
パッケージマダミスの最高傑作!
正体不明の殺人鬼と未解決事件の真相に迫る濃密な大正ミステリー!!
今回はグループSNE×KADOKAWAのマーダーミステリー『探偵禁止領域』について、ネタバレなしでレビューします。
シナリオのあらすじや遊び方、登場キャラクターや遊んでみた感想・評価についてご紹介しますので、本記事がこれから遊ぶあなたの参考になれば幸いです!
シナリオ概要
| プレイ人数 | 6人(GM不要) |
| プレイ時間 | 240分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2023/8/10 |
| デザイナー | 河野 裕 |
| サイズ | 15 x 3 x 21 cm |
| 版元 | グループSNE/KADOKAWA |
『探偵禁止領域』は、グループSNEとKADOKAWAによるMYSTERY&ADVENTURE BOXシリーズの第四弾で、大正時代初期の帝都を舞台とした”探偵”にまつわる禁断のシナリオです。
プレイ時間の目安は約4時間、濃厚で濃密なミステリー体験を堪能できます。
オフラインでプレイ可能で、GMレスOKの6PL専用シナリオになります。
あらすじ
大正時代初期――。
目覚ましい発展の裏側で、凶悪犯罪が増え続ける帝都。そんな街の治安を、ただひとりの男が支えていました。
彼の名前は蛙屋清次郎。
蛙の仮面を被ったこの名探偵は、年間100件を超える事件を次々と解決へと導き、帝都の人々にとってはまさに光のような存在でした。
しかし、蛙屋にもただひとつだけ汚点がありました。
それは、連続殺人犯・鴉の存在。
鴉だけは何度追っても掴みきれず、無残な死体をいくつも帝都に晒し、街を恐怖に陥れていたのです。
そんなある日、蛙屋は6人に招待状を送ります。
そこには、それぞれの事情に合わせた文面と共に、ただ一文だけは共通してこう綴られていました。
「私はついに、鴉の正体を暴く決意を固めました。○月×日、我が家までいらしてください。私はその夜、探偵禁止領域に足を踏み込むのです。」
招かれたのは、事件で協力してきた老練の刑事、鮮やかな手口を誇る美貌の怪盗、探偵を志し新聞社を退いた元記者、心を病んだ作家、かつて蛙屋と暮らした助手、そして掃除屋と名乗る謎多き老人――。
果たしてこの夜、探偵は何を暴き、誰が闇の底へと沈むのでしょうか。
登場人物紹介
蛙屋から招待状が届いた6名の人物について、より詳細にご紹介します。
刑事(48歳/男性)

- 足で情報を稼ぐことを信条とするベテラン刑事
- 出身は関西
- 3年前に帝都で娘が殺されたことを理由に異動し帝都で殺人事件を担当
- 探偵・蛙屋清次郎とは捜査の一環で知り合い親しくなった
怪盗(29歳/女性)

- 美術品と宝石専門の美しい怪盗
- 男性物のタイトな三つ揃いのスーツを着用
- 極めて高い運動能力と魔法のような変装技術を持つ
- よって堂々と伯仲の帝都を闊歩するが警察に捕まったことはない
元記者(27歳/男性)

- 3年前までは大手新聞社の記者を務めていた
- 探偵に憧れたことが理由で離職
- 今は自称探偵見習い(探偵としての実績はない)
- 助手を羨ましがり「蛙屋に雇われたい」と周囲によく漏らしている
作家(28歳/女性)

- 若くしてその文才が認められ十代で著名な同人誌に短編小説を発表していた
- 精神的な病を抱えて以降もう10年もの間作品を発表していない
- 現在は常に何かに怯えている様子があり現実と空想の混同もみられる
- 仕立ての良い着物を着ており経済的な困窮はなさそうに見える
助手(18歳/女性)

- 元々は女中として探偵・蛙屋清次郎に雇われた
- 明晰な頭脳が気に入られて探偵業を手伝うようになった
- だが半年ほど前に蛙屋からの指示で彼と距離を取っている
- 以降は帝都のホテルで暮らし電報で届く蛙屋の指示に従ってきた
掃除屋(65歳/男性)

- 掃除屋を自称する正体不明の小柄な老人
- 身なりは良くおそらく資産家だろうと予想できる
遊び方/ルール
- オープニングフェイズ
- 1章移動フェイズ(15分)
- 自己紹介フェイズ
- 幕間フェイズ①
- 2章会話フェイズ(15分)
- 幕間フェイズ②
- 3章調査フェイズ
- 3章会話フェイズ(15分)
- 幕間フェイズ③
- 4章調査フェイズ
- 4章会話フェイズ(15分)
- 全体会議フェイズ(45分)
- 最終推理フェイズ
- エンディングフェイズ
本作は、ロールプレイ、調査、会議を重ね、殺人鬼・鴉の正体を暴くため招集された6人の1日を描くシナリオです。
度重なる幕間フェイズや章を進めるごとに物語が徐々に進行し、正体不明の殺人鬼と未解決事件の真相に迫ります。
密談ありのシナリオなので、密談用の空間を最低1つは確保できるだけの広さの部屋でプレイしましょう。
本シナリオの遊び方・ルールについて、もう少し詳しくご説明します。
オープニングフェイズ
ルールブックをよく読み、下記の順にゲームの準備を行います。
- 6冊のキャラクター設定書をテーブルに並べる
- 「カードⅠ」束に入っている6枚の招待状カードを裏向きのまま取り出してテーブルに並べる
- 残りのカードは束のままテーブルに置く
- ルールブックの「物語の背景」の読み上げ
- 担当キャラクターの決定
- 設定書「開始時の状況」パートの各自黙読
※「STOP!」の記載があるところまでの閲覧可能 - ルールブックの「物語進行1」の読み上げ


1章移動フェイズ(15分)
下記2つのグループに分かれて自由に情報交換を行います。
このフェイズでは物語背景の描写にある移動中の様子をロールプレイにて表現するフェイズになります。
他の組の会話は聞かないようにご注意ください。また、同じ組内での密談はNGです。
自己紹介はこの後に専用フェイズがあるため、このフェイズで詳細な自己紹介を行う必要はありません。
自己紹介フェイズ
全員が集まり、設定書の公開情報を基に助手から時計回りの順で自己紹介を行います。
幕間フェイズ①
物語の進行と次の章の準備を行います。
2章会話フェイズ(15分)
自由に会話して情報交換を行います。
幕間フェイズ②
物語の進行と次の章の準備を行います。
3章調査フェイズ
ルールに従ってカードの獲得を行います。
3章会話フェイズ(15分)
自由に会話して情報交換を行います。
幕間フェイズ③
物語の進行と次の章の準備を行います。
4章調査フェイズ
ルールに従ってカードの獲得を行います。
4章会話フェイズ(15分)
自由に会話して情報交換を行います。
全体会議フェイズ(45分)
全員での会議を行います。
最終推理フェイズ
それぞれの目的に従い、推理を行います。
エンディングフェイズ
エンディングブックを開き、物語の結末を確認します。
本シナリオの究極の目的は「参加者全員で物語を作りあげること」です。
ゲームの勝敗は考えず、物語の世界の住人になりきって楽しみましょう!
評価と感想
わたしが本シナリオを遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
推理要素、物語の没入感、ギミック、どれをとっても最高傑作!究極のマーダーミステリー!!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
わたしは本作をプレイして、心底驚きました。
こんなにも重厚で、全方位的に完成されたマダミスがあるなんて――。
これまで、推理が特化して面白いシナリオ、物語に圧倒的な没入感を覚えるシナリオ、斬新なギミックが光るシナリオと、それぞれに際立つ良さを持つ作品はたくさん出会ってきました。
ですが、この作品は違います。
推理、物語、ギミック、そのどれもが高い次元で融合し、濃厚なミステリー体験を味わわせてくれました!
登場人物たちの複雑な関係や思惑、次々に錯綜する情報。長時間にわたり推理や議論を重ねても、誰もが終始夢中で、最後まで高い集中力と満足感をもって完走できました。
さらに、キャラクター一人ひとりが強烈な個性と背景を持っており、物語が進むにつれてどんどん惹き込まれ、迎えたエンディングでの驚きと感動は格別。言葉に尽くせない余韻が残ります。
これまでパッケージ型のマダミスを50作以上遊んできましたが、その中で間違いなくNo.1◎
推理、物語、ギミック、その全てを贅沢に味わいたいあなたに、自信を持っておすすめしたい究極の一作です。
難易度
難易度は”やや難しめ“です。
キャラクター設定書の文量は多めです。
しかし、章が進むごとに徐々に読み進めていくシナリオなので、ゲーム開始時に一度に全部叩き込む必要はありません。
全体的に情報量は大変多いですが、適宜情報を各自で整理して反芻するタイミングもあるので、メモを取らずとも頭がパンクするということなく最後まで楽しむことができました。
感想
期待を超えて圧倒!プレイヤー全員の満足度が高い最高のシナリオでした◎
『何度だって青い月に火を灯した』や『ウェンディ、大人になって』を手掛けた河野裕さんによる、最高難易度のマダミス。
プレイ前から期待値がものすごく上がっていたのですが――それを軽々と飛び越えていく凄まじさでした。
難易度が高いとかそういう次元よりも、推理、物語の没入感、ギミック、そのどれもが桁違いで、本当に楽しくて語彙力が吹っ飛びます。
エンディングの演出がまた最高で、わたしの中で過去最高のお気に入りマダミスに更新されました。
心から「記憶を消してもう一度遊びたい」と思える作品に出会えて、本当に幸せです。
まとめ
今回はグループSNE×KADOKAWAのMYSTERY&ADVENTURE BOX 04『探偵禁止領域』についてレビューしました。
最高難易度にして最高傑作!マダミスの真髄を魅せられた傑作でした◎
当サイトでは、主にパッケージ型マーダーミステリーのネタバレなしレビュー記事を発信しています。
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