ドイツ年間ゲーム大賞2022受賞作品!!
二層構造パズルのタイル配置ボードゲーム!
今回は、二層構造パズルゲーム『カスカディア』についてレビューします。
ゲームのルールや遊び方、プレイ感想や評価についてもご紹介します。本記事が参考になれば幸いです!
ゲーム概要
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 30~45分 |
対象年齢 | 10歳~ |
ジャンル | タイル配置/パズル |
発売時期 | 2022/3/26 |
サイズ | 24.2 x 24 x 7.2 cm |
版元 | Alderac Entertainment Group (AEG) |
日本語版販売 | 株式会社ケンビル |
『カスカディア』は、動物タイルと生息地タイルを組み合わせるパズルのようなタイル配置ボードゲームです。
5種類の動物タイルの配置形状と5種類の生息地タイルの繋がりが得点となり、北アメリカ大陸の豊かな自然と動物の生態系をテーマとした作品です。
2022年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞した作品で、発売当初話題となった大人気のボードゲームです。
シリーズ作品と拡張版一覧
その他のシリーズ作品・拡張版は以下の通りです。
遊び方/ルール
本作は、5種類の動物タイル(サケ、クマ、キツネ、タカ、エルク)と5種類の生息地が描かれたタイル(山、森林、大平原、湿地、川)を配置してプレイヤー間で得点を競う二層構造パズルゲームです。
ソロプレイ用の特別ルールもありますが、ここでは複数人でプレイする際のゲームルールを解説していきます。
ゲームの目的
各プレイヤー20回手番終了後、最多の勝利点を持つプレイヤーの勝利!
勝利点は、動物タイルの配置、同じ生息地タイルの繋がりの数、プレイヤー間による同じ生息地タイルの繋がりの数の比較、自然トークンの数によって計上されます。(詳細は後述で解説します。)
ゲームの準備
- すべての動物ディスクを布袋に入れてよく混ぜる
- プレイ人数に応じた生息地タイルの枚数を準備する
- 生息地タイルを裏向きにしてよく混ぜ全員の手が届くところに裏向きの山にして置く
- 5種類の動物それぞれについての動物得点カードをランダムに1枚ずつ選び全員が見えるようにテーブル中央に配置する
- 各プレイヤーは初期生息地タイルをランダムに1枚受け取り各自自分の前に置く
- 生息地タイルの山から4枚引いてテーブル中央の全員の手が届くところに表向きで並べる
- 布袋から動物タイルを4枚引いて先ほど並べた4枚の生息地タイルの側に順に1枚ずつ配置する
- すべての自然トークンを全員が手の届くテーブル中央に置く
プレイ人数ごとのゲームに使用する生息地タイルの数は下記の表の通りです。除外する生息地タイルはゲーム中に使用しないため、表面を見ずに箱にしまいます。
プレイ人数 | 生息地タイルの使用枚数 |
2人 | 43枚(42枚を除外) |
3人 | 63枚(22枚を除外) |
4人 | 83枚(2枚を除外) |
ゲームの流れ
本ゲームは、時計まわりの順に各プレイヤー手番を行うターン制のゲームです。
プレイヤーは自分の手番に下記を順に実行し、ゲーム終了条件を満たすまで繰り返し行います。
- 過剰繁殖状態の確認とリセット
- 生息地タイル・動物タイルのドラフト
- 手元の自然環境への追加
※自然環境:自分の手元に並べられた生息地タイル・動物タイル全体のこと
プレイヤーは生息地タイルと動物タイルのペアを1組選び、それらを自分の自然環境に追加配置していきます。
各プレイヤーの手番終了時、ドラフトされた分の生息地タイルと動物タイルを補充するため、生息地タイルの山から新たなタイルを、布袋から新たな動物タイルをそれぞれ引いてセットします。
生息地タイルの山が全て尽きたらゲーム終了です。(各プレイヤーは手番をちょうど20回ずつ行うことになります。)
その後、最終得点計算を行い、最多勝利点を獲得したプレイヤーの勝利です。
それでは、後述にてもう少し詳しく説明します。
過剰繁殖状態の確認とリセット
各手番開始時、テーブル中央にセットした生息地タイル4枚・動物タイル4枚があります。
生息地タイル1枚と動物タイル1枚から成るペアの形で並べられ、手番プレイヤーは4組のペアから任意の1組を選び取ります。
ペアを選ぶ前に、同じ種類の動物タイルが3枚以上並んでいないか確認します。
3枚以上並んでいる状態を「過剰繁殖」と呼び、下記のリセット処理を行います。
※各自所持している自然トークンを1枚消費することでテーブル中央の任意の枚数をリセット可能
4枚の動物タイルがすべて同じ種類である場合
必ず下記の手順を行い、リセットします。
- 4枚の動物タイルすべてを取り脇に避ける
- 1枚ずつ布袋から4枚の新たな動物タイルを引いて順番に生息地タイルとペアにする
- 上記処理が終わったら避けて置いたすべての動物タイルを布袋に戻す
4枚中3枚の動物タイルが同じ種類である場合
手番プレイヤーがリセットするか否かを選ぶことができます。リセットする場合は下記手順を実施します。
- 同じ種類の3枚のディスクのみを取り脇に避ける
- 1枚ずつ布袋から3枚の新たな動物タイルを引いて順番に生息地タイルとペアにする
- 上記処理が終わったら避けて置いたすべての動物タイルを布袋に戻す
生息地タイル・動物タイルのドラフト
次に、手番プレイヤーは生息地タイルと動物タイルのペアを1組選び取ります。
通常はペアになっている生息地タイル・動物タイルをセットで取る必要があります。
ただし、自然トークンを1枚消費することで通常のドラフトの代わりに、並べられている任意の生息地タイル、動物タイルをペアを無視して1枚ずつ取ることができます。
手元の自然環境への追加
生息地タイルと動物タイルを1枚ずつ選んだら自分の手元に広がる自然環境に配置していきます。
- 自然環境内に既に存在する1枚以上の生息地タイルに隣接して配置する
- 生息地タイルを別の生息地タイルの上に重ねて配置できない
- 自然環境に既に置かれている生息地タイルを移動させることはできない
- タイルに描かれている地形を一致させる必要はないが同じ地形をできるだけ隣接させることで勝利点を獲得できる可能性がある
- 自然環境に置かれた生息地タイル上に動物タイルを配置する(各生息地タイルに存在できる動物タイルは1枚のみ)
- 動物タイルを配置する生息地タイルには同じ動物アイコンが表示されていなければいけない
- サケは他のサケ3匹以上と隣接するように配置することができない
- 動物アイコンの一致する空き生息地タイルがない場合や配置したくない場合はその動物タイルを布袋に戻す
- 動物タイルをキーストーンタイル(詳細は後述)上に配置した場合は自然トークンを1枚獲得する
選んだ各タイルを配置したら、テーブル中央に置かれた生息地タイルと動物タイルを1枚ずつ補充します。
ここまで完了したら手番終了です。時計回りに次のプレイヤーが手番を行います。
タイルの見方
各生息地タイルには1~2種類の生息地(地形)と、1~3種類の動物アイコンが描かれています。
生息地1種類と動物アイコン1種類の生息地タイルは「キーストーンタイル」です。
アイコンと一致する動物タイルをこのタイルの上に置くことで自然トークン1枚を獲得できます。
自然トークンは1枚消費することでリセット処理やペアを無視したドラフトが可能です。
また、ゲーム終了時に手元に残っている自然トークンは1枚につき1勝利点の価値を持ちます。
ゲームの終了と最終得点計算
いずれかのプレイヤーの手番終了時、生息地タイルの山がすべて尽き、生息地タイルが4枚になるように補充できない状態になったらゲームは即座に終了となります。
(各プレイヤーは手番をちょうど20回ずつ行うことになります)
得点シートを使用して下記の要素から得点を記録していきます。
- 動物得点カード
- 生息地ごとの回廊地帯の大きさ
- 生息地ごとの回廊地帯の大きさの比較
- 自然トークン
最多の勝利点を持つプレイヤーの勝利です!
動物得点カード
各プレイヤーはゲーム開始前に選んだ計5枚の動物得点カードに基づき5種類の動物それぞれから勝利点を得ます。
生息地ごとの回廊地帯の大きさ
同じ種類の生息地が連続して隣接したひとかたまりを「回廊地帯」と呼びます。
各プレイヤーは5種類の生息地(山、森林、大平原、湿地、川)それぞれについて自分の自然環境内での大きさが最大(最も多くのタイル数)の回廊地帯を確認し、その大きさ1枚につき1勝利点を獲得します。
※タイルは6つの辺のうち少なくとも1辺を他のタイルと共有、かつ、描かれている生息地のイラスト同士が辺でつながっている場合に回廊地帯に含まれるとみなす。
生息地ごとの回廊地帯の大きさの比較
5種類の生息地それぞれについて、すべてのプレイヤーの中で最大の回廊地帯を持つプレイヤーは、プレイ人数に応じた追加の勝利点を獲得します。
追加獲得できる勝利点は次の表の通りです。
プレイ人数 | 最大回廊を持つ プレイヤーが1人 | 最大の回廊地帯を持つプレイヤーが2人いる場合 | 最大の回廊地帯を持つプレイヤーが3~4人いる場合 |
2人 | 2勝利点 (2番目に大きい回廊地帯を持つプレイヤーは勝利点なし) | 各自1勝利点 | – |
3~4人 | 3勝利点 (2番目に大きい回廊地帯を持つプレイヤーは1勝利点) | 各自2勝利点 (2番目に大きい回廊地帯を持つプレイヤーは勝利点なし) | 各自1勝利点 (2番目に大きい回廊地帯を持つプレイヤーは勝利点なし) |
自然トークン
各プレイヤーは自分の手元にある未使用の自然トークン1枚につき1勝利点を獲得します。
評価と感想
わたしの独断と偏見による感想・評価をご紹介していきます!
おすすめ度:⭐4
初心者から上級者までおすすめ◎二層構造に終始悩まされるリプレイ性の高いパズルゲーム!!
クセがなくシンプルなルールで、人を選ばないため万人受けするゲームです。
突出した斬新さ・インパクトはありませんが、安定した面白さを誇ります。
動物タイルと生息地タイル、それぞれにパズル要素があるため、いつもプレイヤーを悩ませます。笑
生息地タイルはここに置いた方がいいけど、動物タイルがな~、、、ここに配置するのは微妙だな、、、うーん、、、みたいな。
動物得点カードが5種類の動物ごとに4枚ずつ用意されており、ゲームをプレイするごとに違う戦略を求められるので何度遊んでも楽しめるゲームでした。
コンポーネントが素敵で、ぬくもりを感じる木製の動物タイル、六角形の美しい自然が描かれたタイルは見ていても飽きません。色鮮やかで魅力的なボードゲームです。
難易度
難易度は『やややさしめ』です。
ゲーム準備もラクで、説明書もわかりやすいため、初めてゲームをプレイしたときも間延びすることなくサクサク遊ぶことができました。ストレスフリーです。
盛り上がり
落ち着いてじっくり考えるタイプのゲームです。
慎重派のプレイヤーが多いと無言熟考タイムで間延びしてしまうため、タイル配置時間が長くなりすぎるようであれば適宜時間制限を設けてもいいかもしれません。
プレイスタイル(直感的/論理的)
プレイスタイルは、『論理的』なタイプのゲームです。
どうすれば得点を伸ばせるのか、常に戦略性が必要になります。
ゲーム終了後の得点計算するまで、相手と自分がどのくらい差があるのかなど戦況が読めないため、ほとんど己との闘いになります。
運要素
運要素は『やや高め』です。
4枚の生息地タイル、4枚の動物タイルをランダムに場にセットする、この部分に大きく運が絡み、自分の戦略に影響を与えます。
まとめ
今回は、パズル系タイル配置ゲーム『カスカディア』をレビューしました。
クセのない安定した面白さを誇り、初心者にも上級者にもおすすめしたい万人受けボードゲームでした!
当ブログでは、他にもプレイ人数別におすすめしたいボードゲームなど、アナログゲームに関する情報を発信しています。
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