悪魔教団の内通者がこの中に、、、!?
圧倒的幻想的なマーダーミステリー!
本記事では、グループSNE×KADOKAWAのパッケージ型マーダーミステリー『鬼面都市捜査File』についてレビューします!
このシナリオのあらすじ・遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしのプレイ感想や評価についてご紹介しますので、シナリオプレイを検討中の方の参考になれば幸いです!
シナリオ概要
プレイ人数 | 6人(GM不要) |
プレイ時間 | 180分 |
プレイ環境 | オフライン |
対象年齢 | 14歳~ |
ジャンル | マーダーミステリー |
発売時期 | 2023/5/31 |
デザイナー | 友野 詳/今野 隼史 |
サイズ | 15 x 3.2 x 21 cm |
版元 | グループSNE/KADOKAWA |
『鬼面都市捜査File』は、グループSNEとKADOKAWAによるMYSTERY&ADVENTURE BOXシリーズの第三弾です。
悪魔を崇める邪悪な教団と通じる”裏切者”を追うファンタジーの世界のマーダーミステリーになります。
オフライン、GM不要でプレイ可能な6人専用のシナリオです!
あらすじ
多くの異種族や怪物も存在している世界、民に恐怖をもたらす悪魔を崇める邪悪な教団が都の闇に蔓延っていました。
悪魔事件対策局は、犯罪を繰り返す悪魔教団を捜査し、日々対抗していました。
その一環が、魔力を刺激し、暴力衝動を引き起こす魔薬密売の摘発――
魔薬はその恐ろしい作用と高い依存性から多くの人々を惑わし、平安な世の中を脅かしていました。
対策局はいま、その密売に関わる人物4人を捕縛したところです。
この4人の容疑者の中に、密売を取り仕切る悪魔教団の幹部がいます。
そしてその幹部は、対策局内に身を潜める裏切者と通じています。果たして、裏切の内通者は一体誰なのでしょうか?
登場人物紹介
裏切者がいる可能性が高いとされる悪魔事件対策局第八班――その捜査員6名をご紹介します。
法の神殿所属:班長(43歳/男性)
うちには優秀な若いのがいるからな。任せるわ。
- 第八班の指揮を執る捜査官
- 白髪交じりの頭でがっしりとした体格
- かつては最優秀と呼ばれ共感力で口を割らせる尋問が得意だった
- ここ数年はささいな悪事を賄賂で見逃す飲んだくれという評判
- 彼を立ち直らせようとしていた若い相棒が3か月前に悪魔教団の摘発現場で殉職している
智識神殿所属:鑑定士(18歳/女性)
現場に落ちていたこの土ですが、非常に興味深いです。
- 小柄で華奢、眼鏡をかけている
- 亡くなった父も悪魔事件対策局の捜査官
- その父に憧れて証拠の鑑定士として15歳で採用された
- 3年間で多くの事件を解決に導いてきた
海の神殿所属:料理人(39歳/男性)
腹が減っては動けないぞ。さあ、たっぷり食え。護衛はオレが代わってやる。
- 肉厚の体格に、髪は短く刈り上げており、料理服をまとっている
- もとは貴族や富豪も通う高級料理店のオーナーシェフ
- 1年前に流行り病にかかり後遺症で思うように動けなくなって引退
- 縁があって対策局に参加
- 頼もしいバックアップ役
幸運の神殿所属:元盗賊(30歳/男性)
俺は、あんたらの影だ。背後からひっそり背中を守る。
- プライベートな情報は明かさず仲間にもめったに素顔を見せない
- 盗賊組織のメンバーだったがそこを脱して2か月前に対策局に加わった
- 裏社会からの情報集めを任務としている
大地の神殿所属:新人(18歳/女性)
班長!ここはあたしにお任せを!早く出世して地位を譲ってください。
- 実年齢よりも大人びて見える青髪の美人
- もとはストリートで荒れていたが、15歳で悪魔事件対策局の下働きになる
- 連絡係を3年弱勤め2か月前に捜査官として昇格
- 悪党をあの手この手でひっかけるのが得意
- 「いずれはトップに」が口癖
物語の神殿所属:語りべ(18歳/女性)
本職は広報ってことになっていますが、それ以外でもお役に立ちますよ。
- 長い桃色の神と黒い瞳が特徴
- 物語の神を崇める神殿はさまざまな情報を人々に伝える役目を果たしている
- 広報以外に現場での捜査にも参加
- 異種族とのつながりによる情報収集を担当
遊び方/ルール
- ゲームの準備
- オープニングフェイズ
- 幹部摘発フェイズ(10分)
- 分局襲撃!フェイズ
- 第1捜査フェイズ(3分+15分)
- 第1捜査会議フェイズ(5分)
- 第2捜査フェイズ(3分+20分)
- 第2捜査会議フェイズ(10分)
- 第3捜査フェイズ(3分+20分)
- 第3捜査会議フェイズ(15分)
- 拘束フェイズ(思考時間3分)
- 最終選択フェイズ
- エンディングフェイズ
本ゲームは、3回の捜査、3回の会議を重ねて裏切者の拘束を目指すシナリオです。
鬼面都市の地区ごとに捜査を行いながら、集めた証拠や証言などの情報をもとに密談・全体会議を通じて推理を進めていきます。
上記の時間は目安です。ルール確認で手間取る場合はロスタイムを設けるなど適宜工夫することをおすすめしますが、むやみやたらの時間延長はゲームの面白味を損なうためご留意ください。
本シナリオの遊び方・ルールについて、もう少し詳しくご説明していきます。
ゲームの準備
ルールブックを基に、マップシート、容疑者表示シート、悪魔教団幹部情報カードを配置します。
また、タイマーなど時間の計測ができるものや、最後の選択時に筆記用具も必要となりますので、ご注意ください。
オープニングフェイズ
オープニングを読み上げ、キャラクター選択と設定書前半の読み込みなどを行います。
物語のオープニングをはじめ、悪魔事件対策局や悪魔教団の解説を代表者1名が読み上げます。
その後、キャラクター設定書表紙の公開情報を参考に、プレイヤー1人がキャラクター1人ずつ選びます。
担当キャラクター決定後、設定書の《STOP!》と書かれた部分まで黙読します。時間の目安は10分程度確保すると良いでしょう。
設定書には各キャラクターの背景情報や秘密、行動指針や目的などが記載されています。他のプレイヤーに内容を知られないよう、静かに読み込みましょう。
設定書を読み込んだら、表紙の公開情報をもとに各キャラクターになり切り自己紹介を行います。
幹部摘発フェイズ(10分)
班長役プレイヤー司会のもと、魔薬密売に関わる以下4人の容疑者から教団幹部を特定する会議を行います。
- 森の民の薬師
- 山の民の鍛冶屋
- 鳥人族の伝令
- 恋の女神に仕える乙女
8枚の悪魔教団幹部情報カードから、6人のプレイヤーがPC番号順に1枚ずつ好きなものを選び全体公開します。
カードの内容を読み上げ、この情報をもとに「魔薬密売を仕切る悪魔教団幹部は誰か」議論を行います。
カードの選択から議論まで、トータルで10分なので時間管理を行いつつ相談しましょう。
分局襲撃!フェイズ
襲撃テキストを読み上げ、その指示に従い設定書の後半(《STOP!》の先)を読み込みます。
全員が読み込んだことを確認後、捜査フェイズの準備を行います。
ルールブックを基に鬼面都市全体マップシート、聞き込み現場シート、地区情報カード、特殊カード、聞き込みカード、そして先ほどのフェイズで公開されずに残った悪魔教団幹部情報カードをセッティングします。
第1捜査フェイズ(3分+15分)
どの地区を捜査するかを話し合い、訪れた地区の情報カード、聞き込みカード、特殊カード、未公開の教団幹部情報カードから合計2枚を獲得します。
まずは捜査地区の相談です。
自分がどの地区に行くのか、3分までの間に話し合います。
相談を終えたらそれぞれ自分がどの地区に向かうか、班長の合図でマップシートにキャラクターコマを置いて表示します。
もし同じ地区に4人以上集中した場合、班長が3人になるまで残る者を選び、選考に漏れたキャラクターは別の地区を選び直します。
それぞれのプレイヤーは下記のカードから条件に見合う2枚まで獲得できます。
- 自分のキャラクターコマを置いた地区の地区情報カード
- 聞き込みカード
- 取得条件を満たした特殊カード
- 未公開の悪魔教団幹部情報カード
プレイヤーにはトークンが2枚ずつ配布され、カードを獲得したらトークンを1枚消費します。
プレイヤー同士はこのフェイズ中に個別の話し合い(密談)を行います。密談は2~3人で行います。4人以上ではできません。
密談中のみ、カードを他の人に譲渡したり、交換したりすることができます。
第1捜査会議フェイズ(5分)
全体で会議を行います。
秘密裏に情報をやりとりすることはできず、常に全員が会話の内容を理解できるように話しましょう。
カード情報を全体公開することもOKです。
第2捜査フェイズ(3分+20分)
第1捜査フェイズと同様ですが、取得できるカードは3枚(配布トークン3枚)で時間が5分長くなります。
第2捜査会議フェイズ(10分)
第1捜査会議フェイズと同様ですが、時間が5分長くなります。
第3捜査フェイズ(3分+20分)
第2捜査フェイズと同様です。
第3捜査会議フェイズ(15分)
第2捜査会議フェイズと同様ですが、時間がさらに5分長くなります。
拘束フェイズ(思考時間3分)
投票で最多票を得た1人が拘束されます。
投票前に各自思考をまとめる時間が3分あります。その間、声を出してはいけません。
その後、班長の合図で一斉に「裏切者として拘束されるべきPC」を1名指さします。
投票で最多票となった1名が拘束されます。
同数だった場合、最多数だったキャラクターのみがそれぞれ1分ずつの弁明機械を与えられます。
その後再投票を実施しましょう。それでも同数なら誰も拘束されません。
最終選択フェイズ
それぞれの設定書末尾に記載された「最終選択の選択肢」から1つを選び、対象を誰にするか決め秘密裏に記録します。
エンディングフェイズ
エンディングブックを開いて最後の選択結果と照らし合わせましょう。
選択の結末が描かれています。
これらのエンディングはゲーム上の勝利条件達成の是非を判断するものであり、本当の結末、キャラクターの心情やその後はエンディングブックの記述を参考にプレイヤーたち自身でつくりあげましょう。
結末に応じて勝利条件を達成したかを確認します。
勝利者を確認し、どのような物語ができあがったのか、感想戦でみんなで振り返り咀嚼しましょう◎
評価と感想
それでは、独断と偏見による評価と感想についてお話していきます!
わたしが本シナリオを遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
ザ・ファンタジーの世界!物語の世界観を楽しみたい方・マダミス初心者におすすめ!!
このシナリオでは、一般的なマダミスのシナリオとは少し異なる構成になっています。
ゲームの初っ端にキャラクター設定や事件の背景を全て詰め込むと情報過多で「わー!!」となってしまうことが(わたしは)多いのですが、そうではなく、幹部摘発フェイズ、分局襲撃!フェイズを経ることで、段階を踏んで物語に少しずつ入り込んでいくことができるようになっています。
舞台がファンタジーで現実世界と離れていることもあり、一気に物語の世界観をインストールしようと思っても難しいのですが、上記のような工夫がされることでファンタジーの世界に少しずつ沈み込む感覚が味わえるところが良いですよね◎
また、本シナリオは推理要素より、物語を作り上げることや、世界観を楽しむことに重きを置いているため、ゴリゴリ推理したい方よりはロールプレイを楽しみたい方におすすめのシナリオです。
難易度
難易度は「やさしめ」です。
キャラクターごとの設定書カードのテキスト量は普通くらいですが、先述の通り段階を踏んで設定書を読み込むため、徐々に物語の世界を理解することができます。
シナリオ構成やルールに複雑な点はなく、マダミス初心者の方でもGMレスで難なくプレイできるかと思います。
感想
幻想的な世界観のミステリーが好きな方必見のマーダーミステリー!
見ての通りイラストがとっても素敵で世界観にグッと引き込まれ、物語にもいろいろな魔法が登場して推理に関わるのでワクワクします。
どのような魔法があって、魔法を使った痕跡がどこにあったのかなど、推理の導線となる情報がしっかりと表に出てくるため、「こういう魔法があるかもしれない」など仮定や妄想でふわっとすることもなくミステリーとして楽しめる作品となっています。
ただ、推理の難易度は高くないため、下手したら第2捜査フェイズの段階ですでに裏切者が誰か確定してしまうかも、、、?
まとめ
今回はグループSNE×KADOKAWAのMYSTERY&ADVENTURE BOX 03『鬼面都市捜査File』についてレビューしました。
幻想的な世界と裏切者を追及するストーリーが面白く、世界観にどっぷりハマるシナリオでした!
当ブログでは、主にパッケージ型のマダミスを中心に、多くのシナリオについてネタバレなしのレビューを綴っています。
プレイ人数別おすすめシナリオや、ほかのMYSTERY&ADVENTURE BOXシリーズについてのまとめ記事もありますので、下記関連記事もあわせてチェックしてみてください◎
\あわせて読みたい/