL5人で遊ぶ場合、「ボドゲ探偵:江神原業一郎」を担当するプレイヤーは事件の真相を知らないまま進行役を兼任します。

本人物は犯人ではないことが確定している人物のため、負担の少ないキャラクターではありますが、進行役をしながら推理もするのは大変なので、他のプレイヤーは進行役の負担が少しでも軽くなるようサポートしてあげてくださいね。

PL4名の場合

GMなし・PL4人で遊ぶ場合、「ボドゲ探偵:江神原業一郎」はNPCとなり、アクションチップ・手札・移動・推理などゲーム本編にかかわる行動を行いません。

「ボドゲ探偵:江神原業一郎」のキャラクターブックにシナリオの進行管理について記載されているため、「ボドゲ探偵:江神原業一郎」のキャラクターブックはプレイヤー全員で読みながら、協力して進行管理を行ってください。

GM1名+PL5名の場合

GM1人とPL5人の構成で遊ぶ場合、「ボドゲ探偵:江神原業一郎」はプレイヤー1人が担当し、GMは進行管理とルール説明役に専念します。

この場合、「ボドゲ探偵:江神原業一郎」は推理に専念できる最も負担の軽いキャラクターになります。

ただし、パッケージ版の想定に入っていないため、キャラクターブックと冊子などの記述に矛盾が発生する可能性があります。GMが適宜調整を入れて進行しましょう。

ムービーシーン

各プレイヤーが担当するキャラクターの録画動画を読み合わせで再現します。

録画動画についての描写(台本)は各自のキャラクターブックに記載されています。

裏設定把握(10分)

自分が担当するキャラクターブックに記載されている裏設定(心の内とタイムライン)を読みます。

事件発生シーン

フェス当日、事件が起こった現場の様子を読み合わせで再現します。

事件発生についての描写(台本)は各自のキャラクターブックに記載されています。

気づいたこと確認・勝利点(5分)

事件前後にそれぞれ気づいた点と勝利点獲得方法を各自のキャラクターブックにて確認します。

アクションシーンのルール説明(10分)

アクションシーンで適用するルールを全員で確認します。

アクションシーンは、任意の地点に移動して気になるポイントの調査や聞き込み、他のプレイヤーと情報交換・共有するフェイズで、全部で3回あります。

調査前シーン

調査前シーンを読み合わせで再現します。

調査前の描写(台本)は各自のキャラクターブックに記載されています。台本の読み合わせによる描写はこのフェイズで最後となります。

第1アクションシーン(15分)

アクションチップを各4枚or5枚(ゲーム参加人数の構成により異なる)配布し、各キャラクター指定の初期手札1枚を所持した状態で開始します。

アクションチップは、カードの獲得、マップの移動、プレイヤー同士の手札の強制交換に使用します。

移動にもアクションチップを消費してしまうので、調査できる場所を吟味しないとすぐなくなってしまうので要注意です。

また、本シナリオでは、各キャラクターが手札として所持できるカードの枚数に制限があります。(常に1枚だけ所持可能)

新たに調査で獲得したカードを所持したい場合は、これまで所持していた手札のカードを今獲得したカードがあった場所に置き、入れ替える形で手札として所有します。

自分にとって必要な物が何か、しっかり見極める必要がありますね。

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↑アクションチップ(フェイズを跨いでの持ち越しは不可、アクションシーン終了時点で消失するため各フェイズの時間内に使い切りましょう)

第1情報共有シーン(15分)

プレイヤー全員で話し合いを行います。

第2アクションシーン(15分)

アクションチップを各4枚or5枚配布し、手札1枚を所持した状態で開始します。

このフェイズの大まかな流れについては、第1アクションシーンと同様です。

第2情報共有シーン(15分)

プレイヤー全員で話し合いを行います。

第3アクションシーン(15分)

アクションチップを各4枚or5枚配布し、手札1枚を所持した状態で開始します。

このフェイズの大まかな流れについては、第1・第2アクションシーンと同様です。

全員で会話できる機会は本フェイズが最後になりますので、心残りのないようしっかり議論も行いましょう。

推理シーン(3分×PL人数)

各自3分程度で事件の真相を予想して犯人を指名します。

ここで議論することはできません。あくまでも各自が推理を発表する場になります。

全員の推理発表後、投票を行い犯人を特定します。

エンディングシーン

投票結果と分岐条件を基にエンディングを読み上げます。

最後に勝利点の計算を行い、最も点数の高かったプレイヤーが勝利!ですが、物語を全力で楽しんだ方の優勝です◎

『火纏りの男』の評価と感想

それでは、わたしの独断と偏見による個人的な評価と感想を綴ります。

わたしが「火纏りの男」を遊んだときの条件は、下記の通りです。

参加人数  :5名(全員経験者)
プレイ時間 :約4.0時間(感想戦込み)
GM有無   :無
担当キャラ :多留辺柑菜

評価

高難易度!推理要素・ロールプレイ要素強めの没入感ひたひたシナリオです!!

このシリーズは自分が遊んでいるお部屋が事件現場に変わり、実際にエリアを移動して証拠をGETするというところが最大の魅力です。

しかも手持ちのアイテムは1つしか所持できず、新たに獲得したものを手持ちに入れたい場合はその場にいま持っている物を置かなければいけない、、、その葛藤が常にプレイヤーたちにつきまといます。笑

特に台本による読み合わせシーンが多いので、キャラクターになりきりやすかったのもポイントが高いです◎

推理・ロールプレイをどちらもしっかり楽しめる面白いシナリオですが、シナリオ独自のルールがある点、難易度の点からマダミスを何度か経験したことのある方におすすめのシナリオです!

難易度

難易度は『高め』です。

推理要素が強めに設定されているだけあり、かなりの難しさを感じました。

キャラクターブックに記載されている内容は多いですが、読み合わせ台本部分やルール、全員共通の情報などが盛り込まれているため、個人でインプットしなければいけない情報としては然程多くない印象です。

読み合わせを挟みながら徐々に読み込みを進めていく形式なので、内容のインプットも割とすんなりできるかなと思います。

感想

5PLが最適かも!江神原節のブラックジョーク炸裂で終始”らしさ”が詰まった物語体験!

わたしたちの卓では5PLで遊んだのですが、これが正解だったかもしれません。

前作の「月落としの木霊」の時は4PLでプレイしていたのですが、自分のキャラクターをロールしながら進行も管理するのって結構大変で、せっかくの没入感をやや欠いてしまったなあ、と今作をプレイして思いました。

やはり進行役(有人の探偵さん)がいたことで自分のロールに集中できたので、今後プレイ予定の方は5PLで遊ぶことをおすすめしておきます。

本作品の内容についてはあまり深くは触れられませんが、EJIN研究所らしさの詰まったマダミスでした。

「月落としの木霊」も素敵なシナリオでしたが、「火纏りの男」の方がブラックジョークが効いていて笑える面白さがあったので、わたしはこちらの作品の方が好みでした◎

まとめ

今回はEJIN研究所のパッケージ型マーダーミステリー「火纏りの男」についてレビューしました。

ブラックジョークが物語のスパイスとなり、現実空間を事件現場に見立てて捜査することで没入感もしっかり感じられるマダミスでした!

当サイトでは本記事のようなレビューのほか、実際にわたしがプレイして面白かった人数別おすすめシナリオのまとめ記事など、主にアナログゲームについての記事を綴っています。

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