
1920年代フランス、ワイナリーの悲劇!!
惨たらしいワイン漬けの死体の謎に迫る辛口マーダーミステリー!?
本記事では、グループSNE×cosaicのマーダーミステリー『死に浸かるワイナリー』について、レビューします。
シナリオのあらすじや遊び方、登場キャラクター、ネタバレなしの感想や評価についてご紹介します。当記事がこれからプレイ予定のあなたの参考になれば幸いです。
シナリオ概要
| プレイ人数 | 5-6人(GM不要) |
| プレイ時間 | 150分 |
| プレイ環境 | オフライン |
| 対象年齢 | 15歳~ |
| ジャンル | マーダーミステリー |
| 発売時期 | 2024/3/23 |
| デザイナー | 鯖井凌 |
| サイズ | 27 x 19 x 3 cm |
| 版元 | グループSNE/cosaic |
『死に浸かるワイナリー』は、グループSNE×cosaic発のMYSTERY PARTY IN THE BOX SERIES作品のうちの一つで、1920年代フランスのとあるワイナリーで見つかったワイン漬けの死体の謎を解明するマーダーミステリーです。
GMレスかつオフライン環境で遊ぶことができるシナリオで、初心者から上級者まで幅広く遊べる内容です。
5人または6人で遊べますが、5人で遊ぶ場合は1人をNPCに設定します。(どのキャラクターをNPCとするかはルールブックに記載されています)
あらすじ

1920年代、フランスの片隅にひっそりと佇むワイナリー。
ここでは定期的に関係者を集めた試飲会が開かれ、香り高いワインを片手に、人々は静かな祝宴を楽しんでいました。
その晩も例外ではなく、参加者がグラスを掲げて乾杯を交わそうとした瞬間――。
坂の上から、轟音と共に巨大なワイン樽が転がり落ちてくるのが見えました。
あまりに突然の出来事に、皆慌てて猛スピードで向かってくる樽から逃れます。
転がってきた大きな樽は坂道の途中にある岩にぶつかって宙へと飛び上がりました。
それは一瞬太陽と重なったかと思うと、勢いよく落下してはじけて壊れ、木片とワインがぶちまけられました。
恐る恐る近づいた一同の視界に飛び込んできたのは――。
樽の中から姿を現した、毛をすべて剃り落とされ、首と胴が断たれ、内臓を抜かれた裸の女性の亡骸。
それは、このワイナリーのオーナーの無残な“ワイン漬け死体”だったのです。
惨劇の幕開けを告げるには、あまりに衝撃的な光景でした。
登場人物紹介
ワイナリーにかかわる重要な人物たちについて、簡単にご紹介します。
セリエ長(30代/男性)

- ワイナリー勤続年数:約8年
- オーナーとともに当ワイナリーを立ち上げたオーナーの夫
- 夫婦仲はあまり良くないと噂されている
- オーナーに次ぐ権限を持っているがただの従業員かのように働いている
- 定期試飲会は始まっていなかったはずだがすでに酔っぱらっている
醸造チーフ(40代/男性)

- ワイナリー勤続年数:約7年
- ブドウを発酵させワインに変える施設の管理者
- 収穫された旬のブドウの味わい、香りを逃さぬよう、最新の注意を払って業務に努める
- その姿勢から人望が厚い
- ワイナリーの閑散期にはよく海外へ旅行に行くが人を連れて行ったことはない
農園管理人(50代/女性)

- ワイナリー勤続年数:約7年
- 様々な農園で働いてきた経歴をもつ
- 当ワイナリーに来てからも熱心にブドウを育てている
- 良いブドウ、良い土とは何かを日ごろから勉強している
- ブドウの蔓を頭に巻いており数日前から様子がおかしい
樽職人(20代/女性)

- ワイナリー勤続年数:約5年
- 若手の女性だが力強く、樽の作成・修理の腕は本物である
- 身寄りのない身らしく当ワイナリーに来たばかりの頃はまだ10代だった
- 痩せている上に技術もなかったが多くの修行と勉強を重ねて今の筋肉と技術を手に入れた
運搬リーダー(20代/男性)

- ワイナリー勤続年数:約2年
- 常駐メンバーで唯一当ワイナリーにあるすべての重機を運転できる男性
- ワインに対して強い興味を持ち当ワイナリーへの就職を希望していたことから常駐メンバーとなった
- 隣国Xの言葉が喋れるためそこから来た見学客はソムリエではなく彼が対応している
ソムリエ(40代/女性)

- ワイナリー勤続年数:約1年
- 去年からここで働くことになったワイナリー1の新人である
- ソムリエの国家資格を持っていたためそれがそのまま肩書きになった
- 主な仕事は接客で見学に来た一般人に様々なワインを照会する役を担っている
- それ以外ではワイナリー内の各所で仕事の手伝いをしている
遊び方/ルール
- 物語の始まり/担当キャラクターの決定
- 設定書読み込み(15分)
- 自己紹介
- 第1調査フェイズ(23分)
- 第1議論フェイズ(7分)
- 描写フェイズ
- 第2調査フェイズ(28分)
- 第2議論フェイズ(10分)
- 意見自由表明フェイズ(1人約1分)
- 投票フェイズ
- 犯人処遇決定フェイズ(3分)
- アクションフェイズ
- エンディングフェイズ
本シナリオの構成としては、他のMYSTERY PARTY IN THE BOXシリーズ作品と同様です。
本シリーズの特徴は、拘束する人物を決定した後に物語を大きく揺るがす”アクションフェイズ”があるところです。
アクションの内容はさまざまで、たとえば誰かの所持品を奪う、誰かを襲撃する、逃げる、身を守るなど、それぞれの人物の行動指針や目標に沿った固有のアクションを持ちます。
作品によっては実行されたアクションの結果によって、エンディング分岐することもあるかもしれません。物語の最後、フィナーレを迎えるにあたって彩りを添えてくれることでしょう。
また、本作品は密談があります。プレイの際は2組~3組の密談ができるよう、ゆとりある空間で遊ぶことをおすすめします。
それでは、各フェイズについて、後述にてより詳しく説明していきます。
物語の始まり/担当キャラクターの決定
まず、パッケージ内容物の「ルールブック」を開き、内容物の確認やテーブルセッティング、本シナリオのルールを全員で協力・確認します。

準備が完了したら、「ルールブック」に記載されている「物語の始まり」を代表者1名が読み上げ、その後「担当キャラクターの決定」を行います。
すべてのプレイヤーが異なるキャラクターを担当するよう、じゃんけんなど適当な方法で決定しましょう。
誰がどのキャラクターを担当するか決まったら、担当するキャラクターの設定書を各自受け取ります。
5人でプレイする場合、NPCを設定してプレイしますが、どのキャラクターがNPCとなるかはルールブックに記載されているので確認しましょう。
設定書読み込み(15分)
担当するキャラクターの設定書を全員が受け取ったら、一斉に黙読を始めます。
設定書はゲーム中、いつでも読み返すことができます。
設定書の内容は各自が抱える秘密やバックボーン、秘匿のアクションなどが書かれています。他のプレイヤーに内容を見られないよう、注意しましょう。
自己紹介
勤続年数の長いキャラクターの順に、担当するキャラクターになりきって自己紹介を行います。
設定書表紙の公開情報を読み上げるとよいでしょう。
第1調査フェイズ(23分)
調査フェイズでは、席を離れて自由に【密談】や【調査】を行うことができます。
他のプレイヤーに聞かれない、任意のプレイヤーとのみ会話する密談は許されている一方、全員で会話することはできません。
フェイズ開始時に調査トークンを6人のプレイであれば4つずつ、5人のプレイであれば5つずつ各プレイヤーに配布します。

- 密談の最大人数:6人プレイ時は2人まで・5人プレイ時は3人まで
- 密談に参加できず1人で孤立するプレイヤーが生まれないよう要注意
- 手札カードは相互同意のもと公開・交換・譲渡OK
- 手札にないカードは公開・交換・譲渡NGだが口頭で内容を伝えるのみOK
- トークンの譲渡や交換はNG
- 調査トークン1個場に支払うことで場にある調査カードを調査することが可能
- 自身のキャラクターイラストが描かれているカードを調査することは不可能
- カードの表面に”場に戻す”表記があった場合はカードの内容を確認後に元ある場所に横向きかつ裏向きで戻す
- 死体カードは調査NG
(死体を調査したい場合は両隣に置かれた死体の様子カードを調査すること) - 秘密カード・まだ場に置かれていないカードは指示があるまで調査NG
- 全く同じ名称のカードの連続調査はNG
(フェイズが変わると再度調査可能となる) - 調査フェイズ終了時点でトークンが手元に残っている場合は速やかにすべて使い切って調査完了すること
(調査トークンはフェイズを跨いで持ち越し不可)
第1議論フェイズ(7分)
全てのプレイヤーは席に着き、全員で今後の行動や推理について自由に話し合います。
このフェイズでも手札の譲渡や交換はできますが、必ず全員にその行為が見えるよう行いましょう。
手札にあるカードは公開可能です。公開してもカードの所有権は変わりません。
描写フェイズ
パッケージ内の「描写フェイズシート」を開いて代表者1名が読み上げ、その指示に従います。

第2調査フェイズ(28分)
第1調査フェイズと同様に、【調査】や【密談】を行います。制限時間は第1調査フェイズより5分長く設定されています。
第2議論フェイズ(10分)
第1議論フェイズと同様に、全体会議を行います。
5人で遊んでいる場合、このフェイズにて「5人プレイ用NPCカード」を公開します。
意見自由表明フェイズ(1人約1分)
勤続年数の長いプレイヤー順に1人1分程度自由に拘束すべき人物、推理、意見、自身の目標に関することなどを発表します。
各自1分程話し終えたら終了です。
投票フェイズ
全てのプレイヤーは一斉にこの事件の犯人だと思う人を指さしで投票します。
5人プレイの場合、NPCにも投票可能です。最多票を得た人物は【拘束】された状態となります。(拘束とは、最多票の人物が逃げられないようにするゲーム上の処理です。)
基本的には「犯人」への投票を目指しますが、自身の勝利条件のために最適だと考える方へ自由に投票して構いません。
最多票の結果でエンディングが分岐します。この【拘束】された人物の処遇を決定するフェイズに移行します。
犯人処遇決定フェイズ(3分)
【拘束】された人物をどのように処分するか決定します。
3つの選択肢のうち、どれを選択するか【拘束】された人物も含めて全員で3分間話し合います。
3分間の話し合いの後、投票フェイズのように全員で一斉に投票を行います。
- 警察に引き渡す
- 犯人を追放して事件を隠蔽する
- 犯人を受け入れ事件を隠蔽する
「犯人を追放して事件を隠蔽する」が最多票になった場合、犯人を追放するための車を運転する同行者を1人決定します。
再度3分間の話し合いを行い、投票により決定します。このフェイズでの決定が、後のエンディングに影響するかもしれません。
アクションフェイズ
担当キャラクター各自設定書に記されたアクションを行動順に処理していきます。
【拘束】されていない全プレイヤーは、順番に誰が何のアクションを行うのか、対象は誰かを宣言して実行・処理していきます。
エンディングフェイズ
エンディングブックを開き、指示に従いましょう。
最後に各キャラクターの目標や勝利点、秘密を発表し、最も得点が高かったプレイヤーが勝利です!
マダミスで一番大事なことは”全員で協力して自分たちだけの物語をつくりあげること”です。
全員が一人ひとり役割を全うし、気持ちよく遊べるよう尽くし、その後の感想戦で盛り上がりましょう◎
評価と感想
わたしが本作品を遊んだときの条件は、下記の通りです。
評価
はじまりの長閑な日常と悍ましい悲劇のコントラストが凄い!味わい深い辛口ミステリー!!
| 推理難易度 | ロールプレイの楽しさ | 世界観没入度 | 感情揺さぶられ度 |
| ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ | ⭐⭐⭐☆☆ | ⭐⭐⭐⭐☆ |
1920年代のフランスが舞台のレトロな雰囲気と、深みのある辛口なストーリーを味わうことができるシナリオです。
「長閑な日常」と「突如訪れる惨劇」という強烈な対比が加わり、プレイ開始直後から強いインパクトを残す構成が秀逸!
樽が転がり落ち、砕け散った中から現れる惨たらしい死体という冒頭の演出は、ただの導入以上に物語全体の空気を支配してしまうほどの迫力を持っています。
ゲームとしての構成は比較的シンプルで、ルールも分かりやすいため、マダミス初心者でも戸惑うことなく楽しめる設計になっています。
しかし同時に、時間制限のシビアさが議論の緊張感を高め、経験者にとっても歯ごたえ十分!
議題の取捨選択が勝敗を分ける要素になっており、シンプルながらもプレイヤーに戦略的思考を求める点は大きな魅力です。
さらに、登場人物たちはそれぞれが強い個性を持ち、ロールプレイの余地が豊富。
キャラクターの背景や立場がしっかりと物語に絡んでおり、演じながら推理することで没入感がより深まります。
総じて、本作は「物語性」「推理性」「ロールプレイ性」のバランスが非常によく取れた作品です。
ワインの香り漂うノスタルジックな舞台で、ほろ苦い余韻を残す辛口のミステリー。
初心者から経験者まで幅広くおすすめできる、プレイ後の満足感が高いシナリオだと感じました。
難易度
難易度は『やややさしめ~普通』です。
キャラクター設定書や場に出る情報については多くもなく少なくもない分量だと思いますが、制限時間はタイトな印象でした。
マダミスに慣れていない初心者の方でも難なくゲームを進められると思いますが、プレイ感としてはやや難しく感じるかもしれません。
感想
初心者も経験者も楽しめそうな、バランスのとれたマダミスでした!!
今回遊んだシナリオは、全員が20作以上経験しているベテランメンバーだったこともあり、進行はとてもスムーズ。
各自のロールプレイも自然に盛り上がり、誰もがしっかりと物語の世界観に浸ることができました!
経験者ならではの議論の熱さもありつつ、シナリオ自体がバランス良く設計されているので、初心者が混ざってもきっと楽しめるだろうと感じました。
特に印象的だったのは「感想戦までを含めて楽しんで欲しい」という意図がしっかりと組み込まれている点です。
パッケージに表記されている時間が本編だけでなく感想戦までを含んでいるので、遊んだ後も余韻を味わいながらしっかりと語り合えるのが魅力的でした☺︎
ダラダラと長引くことなく、ちょうど良いテンポで最後まで楽しめたのも好印象◎
物語の雰囲気もわたし好みで、終わってみれば高い満足感を得られるシナリオでした。
プレイ後に思い返すたびに「あれはいい時間だったな」と感じられる、そんな思い出深い作品。
経験者でも新鮮な気持ちで臨めるし、初心者にも安心しておすすめできる、汎用性の高いマダミスだと思います。
まとめ
今回はMYSTERY PARTY IN THE BOX SERIESシナリオ『死に浸かるワイナリー』についてレビューしました!
1920年代フランスが舞台の、ワイン漬けの死体の惨たらしい事件の真相に迫る辛口ミステリーでした。
当サイトでは、本記事のようなマダミスレビューのほか、実際にわたしがプレイして楽しめた、プレイ人数別おすすめシナリオなど、マダミスを中心にアナログゲームのさまざまな情報を発信しています。
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